2017年10月03日

認知・行動療法学会に参加して

認知・行動療法学会に参加して


日本認知・行動療法学会第43回大会
大会テーマ 「援助職の共通言語として」


会期:2017年9月29日(金)〜10月1日(日)


会場: 朱鷺(とき)メッセ (新潟コンベンションセンター)

新潟交通バス停     「朱鷺メッセ」



9月28日(木)早朝、7時ころ、中部空港から、新潟便で出発した。
佐渡観光をしたいという希望だった。
予定通り新潟空港上空に着いたが、強風のため、天候回復を待つために、少し上空を飛んでいたが、回復出来ないと判断し、中部空港に引き返しますという機長からの報告があった。


家内と新潟のホテルに電話した。
28日は、夕方の便まで中部空港に滞在することになり、1日中、本を読んで1冊読んでしまった。気分転換のため、空港デッキで飛行機を見たり、3階の店をぐるぐる回り、ウィンドウショッピングをした。


夕方、学会に行く、古村健さんが来て、新潟便の搭乗口付近で、ゆっくりよもやま話が出来た。イギリスの統合失調症の認知行動療法の研修のため、バーミンガム、ロンドン、マンチェスターなど数か所に行ったとのこと。


古村さんは,大学院修士課程時代のクラスメイト。
東大大学院博士課程で統合失調症の妄想・幻聴の認知行動療法に関して博士号をとった。今回のワークショップの講師だ。


さて、今回は、学会のワークショップ4つに参加した。
初日


9月29日は、
「統合失調症への認知・行動療法」
石垣琢磨・東京大学教授
古村健・臨床心理士 博士  国立病院機構 東尾張病院



統合失調症患者の幻想、妄想への認知行動療法の具体的な方法を提示してくれた。恩師(石垣先生)と弟子(古村さん)の共同のプレゼンテーションであった。日本ではこれは初めてだと思う。これからもどんどん発表をしてもらいたい。


実践を積み上げてきた古村さんの発表であった。ワークショップの後に、運よく一緒に昼食をとることが出来た。ご苦労様とお礼を述べ、率直な感想を述べ、本の紹介など聞くことが出来た。ラッキーだった。




9月30日(土)は、「スキーマ療法の理論と実践」
大島郁葉(おおしまふみよ)・千葉大学  子どものこころの発達教育研究センター
臨床心理士・医学博士



3時間の、圧縮した内容であった。とても3時間では扱いきれない内容だ。
今までスキーマ療法のワークショップを受けたが、一番、内容があった。
日本人でただ一人、スキーマ療法の資格を持つ人。さらに今まで実践を積み重ねているベテランだ。実践の積上げ、実績がある。
こういう人から、また、研修を受けたい。



10月1日(日)は、2つ、
「非随絆性強化(NCR)を技術レベルで事例から理解する」
奥田健次・臨床心理士・桜花学園大学大学院客員教授



新潟大の神村先生からの要請を受けてのワークショップをすることにしたと、経緯を述べた。。
行動分析学者としての本を沢山出す。愛知大学での集中講義を受けたことがある。
現在も東京のいくつかの大学でも講義する。

中身は、実際的なものばかり。非随伴性の課題を3つの枠の中に書きこむものだが、難しくて、正解が出せる人はごくわずか。


行動分析学は、理解はできても、技術として出来る人はごくわずか、という指摘。その通りだ。
徳島の特別支援学校の、行動障害の中学生の実践例のヴィデオは、beforeとafterはすごい変化だった。両親の許可を得たヴィデオを見た。2人の担当教員は殴られたり、ひっかれたりして、顔と体中にきずだらけ。学校の職員全員への話をして、1回の話だけで改善した。

この事例は、「メリットの法則」集英社に記述されている。

徳島県では、学校の教職員のABA研究会が盛んなところ。鳴門教育大に島宗先生がいた頃、ABA研究会が立ち上げられた経緯がある。

奥田先生は、アメリカの施設でも、職員が困り切っているのを、即座に解決して見せたなど実践が豊富だ。


ABA(応用行動分析)のすばらしさを実感した。
奥田先生は、世界中をまわって治療活動をしている。会えば挨拶するが、中々近寄れない存在に感じる。
しかし、彼は、権威が嫌いだという。気さくに付き合ってくれる存在だと思う。。
行動分析学会への加入を呼びかけられた。私は高齢で退会したが、未練が残る。


柳澤さんと帰りの空港で、奥田先生のWSは良かったね、と感想を述べ合った。
明日から使える内容だ。
横浜から来た精神科医と昼食をとりながら、奥田先生のWSの話が出来た。
「難しいですね」という感想だった。


アクセプタンス&コミットメント・セラピー入門
:体験に基づいてACTの基本をまなぶ
早稲田大学人間科学学術院
大月友  臨床心理士・博士



ACTのWSは熊野宏昭先生(早稲田大学)、武藤崇先生(同志社大学)から受け、実践を始めた。
それでも大月先生のWSを受けたいということで受けた。岐阜で、大月先生の講演を聞いているので、また聞きたくなった。
やはり、受けてよかった。

2018年3月3,4日  きらめきみなと館  福井県敦賀市でACT-japanの年次ミーティングが開催される。ACTの実践は広がっている。


新 潟 観 光 と 佐 渡 観 光



中部空港からの新潟便が、強風のため着陸できないため、中部空港に引き返し、振替の夕方便で新潟に到着したため、新潟観光、佐渡観光はダメになった。


同じクリニックのTさんは、小牧からの新潟便を使い、やはり、強風のため、着陸できず、上空で旋回していて、なんとか着陸できたとのことであった。


夕食は、新潟駅万代口(ばんだいぐち)の構内に隣接する店で新鮮な魚の寿司を購入したり、地下の食堂を利用した。


昼食時、朱鷺メッセ(国際会議場)に隣接する、新潟県立万代島美術館の所蔵品展「うつくしい暮らし」―生活によりそう工芸・デザインーを見た。


朱鷺メッセに隣接する展望室(31階)からの眺めがすばらしかった。
西をむけば、眼下に信濃川が流れ、雄大な日本海、遠くに佐渡島がかすんで見えた。芭蕉の句が浮かんだが、荒波ではなかった。快晴で、静かな海のようだ。


反対側の東を見れば、眼下に、新潟の街並み、広い田園地帯と遠くに山並みが連なっていた。
360度の見晴らしがすばらしい。


短時間で出来る新潟観光はないかと探した結果、新潟市観光循環バスを見つけた。
16か所を周る。降りて見に行く時間はない。バスに乗りっぱなしで、こんなところがあると分かればよい。料金は210円。会議場に戻るコースに乗った。循環バスに乗って、朱鷺メッセ・国際会議場を見ると、すごく大きい。


マリンピア日本海、旧斉藤家別邸、北方文化博物館別館、会津弥一記念館、マンガの家、安吾・風の館などであった。坂口安吾と会津八一の出身地らしい。

朱鷺メッセの会場2階から外の眺めも良い。会場は、信濃川沿いにある。信濃川の風景がきれいだ。



ポスター発表
第9会場 展示ホールB (1F)
 ポスター発表のお目当ては、恩師の発表だ。

選択性緘黙を呈する中学生への行動療法アプローチ
ー行動アセスメントとその事例適用―

小野昌彦 明治学院大学心理学部 教育発達学科
江角周子 筑波大学大学院 人間総合科学研究科



奈良教育大学大学院時代の恩師・小野先生のポスター発表に駆け付けた。発表時間内に会えるといいと思った。
小野先生の口頭発表を沢山の人が集まって聞いていた。私は、なるべく前に出て、ポスターの中身を読み取ろうとした。


やがて、皆さんが帰り、「先生、すごい発表ですね」と話しかけた。数十年ぶりの緘黙児の治療成功例だとのこと。
多分、先生のSCとして勤務校の事例であると思われる。緘黙の生徒が、治って、全校生徒の前で、発表する。
この実践研究論文は、行動療法研究にのせるとのこと。


緘黙の実践例は、上越教育大の加藤哲文先生以来の発表だと言われた。行動分析に基づく、アプローチである。見てみれば、コロンブスの卵だ。とにかくすごい。


先生は、筑波大学の東京・茗荷谷(みょうがだに)の相談室で、後輩の院生の指導もしている。
この学会に、先生は、二人の院生と一緒に参加されていた。
私は、かつてSCの勤務校で緘黙の生徒がいた。親御さんはそっとしておいてほしいということであった。私の力不足であった。


小野先生は、来年の認知・行動療法学会は、白金(しろかね)(明治学院大学)でやるので、今回の会場の様子を、JTBの担当者と見て回っているとのことであった。JTBのスタッフは、明治学院の教え子だという。「私の本でてるかなあ」というので、「西村書店のコーナーで沢山、積み上げてあります」と案内した。

小野先生は、来年の学会では、不登校のテーマで、何か(講演か、シンポジュームか何か)、開こうと思っていると言われた。


小野先生と南和行先生の東京のSCグループの不登校研究会は、夏休みと冬休みに研究会を開き、学校臨床の交流を進めていると言われた。ますますの発展を祈る。

認知・行動療法学会は、昨年、会員は2200名を越した。今年の参加者は、昨年の初日の参加者をすでに超えたという。

来年の認知行動療法学会

日程  2018年10月26日(金)〜28日(日)

会場:  TKP品川カンファレンスセンター(26日)

     明治学院大学  白金(しろかね)キャンパス(27,28日)

2013年以来、久しぶりに東京で開催される。

大会会長 大野裕史(兵庫教育大学)  
準備委員会委員長 小野昌彦(明治学院大学) 
準備委員会事務局長 森本浩志 (明治学院大学)



今回の学会で、旧知の人と出会った。帰りの空港で、首藤先生夫妻(広島国際大)が2人の子どもさんを連れていた。搭乗口に歩いて行かれる時に、お二人が手を振ってくれた。

米山直樹先生(関西学院大)にWS会場で挨拶した。坂井誠先生(中京大)、柳沢先生、瀬口先生(犬山病院)、T先生(同じクリニック)、仁藤先生(岐阜)。杉山雅彦先生(福島学院大)。


なごやメンタルクリニックの院長の原井宏明先生と、新潟便の中で、近くの座席になり、挨拶した。空港から、新潟駅までのタクシーの中で、先生の日常の診療についての話を伺った。突然、英語で話初め、数分スピーチをされてのには、驚いた。「僕は準備してきているんだ」と言われた。今回、招待されたアメリカ人はいなかったがなあと思って不思議に思った。

原井先生は初日、教育講演の座長をされる予定だ。講師は京都大の古川先生。柳沢先生と、瀬口先生も一緒だった。原井先生の話に、瀬口君がうん、うんと言ってうなずいていた。

ハワイ大学の方でもまた勤務されると言っておられた。この10年、名古屋で勤務され、来年1月から東京で、原井クリニックを開かれるとのことだ。

岡嶋美代先生のひきこもりの青年OCDの支援のケース発表を聞いた。素晴らしい発表だった。杉山雅彦先生の司会。
岡嶋先生には、帰りの空港の搭乗口で、挨拶した。いつも私を労ってくれる。

私は高齢だという意識はあまりない。これだけの実力を持つ心理士はいないと思う。名古屋に来年、心理クリニックを開設されるとのことだった。来年の行動療法コロキウムを、担当される。

行動療法コロキウム in 三浦海岸

主催 (社) 日本認知・行動療法学会 コロキウム’17準備委員会

2018年2月10(土)ー12(祝)

会場 マホロバマインズ三浦    先着100名 

神奈川県三浦市南下浦町上宮田3231   TEL  046−889−8900 

名古屋から2時間40分
東京から1時間半
羽田から1時間20分


10月1日から申し込み受け付け開始。http://bit.ly/2x2kOg3
先着 100名

2泊5食 32000円  1泊3食  26000円
コロキウム準備委員会 問い合わせ colo17@gmail.com











posted by 花井英男 at 12:37| 研修

2017年09月24日

秋彼岸・放生会

秋彼岸  放生会・法要


9月23日秋彼岸、放生会法要でお寺にお参りした。広い境内の庭木が良く手入れされて、清々しい、気持ちが良い。これだけ広い境内の手入れは大変だろう。池には、錦鯉、蓮の葉が伸び伸びと出ている。花屋さんが花を並べている。


受付に行くと、
お参りに来る私たちに、お寺の御嬢さんが、小さな盆に、お菓子をのせて、「どうぞ」と言って、お盆を差し出してくれた。「きょうかちゃんですが」と尋ねると、うなずいた。一つもらって、「おおきくなったね」と挨拶をした。


渡り廊下を歩いて本堂に行く。椅子が並べてあるのがうれしい。座布団に座るのはしんどい。


法要の後、幼稚園でおとき(昼食)を頂いた。幼稚園の教室に張り出してあるものに感心した。簡単なことわざが4つ位と、金子みすずの「ふしぎ」という短い詩が目に入った。

ふしぎ
                  

 
金子みすず


          わたしはふしぎでたまらない、
          黒い雲からふる雨が、
          銀にひかっていることが。


          わたしはふしぎでたまらない、
          青いくわの葉たべている、
          かいこが白くなることが。



          わたしはふしぎでたまらない、
          たれもいじらぬ夕顔が、
          ひとりでぱらりと開くのが。
 


          わたしはふしぎでたまらない、
          たれにきいてもわらってて、
          あたりまえだ、ということが。


この小さな詩は、きっと子どもたちの心に残るだろう。
感性の鋭さ、純粋さ、繊細さ、みずみずしさがある。


 当たり前のことを不思議と思う自然現象への観察力のするど
さ、あるいは、生物の生命力へのおどろき、いとおしさ、やさしさ、あたた
かさがある。



posted by 花井英男 at 16:04| 宗教

2017年09月22日

奈良への旅行

奈良への旅行



9月中旬に、家内と、法隆寺、唐招提寺へ旅行をした。大和路への旅行をしたいと思ったのは、日本への仏教の伝来に関心を持ったから。

日本の仏教の歴史は、6世紀にはじまる。538年、欽明天皇の朝廷に百済の王が、使臣をもって仏像、経巻を献じたのが始まりだと言われている。


法隆寺の建立(607)、東大寺の建立(752)、唐招提寺(759)に至る時代に焦点があてられる。

鑑真誕生から、渡航、日本での活躍、死去までの経過は次の通り。

鑑真誕生(688)、
鑑真渡日を決意(742)

密告を受け、第1次渡航失敗、第2次渡航計画するが出帆後失敗(743)、
栄叡(ようえい)、捕えられ、第3次渡航失敗(744)、

天台山巡礼を口実とする出帆する第4次渡航失敗(744)、
遭難して海南島に漂着、第5次渡航失敗、広州に向かう(749)、
華南から揚州への帰路、失明(750)、

10月、遣唐使に揚州で来日を要請され、11月、蘇州から出帆、沖縄を経て、
12月、秋妻屋の浦(鹿児島)に到着、大宰府に入る。(753)

2月入京、3月、授戒一任の勅を受ける。4月、聖武天皇夫妻、孝謙天皇に授戒。(754)
東大寺に戒壇院が完成。(755)

唐招提寺建立(759)
弟子の忍基ら、肖像を作る、(763)
5月6日没(763)


この頃、中国でも、西域でも、インドでも南海の国々でも知的、宗教的、芸術的活動が力強く営まれていた。新しい日本文化の動きが、このアジアでの文化の潮に大きく影響を受けた。


長い間、未開の状態であった日本は、百済との交流、遣隋使、遣唐使による中国との交流が盛んに行われた。渡来人の働きが、飛鳥、奈良時代において大きな役割を果たした。

鑑真和上の日本への渡来は、感動的な出来事と私には思われる。唐招提寺の御影堂の障壁画に関わって、東山魁夷の10余年にわたる制作過程には、鑑真和上の研究が含まれる。

井上靖が、「天平の甍」に、鑑真研究の成果が盛り込んだと言われている。
鑑真和上の研究書は、東野治之著「鑑真」 岩波新書が詳しい。


今回の旅行は、全体的に、ジパングを使い、JRを利用した。
初日は、JR「法隆寺」駅からバスで法隆寺へ行った。広大な古い土塀に囲まれた法隆寺の境内にまず圧倒された。

工事中の所もあった。五重塔の中の粘土による仏陀の生涯のエピソードの像が印象的だった。
7世紀初めの頃に、こんな仏像制作が良くできたものだ。建築にしてもこれだけの技術があったのだ。エンタシスの柱は有名だ。渡来人の活躍があった。ボランティアのおじいさんが丁寧に写真を見せて話をしてくれた。

修学旅行の子ども達が、次から次へとガイドに導かれ歩いていた。
お昼の弁当は、大阪駅で買った懐かしい「柿の葉寿司」だ。


宿は、近鉄奈良駅の近くの旅館に泊まった。朝食付きの安い宿だ。商店街をぶらついて、奈良漬けを土産に買った。


JR奈良駅も近鉄奈良駅も、奈良公園付近も懐かしい。奈良教育大学大学院に1年間通ったので、奈良は懐かしい。興福寺の境内をぶらついた。鹿のふんがあちこちにあり、歩くときに注意をする。



2日目は、早朝から、唐招提寺にバスで出かけた。西ノ京唐招提寺。
鑑真が3種類の蓮を持参したという、その蓮が今も咲いているという。蓮の手入れを坊さんたちがしているという。鑑真が仏教を本格的に伝えたと考えられる。井上靖の小説はまだ読んでいない。当時の様子が丹念に書かれているという。ぎっしりと活字の詰まった内容で、読むのが大変だ。


雨の中の唐招提寺だった。しっとりとしていた。早朝だったので、人影も少なかった。芭蕉の句碑はどこですかと、掃除をしている人に聞くと、地図を首にぶら下げていて、親切に教えてくれた。法隆寺と比べて、唐招提寺は、森の中にあるお寺だ。蓮の池があった。数十種類の鉢植えの蓮もあった。


「古寺巡礼奈良8 唐招提寺」の本を買った。俳優の滝田栄、唐招提寺執事長、研究者・東野治之など著名人の執筆の文章が載っている。

帰りにバス停の近くにある酒店で、「天平に甍」という地元の酒を購入した。
台風が接近しているがまだ大丈夫だ。




posted by 花井英男 at 10:13| 旅行