2017年07月24日

発達障害への取り組み

NHKあさいち  特集
2017年7月24日

シリーズ発達障害 “ほかの子と違う?” 子育ての悩み



今朝、あさいちの番組が、発達障害の子ども2人(長女・小学6年と長男・小学2年)を抱える家庭の3日間の様子を取材し、親の悩みを一緒に考えようという取り組みを放送した。



修羅場は、小学6年の女の子が、学校から帰宅して、約束の勉強に取り組まないとか、朝、学校に行きたがらない場面。
母親が粘り強く、感情的にならないで、働きかけるが、解決しない場面である。



よく、町で子どもがやんちゃを言って、母親が、かなきり声をあげて、子どもを叱りつけている場面を見る時がある。
不愉快な感じがする。対応の仕方が分からない親だ。



でもこの母さんは違う。粘り強い。
学校に行かないで、ゲームをしたいと娘は言う。学校に行かないなら、「お家で勉強しなければ」と言うが、娘は納得しない。


母親は、娘が感情的になる場面で、筆談を試みる。
少し時間がたってから、筆談の返事が返ってくる。
子どもの返事は、拒否的な内容。


母親は、2人の子のほかに、もう一人幼児を抱ええている。ご主人も出演し、自分の感想を述べる。


番組では、座談会の形で、
井ノ原快彦、有働由美子アナ、柳澤秀夫キャスターと他のゲスト、母親の苦労をねぎらったり、質問を出したり、感想を述べる。





専門家のゲストとして、井上雅彦先生(鳥取大学大学院教授)
(認知・行動療法学会で著名な研究者・行動分析学)が出演した。


発達障害の支援方法として、行動分析、応用行動分析(ABA)のアプローチが有効で、今広がっている。
この番組の中で、母親が子供へのアプローチで使っている方法は、、応用行動分析によるものである。
子どもとか、親への支援は、応用行動分析を大学院で研修した、臨床心理士が、心理相談室とか、クリニックのカウンセリングですることができる。


始めに、発達障害には、 ASD(自閉症スペクトラム・アスペルガー症候群)、ADHD(注意欠如・多動症)、LD(学習障害)があることと、それそれの発達障害の特徴の紹介もした。


(ディスレクシア(読字障害・読み書き障害)は、学習障害の中に含まれる。ディスクレシアについては、ベルギーでは、手厚い教育がされていることが、次の日の、民放テレビで放送されていた。)


発達障害の子どもを抱え、中には、うつ病になる親もいる。


周りには理解してもらえないことが親にとってつらい。
可愛そうと言われるのがいや。
同情されるのがいや。

子どもへの伝え方が分からない。
学校の先生に、わがままととらえられる。
しつけが原因ではないと言われ、ほっとした親もいる。
親が納得して、前向きになるのに、2年かかったという。


発達障害の子は、一人一人障害が違うし、程度も違う。



どんなことで困るか?


「片づけられない。」  程度の問題。
「忘れ物が多い。」   頻度の問題
「じっとしておられない」
「宿題をやろうとしない」
「学校に行きたがらない」



「こだわりが強く、思いどおりにならないとパニックになる」
「感情のコントロールが難しく、かんしゃくを起こすと手が付けられない」
発達障害の子を育てる親のなかには、わが子を「育てづらい」と悩む人もいます。


さらに、周囲から「子どもを甘やかしている」「しつけができていない」などと言われ、傷つくことも少なくありません。


どこへ相談すればいいか・障害は治るのか?という質問に対して、
井上雅彦先生は、小児科が専門である。その中でも、専門の人がいる。
地域によって、相談機関が違う。


(今は、精神科、心療内科、小児科のドクターは、発達障害のことを知らないでは、仕事が出来ないので、研修会に出て、勉強している人が多い。)



子どもの障害、困りごと、症状を減らすことができることを
この母親の工夫の紹介によって伝えていた。


番組の最後に、今、母親はどんな工夫をしているかを紹介した。

持ち物チェックリストのカード・絵を作ってもらい、子どもはそれを見て調べる。
それによって、忘れ物が軽減できている。

失敗したり、しんどくなることがある。

よく頑張りましたと褒めてもらう。
母親が承認する。

自由時間の使い方に困る子が多いので、
1日の流れを絵のカードに描いてもらい、それを参考にすることを紹介した。

でも、パニックを起こしてしまうこともある。


診断に行かない子もいる。
やはり、本人が自分の困ったことを納得してから
診断機関に行く方が良いという、アドバイスを、井上先生はしていた。


朝の番組で、身近な発達障害の問題を、取り上げたのは、いいことだと思う。



「障害のない人」でも、発達障害と同じような症状を出す人が
身近にいることに気づかないだろうか?



障害があるなしに関係なく、人と協力して生きていくには、
発達障害へのアプローチを参考にすることは
有益ではないかと思う。



posted by 花井英男 at 15:17| 発達障害

2017年07月23日

対訳 「折々の歌」 大岡信 著 ジャニーン・バイチマン訳

対訳 「折々の歌」 大岡 信 著
ジャニーン・バイチマン 訳

Poems For All Seasons

An Anthology of Japanese Poetry From Ancient Times to the Present

Janine Beichman


日本の詩歌ベスト100
講談社  1500円

 


中日文化センター「ジョン・キーツを読む」の講座で
7月13日(木)に、岩崎宗治先生(名古屋大学名誉教授)から、この詩集が紹介された。


先生は、講義を始める前に、時の話題を取り上げたり、本の紹介をされる。


先生は、詩人、大岡信(おおおかまこと)と大岡信の中学時代の恩師とのエピソードを話された。


大岡信は、中学時代の恩師が亡くなった時に、詩の弔辞を送った。
その詩が素晴らしかったと述べた。

受講者に、この対訳詩集を回覧された。

他に、渡辺昇一(上智大)、ミルワード(上智大)との交友、蛇笏賞(だこつしょう)、
迢空賞(チョウクウショウ)のことを話していたようだ。

先生の話を全部聞き取るのが難しい。
こちらは、耳が遠くなったのと、先生の声が小さいのとで、聞き取れない。


早速、瑞穂図書館で借りて、読んだ。
目次をみると、春、夏、秋、冬と分類されている。
5000回を超える朝日新聞のコラム「折々のうた」の中から、不朽の100作品を選び抜いたもの。

古事記、古今和歌集、万葉の名歌、そして啄木、白秋、夢二による愛唱歌などがある。

勿論、芭蕉、や蕪村、子規の代表作もある。万葉集など古典が身近に感じられる。

私がうれしいと思うのは、英訳である。微妙な表現をどう訳すのか。

シンプルな訳だ。


私はこの本が出ているということは知らなかった。

気楽に、読めるのが良い。短時間で1作ずつ読み切れる。
左のページに、短い日本の詩、右のぺージに英訳である。
短いコメントが良い。

岩崎先生は、大学時代から、詩ばかり読んでいたと、いつか言われた。

著書が多い学者なので、論文も多いので、英文学者という意識であった。

詩が専門であることを最近になって知った。

岩波文庫を始め、出版社から、翻訳詩集を沢山出している。
私が、高校教員在職中、県立高校の英語教員の研修会に招かれて、先生の好きな詩を紹介された。
素晴らしい詩だったと覚えている。それも今から、何の詩だったか覚えていない。

高校や中学校の教科書に、英詩の載っていない本はつまらないことだと、先生が、講義で述べたことがある。
同感である。高校の教科書の表紙の裏とか、教科書の中に、英詩が出ていることは素晴らしいことだと思う。


リーダーの文学教材(詩、小説、伝記、映画の名作、日記、童話など)は、歴史背景、作品の内容は、十分に準備して下調べして、生徒に授業で伝えることは、英語教師の大切な仕事であるし、私にとって、一番の楽しみであった。愛知教育大学附属高校在職中は、研究紀要に、教材研究の成果を発表した。また、雑誌「新英語教育」にも、連載で発表させてもらった。

在職時代の研修会での、岩崎先生の講演は、私たち英語教員の要望にこたえるものであった。大学の英語教育の担当者には、このような観点を見失ってもらいたくない。大学の英語教育担当者あるいは、英米文学研究者に、このような観点を重視してもらいたいと思う。

私が在職中の頃、羽鳥博愛先生(東京学芸大学名誉教授)がいた。





posted by 花井英男 at 14:20| 文学・芸術

2017年07月16日

映画  「日本の青空」と「太陽がほしい」

映画会に参加

時:2017年7月15日(土) 10:30〜15:30
場所: イーブルなごや ホール
地下鉄:東別院


映画「日本の青空」10:30〜


挨拶:小出隆司さん 「ぞう列車がやってきた」作者



歌いましょう「ムクゲの花」13:25〜
ハーモニカ:加藤剛さん ピアノ:中山淑子さん



映画:「太陽がほしい」13:30〜15:30


挨拶:池住義憲さん (自衛隊イラク派兵差止め訴訟の会代表・
名古屋高裁で勝利。自衛隊イラク派遣は、憲法違反の判決を勝ち取り、勝訴。ただ一つの勝訴。)



主催: 愛知・日本軍「慰安婦」問題解決すすめる会


協賛:
 
新婦人愛知県本部
日本ベトナム友好協会愛知県連合会
愛知大学9条の会

日中友好協会愛知県連合会
日本ジャーナリスト会議東海
アジア太平洋・平和文化フォーラム




家内と2人で、イーブルなごやへ、2つの映画を見に行った。
感想を述べたい。


映画「日本の青空」は、終戦後、現在の日本国憲法の作成に尽力した鈴木安蔵・憲法学者らの活動を描いた映画。


ストーリーは女性編集者沙也可(田丸麻紀)が鈴木安蔵の足跡を取材する、というかたちで描かれる。

沙也可は、鈴木安蔵が住んでいた東京の住所から、取材を始める。ようやく鈴木安蔵の娘たちを探し当てた。
鈴木安蔵の娘たちの証言や日記から、戦時下における鈴木安蔵の苦労を描く。


戦後、46歳で初めて、静岡大学教授、愛知大学教授になった人物。立正大学教授等を歴任。
静岡大出身の連中は、鈴木安蔵を誇りにしている。


京都帝国大学文学部哲学科に入学したものの、河上肇の影響を受け経済学部に転じる。京都大学在学中に社会科学研究会のメンバーとして活動し、治安維持法違反第1号の逮捕者となり、特高の暴力的な取り調べを受けた。大学を自主退学した。豊多摩刑務所に2年間服役した。


学会からは、「唯物史観的」として発禁処分を受け完全にパージされてしまった。


戦前期において、実に20作以上に上る著作を発表し、また研究活動の過程で明治期の民権運動家による私擬憲法(憲法案)を発掘したことは、戦後の、日本国憲法制定の活動につながる。



戦後、憲法制定時に、GHQは、アメリカの大学の図書館に、鈴木安蔵の憲法に関する著書があるのを発見し、GHQのメンバーが、鈴木の家を訪ねてくる場面が出てくる。日本の良識のある学者をGHQは把握していた。


GHQが、日本政府のトップの関係者に新憲法案の作成を指示するが、その案は、明治憲法の考え方の性格を出ない物であり、どうあがいても、政府関係者は、明治憲法の思考能力しかできないし、作成能力はない。何度も、GHQは日本政府側の憲法草案を突き返した、GHQ担当者はイライラする。

日本政府側の憲法の草案を英訳するのは、優秀な若い日系アメリカ人達だ。政府のトップの連中の使う用語は、「神聖にして犯してはいけない天皇の存在、神としての存在としての認識である」。世界の常識では考えられない認識である。


一方、鈴木安蔵を中心として、高野岩三郎ら民間人による「憲法研究会」が、作成した憲法草案をGHQに提出する。これをGHQの翻訳グループが、英文に翻訳し、憲法案 となる。共産党なども憲法草案を提出していた。
沢山のタイプライターを沢山並べて、沢山の日系アメリカ人達が、翻訳で活躍する場面が出てくる。

ポツダム宣言に基づき、天皇の象徴的存在として位置づけ、戦争放棄と、陸海空軍の保持をしない(9条)、国民主権などの文章にたどり着くまで、鈴木安蔵ら研究者グループが、議論を重ねる様子が描かれている。


純粋に、日本人の良識的な研究者たちが、苦労して作成したものを、GHQが世界の常識、世界の良識の観点から、憲法草案として、これなら、良しとして採用したものが、現在の日本国憲法である。

世界の常識、世界の良識として、堂々と、世界の誇る憲法草案を作成したのは、純粋に、日本人なのだ。

現憲法は、「GHQの作成したもの」、「アメリカの押し付けたもの」と、自民党など右翼の連中は、悔しがって言っていることは有名だ。これを真に受けている人がいるのも事実だ。


何が正しいかは明らかである。


まだ、自民党など右翼勢力は、明治憲法、教育勅語の内容が、恋しくてたまらないのだろう。

ただ、びっくりするのは、身近に、そういう感覚の人たちがけっこういることだ。明治憲法がよい、教育勅語が良いと思う人がいまだに、いるんだ!

午後の映画会で、上映された、「太陽がほしい」は、15年間続いた、太平洋戦争での中国大陸の各地で頻発した、軍隊ぐるみで、組織的に日本軍の中国人女性に対する性暴力を働いたという事実を現地で、地元住民から聞き取る、ドキュメンタリー映画である。


被害者たちは、老齢になり、心身の病気に悩まされ、財産もなく、親族もない、隠れて、ひっそりと、かろうじて生きている。

慰安所にいたということが知れたら、中国では、社会から迫害される。被害者たちは埋もれている。「私は被害者ではない」と被害者たちは言う。被害者を探しだし、支援する人たちがいる。中国人、日本人のボランティアたちだ。

誰にも言えないで、苦しんでいる。心身の病気に苦しんでいる。見つけて、まず病院に連れて行き、身体疾患からの回復の支援をする光景が出てきた。映像からは、被害者たちの言葉から、フラッシュバック、侵入思考、体の異常にいつも襲われている様子がうかがわれる。。

中国政府は、何もしてくれないと怒り、恨みの感情を持つ。中国政府は、慰安婦問題を取り上げない方針だ。

10万人以上の被害者が推定されている。東南アジアには、被害者のマップが作られているが、あくまでも推定のものである。

橋下徹元大阪市長は戦争があれば世界中でどこでも起きているんだと演説する場面が紹介される。
小泉純一郎元首相が、侵略戦争を讃美する靖国神社の参拝する風景が出た。

慰安婦は、歴史上、存在しないのだと主張する団体の女性の街頭演説風景が映し出された。
日の丸を掲げて、靖国神社を参拝する若者が軍隊調で歩く姿が映し出された。
これが現代の日本の風景だ。

書籍・「太陽がほしい」など2冊は、上智大学大学院に学んだ、中国人の日本留学生、班忠義氏が、映画のシナリオを含めて、日本軍の中国での性暴力を受けた被害者たちの発掘、支援、日本での裁判闘争を記録したものである。

「太陽がほしい」  班忠義 著  合同出版  1000円

「太陽がほしい」という言葉は、侵略戦争の時、中国の女性たちが、暗い部屋に監禁され、性暴力を受けた時の願い、太陽=希望の光を遮られえることなく、いつまでも強く照りつけられるようにという思いが込められてる。

昼食休憩のときに、「ムクゲの花」が紹介された。ムクゲの花を返してほしいという歌。私たちの青春を返してほしい!という願いを歌ったもの、慰安婦とされた人たちの訴えである。木槿(ムクゲ)は韓国の国花。


韓国政府は、住民運動を背景にした日本政府への謝罪と補償を請求している。
中国政府は、日中国交回復を名目に、日本政府への謝罪と補償の民間運動を根こそぎ、弾圧している実態が、映画の中に出てくる。

少女像は、韓国各地に設置されたほうがいいという考えが出ている。
国連においても、アメリカの州議会においても、適切な扱いがされることが決議されている。

そのような中で、日本の支援団体、中国の支援団体が、共同して活動している姿が描かれている。


大変、重い、重い、映画だ。




posted by 花井英男 at 11:06| 戦争・平和