2018年03月28日

里親、里子に支援を

里親  里子に明るい、力強い支援を

里親をやめる

―里子の育て方が難しいー



2018年3月28日朝のNHKニュース番組で、「里子の育て方が難しくて里親をやめる」ことを報道した。
里子が、トラウマ(精神的外傷・心の傷)を抱えているので、普通の子どものように育てられないと言う困難さが推測される。

里子の子どもたち自身はトラウマを抱えて、苦しんでいると思う。どう訴えていいか分からないかもしれない。どうしても問題行動を起こしてしまうのだろう。一番必要なのは、子どもへの心理療法によるアプローチであると思う。

これがなされれば、里親も安心して育てられるだろう。里親は、どのような心理療法・アプローチがあるか知らないので、絶望的になってしまうと思う。


家庭の事情で、養護施設に入る子供がいる。養護施設で働く、友人の臨床心理士がいる。

子ども達の家庭背景は、一言で言えない。母親の虐待もあれば、両親による虐待もある。家庭不和、親の離婚。養育能力のない親もいる。

子どもたちには、何の責任もない。しかし、両親による、精神的・肉体的虐待を受けて、心に傷を持ち続けている。成人してからもトラウマに苦しめられて、日常生活、職業生活に困難を覚えている。

精神的にも、肉体的にも、傷を受けて、日常生活をすることが困難な好況にある。
時がたてば解決するというものではない。時間が解決することはできない。

その人が自分で解決できるものではない。施設の職員は慎重に、心を込めて、毎日子どもたちに接ししている。多額の研修費を払い、国内の学会、ワークショップなどの研修など受けている。

トラウマを抱える人への支援は、医療機関、心理相談室では、必ずしも十分な対応が出来ていないと思われる。医師、臨床心理士自身が関心がない、知識がない。対応できない。

トラウマを抱える人への支援は、一朝一夕に解決できないもどかしさがある。現代社会が抱える大きな問題である。

一方、ひきこもり、トラウマ、複雑性トラウマ、解離性障害などに取り組む、臨床心理士、医師、大学の研究者などが増えてきた。

明るい兆しだと思う。EMDR学会では、アメリカで、心に傷を受けた子どもにEMDRを施す実践例のビデオが上映された。アメリカでも、すでに日本より早く、傷を抱える里子を里親の取り組みがあったと思われる。

日本では、杉山登志郎先生(浜松医科大学)が、早くから愛知県の子ども医療センターにおいて手がけ、現在も取り組んでおられた。他にもおられるだろう。


子どものトラウマに取り組む、医師、臨床心理士、PSW、行政、学校の関係者が、里子のトラウマからの回復のためのネットワークが出来れば、里親が一人で抱え込むことはなくなると思う。


まだ、トラウマに関する一般の人の関心は低い。ソーシャルワーカー、医師も知識は浅い。医師の関心も低い。医師も、臨床心理士も、現在の自分の取り組みに満足しているのが実態だ。


里親は、大変な苦労をしていると思う。里親が抱える問題は、想定内のこととして全力で支援する体制が作られなければいけない。

子どもたちが、トラウマの心理療法をうけるための経済的負担を里親が支払うのは大変だ。経済的負担の支援も必要ようだ。支援をする心理クリニックが日本各地にでき始めている。


日本では、現在、カウンセリンぐ料金は、健康保険が使えません。街にある、心理クリニック、心理相談室においては、多額の料金が発生します。

心理相談室を開設しているものとして、大変、心苦しい気持ちです。
早く、健康保険が一般のカウンセリングに使えるようになることを期待します。

トラウマを抱える人に、気軽にカウンセリンぐを受けたり、健康保険がカウンセリンぐに使えるようになる日が早く来ることを期待します。


このような体制が作られるには、少し時間がかかる。しかし、こういう状態を放置していてはいけない。

トラウマを抱えた子ども、トラウマを抱えたまま、青年になった人、大人の方々への心理療法による方法は、豊富になっている。

トラウマを抱える人たちが、問題行動を起こして、福祉制度の恩恵が受けれられなくなっている状況もある。心の病を持つ作業所では、ソーシャルワーカーも、看護婦も職員もトラウマを抱える人への関心がないところがある。十分な研修を受けずに対応している様子が見受けられる。

心の病を持つ人に対応できる能力を付けてほしい、研修を受けてほしい。まだ、国家資格に安住して、お粗末な能力で対応しているのが現状だ。こういう問題が発生していることもも見逃されている。

心の病を抱える人は、デイケア等で、対人関係の困難な人同士のトラブル(もの隠しなど)を体験して、心の傷を持っているとか、医師の不用意な発言に一生傷ついている人もいる。必死の思いで心の病を抱える人は生きていることを知ってほしい。

医療機関の中で、スタッフが気付かない、辛い体験してその医療機関を変わる人もいる。それを、その患者が悪いのだと非難するPSWもいる。患者の立場に立てないスタッフがいることもある。

さて、つらい体験をした人に対する、心理療法として次のようなものがあります。
ブレインスポッティング、USPT統合法、EMDR療法などが、現在、各地で、実践がされている。

これらは、どれもしっかりとした心理療法である。人によっては、1年以上かかる人もいるだろう。

こういう心理療法が、トラウマを抱える、子どもたち、青年、大人に届く時代になっていることを知っていただきたいと思います。

養護施設で育った子供の中には、青年に成長してから、独立して生活をしていくことに困難を抱えている人が少なくないと報道されている。こういう子供たちに、十分な支援が配慮されていない現状だ。

私は心のトラウマを抱えて、日常生活に困難を抱える方への支援をしている者の一人として発言しました。
明日への希望を持っていただきたいと思います。

読んでいただいて有難うございます。








posted by 花井英男 at 10:40| USPT研究会

2018年02月15日

辛い体験をした人の治療法・USPT統合法

辛い体験をした人の治療法・USPT統合法

USPT研究会の紹介

臨床心理士の方々へ




2月10日、11日、12日、神奈川県三浦市で行われた、行動療法コロキウム ’17 in三浦海岸において、事例発表の中に、「生霊に悩まされた女性」の事例があった。

行動療法でアプローチした発表であった。結構時間がかかったようだ。行動療法学会の事例の中には、つらい体験をした事例は、あまり出てこないと思われる。

解離性障害についての事例は出てこない。

この事例で出てくる、生霊など憑依霊とか、つらい感情を抱えた人格を扱うUSPT統合法を、医師とか、臨床心理士は、もっと理解する必要があると思う。

解離性障害についての医師や臨床心理士の理解がもっと深まればいいと思う。

EMDR療法では、最初のアセスメントで、「解離性障害の臨床的兆候」をチェックする。「声が聞こえる」かどうかというシュナイダー症状のチェックがある。DSM−5においては、シュナイダー症状は、扱わなくなったが、EMDRでは、「解離性障害の臨床的兆候」必ず、扱うことになっている。

このチェックの中の、声が聞こえることを、診察の時に患者が医師に話すと、「それは気のせい」と言われて相手にしてもらえないことが多いと、私(臨床心理士)に訴える。時には、統合失調症の「幻聴」と間違える医師もある。

解離性障害については、臨床心理士も、医師も、無知、無理解なことが多い。
DSM−5においては、解離性障害は、300.15(F44.89)「他の特定される解離症/他の特定される解離性障害」・OSDDの項目に該当する。憑依のエピソードについては、「1.混合性解離症の慢性および反復性症候群」の該当する。

EMDR学会に所属し、病院臨床をしている人なら、頻繁に解離性障害のクライエントに出会うだろう。
昨年、福岡県で行われた、USPT研究会のワークショップでは、質疑応答で、「自我状態療法(USPT統合法)で出現した、つらい感情を抱えた人格が融合を拒否する場合どうするか?」という鋭い質問が出た。

この質問をした参加者はもちろん、EMDR関係者だった。サンドラ・ポールセンの、「トラウマと解離症状の治療ーEMDRを活用した新しい自我状態療法ー」東京書籍発行は、かなり普及したと思われる。
今年のEMDR学会に、サンドラ・ポールセンが講演することになった。期待したい。

しかし、今、一歩、上記の本について、理解しがたいというか、使えない面があるように思われる。

このような状況の中で、私は、小栗康平先生(東京・早稲田通りクリニック)のUSPT統合法に出会った。小栗康平先生は、精神科医として、EMDRを活用しながら、、解離性障害について、アメリカの先行研究を研究し、USPT統合法を開発した。

小栗康平先生は、EMDR学会でも、USPT統合法を発表し、日本精神神経学会、精神科の医師の学会などにおいても何度も発表された。著書も3冊発表された。

昨年、6月下旬に、名古屋の国際会議場での、日本精神神経学会においては、USPT統合法について、シンポジュームが、新谷宏伸先生(USPT研究会理事長)のもとに開催され、盛況であった。

今回の行動療法コロキウムで、私は、USPT統合法について紹介した。「生霊の女性」の事例を発表した、若い臨床心理士は、私のUSPT統合法についての発言に関心を持っていただけた。

発表者の、彼は、USPT研究会のウェブサイトを見て、ワークショップにぜひ参加したいということだ。

解離性障害へのアプローチとして、勿論、EMDR療法の標準的プロトコルによってトラウマの軽減はできること言うまでもない。しかし、USPT統合法の方が、時間的に短いのではないかと思う。

心理師は、一つの治療法、例えば、行動療法にだけ、関心を持っていてはだめだと思う。例えば、ブレインスポッティングもあり、EMDRもあり、認知再構成法、スキーマ療法もある。

私は、捨ててきた治療法もある。どうしても疑問を持ってしまう、臨床動作法。催眠療法は何度ワークショップに参加しても実際にどうするのかを教えてくれない。お金の無駄だと思った。必要になったら、納得がいくなら、催眠療法もやるつもりだ。ソリューションフォーカスもあきらめた。

私の勤めるクリニックでUSPT統合法に関心を持っておられる臨床心理士がおられる。少しずつ関心を持つ人が増えていけばよい。患者さんの回復に何よりも貢献するのだ。私は病院臨床・私設相談室で、USPT統合法を使わない日はない。

USPT統合法について、詳細は、「USPT研究会」を検索して、ウェブサイト・ホームページでご覧ください。









posted by 花井英男 at 11:48| USPT研究会

2017年09月04日

USPT 研究会ワークショップに参加して

福岡のUSPT研究会ワークショップに参加して

第3回USPT研究会ワークショップ
日程 2017年9月3日(日)9:20―16:30

会場 サンレイクかすや(福岡県)
福岡県糟屋郡粕屋町駕与町1丁目6−1

JR 長者原駅  (JR博多よりアクセス良好) 
会費 7000円(ランチ懇親会を含む税込額)


ワークショップ・プログラム

第1部USPTの基本

クライアントへの説明モデル
小栗康平先生の講義―USPTの基礎

症例報告

T 「30代後半、主婦の不安障害」    花井英男

U 「USPTを用いて1回で統合に至った内在性解離の事例
    〜年齢退行法、悲嘆療法が適用できない場合の対処法として〜」   十寺智子

V「USPTを用いた解離性同一性障害の治療ー人格統合までの9回の外来診療」   新谷宏伸


ロールプレイ&ペアで実技演習@


ランチ懇親会
会場にてお弁当を用意



第2部 USPTの実践

デモンストレーション 十寺智子先生

ペアで実技演習A(各自がスクリプトをもとにUSPTを行う。講師は随時指導)
実技に関する質疑応答

第3部 USPT 総合討論・質疑

パネルディスカッション
質疑応答&まとめ



前日に私は、JR篠栗(ささぐり)駅の前にあるお遍路の旅館に泊まった。
駅の正面には、樹木に囲まれた、弘法大師千百五十年御遠忌記念の石の大きな記念碑がある。
宿の女主人に、なぜここに、お遍路があるのか聞いた。


愛知にも知多に四国参拝があることを話した。女主人は、日本には、3つあるという。「愛知には宿はあるか」と聞いた。

私の知っていることを話した。「宿はありません。愛知では、名鉄という鉄道会社が、1年に何度か、参拝を企画し、数千人の人がその日に蟻の列の様に歩き、参拝します。」
興味深く聞いておられた。


笹栗町の観光パンフレット「笹栗  漫遊紀行」のパンフには、空海が唐から帰り、ここに滞在した経緯が出ている。
「篠栗四国は、小豆島四国、知多四国と並んで日本三大新四国として有名である。」

「広大な景勝地の中に八十八か所の札所があり、こころの安らぎを求めて、全国から百万人を超える参拝されます。もともと、笹栗は、唐から帰朝した空海(弘法大師)が修法した霊験あらたかな土地。」

「天保6年(1835年)同地に立ち寄った尼僧慈忍が、八十八か所の創設を発願したのが、笹栗霊場の始まりです。その後を継いだ篤信者藤木藤助翁が苦心を重ねたうえ、嘉永七年(1854年)ようやく笹栗八十八か所の形態が整えられました。」


歴史上、次のように記述されている。遣唐使として中国に空海がいき、唐から帰国した場所が笹栗であった。
「大同元年(806年)10月、空海は無事、博多津に帰着。呉服町に東長寺を開基し、大宰府に滞在する。」

今では、九州各地、山口県など中国地方、奈良など近畿地方、愛媛など中国地方から霊場に参拝に来るという。

篠栗四国八十八箇所(ささぐりしこくはちじゅうはちかしょ)とは、福岡県糟屋郡篠栗町にある、空海(弘法大師)を拝する88か所の霊場の総称。

私は、近くの小さなお寺・本明院(33番)に夕食前に訪れた。地元の人たちに支えられている感じだ。
参拝者のために、土地を提供したという記念碑が立っていた。
笹栗の歴史を垣間見た。宿の主人は、お寺は、真言宗であると言われた。


さて本題の、USPT研究会のワークショップは、大成功だったと思う。

9時に会場に行き、準備に参加した。素晴らしい会場だった。
ここで開催するにあたって、理事の知り合いの方の会場設営、準備などがあった。


地元、福岡、佐賀、熊本、鹿児島、四国の愛媛、兵庫、京都、遠くは、札幌からの参加者もいた。
医師と、臨床心理士が半々くらいの参加であった。看護婦、助産婦、ヒプノセラピストも参加した。

理事長の新谷宏伸先生、理事の小栗康平先生と十寺智子先生の準備に大きくお世話になっていると思った。

練習用スクリプト、資料の中身が充実している。
小栗先生に聞けば、新谷先生と原稿の内容を相当練り上げたとのこと。大変勉強になる内容です。有難うございます。


私が一番今回の内容で勉強になったもののひとつは、十寺先生の、デモンスとレーションである。

クライアント役を引き受けた臨床心理士の青年のセッションにおいて、難しい怒りの処理を見事にやってのけた。

小栗先生の講義も、シンプルにして要を得た内容に感じた。生意気なことを申し上げてすみません。


理事長の新谷先生は、事務局長的仕事から、研究内容まですべてに気を配って頂き、恐縮しています。
参加者の質問に新谷先生と十寺先生が積極的に答えられていた。

今回、ランチ懇親会を開き、理事と参加者同士の親睦を図ったことは素晴らしい企画だったと思います。

更に、最後に参加者全員に一言ずつ感想・質問をして頂き、双方向に対話が出来たことは画期的だった。

皆さん、参加してよかったという意見だった。
京都の精神科医・理事の宮地先生と隣同士に座りお話が出来た。

EMDRの会員の原賀さん、矢野さんと話が出来た。
矢野さんが九大の大学院博士課程でOCDについて博士論文を書くと教えてくれた。

中国人の王さんは、九大大学院の博士課程で解離のテーマで研究中だと教えてくれた。
USPTの会員は随分増えた。2百名になった。

6月に名古屋の国際会議場にて開催された、日本精神神経学会において、USPTのシンポジュームを新谷宏伸先生たちが開催された。200名以上の参加者がいた。そのことで、医師にUSPTが広く知られるようになった。
医師、臨床心理士に広く知られて、内容がますます発展していくことを祈ります。






posted by 花井英男 at 16:03| USPT研究会