2017年03月06日

感情調節困難支援研修 U

感情調節困難支援研修U
臨床実践コース
第6回
「振り返りと討論症例検討と対人関係プロセス想起法(IPR)を活用して実習)」



日時:2017年3月5日(日)11:00〜18:00
場所:長谷川メンタルヘルス研究所セミナールーム
講師:遊佐安一郎(長谷川メンタルヘルス研究所 所長)
内田江里 (長谷川メンタルヘルス研究所 臨床心理士)
主催:長谷川メンタルヘルス研究所  渋谷区代官山


今回で最終回となる。臨床技術の幅を広げるという希望で参加した。
関東近辺から14〜15名の医師、予防医学の産業医、臨床心理士、看護師、病院の管理職・作業療法士、看護系大学教員、包括型生活支援施設職員PSW、家族などが熱心に参加した。


私より遠方の参加者がいた。先進的な心理療法を導入している、福井県の嶺南こころの病院の方である。先日、認知・行動療法コロキウム’17in小浜で現地準備スタッフの方である。また、東京でお会いし、知り合いになった。


遊佐先生は、基本的には、アメリカの病院で臨床経験、日本の長谷川病院での臨床経験での百戦練磨の実績と経験を持つ。
現在も、アメリカに在住し、1か月に1回アメリカの自宅に帰る。
日本語より英語の方が便利という感覚だと言われる。


弁証法的行動療法(DBT)・感情調節困難支援の日本への導入、東京での当事者支援、家族支援に従事。大学院でも集中講義。
東京大学等国内の大学院での客員教授をされた。
日本では見向きもされなかった患者への支援をされてきたことに敬意をもちます。


講義も穏やかに、分からないことに丁寧に答えられる。人格者である。
日本では、正式の大学の教員にはならず、ひたすら実践分野で活躍した。
現在、臨床心理士養成系の大学院の教員は、
実践分野で、レベルの低さは在学したものなら誰でも知っているだろう。

本日は、今迄をスキャンして、感想と本日取り上げてほしいことを言うように言われた。
それに基づいて講義の内容を決めるとのことだった。
私は今までの内容をおさらいして参加した。
私は、臨床での幅が広がったことを述べた。分からない用語の質問をした。


参加者から、「承認」は難しい、「認め」はうれしくないという指摘。
BPDの人は家族、母との関係の指摘。
マインドフルネスは、普通の人とBPDの人は違うことが指摘された。
入院させたい親と入院したくない本人。
幻聴も解離のひとつ。苦しくなると幻聴が出る(バンダコーク)。

イギリスで、統合失調症のCBTが開発された、日本で、菊池先生が導入したことを指摘。
ここで、私は、その本が2冊翻訳されたこと、古村健と東大の石垣琢磨先生が翻訳出版したことを追加した。


先生は、解離のことを触れ、私の紹介した、「4月23日の東京・大田区での第2回USPT研究会のワークショップ」のことも皆さんに紹介された。
USPT研究会のホームページを見て研究会の内容を確認された。

岡野憲一郎の「解離新時代」を紹介された。
ロールプレイをやってほしいという希望が出たので、午後はビデオをとらずに2組に分かれて、関係性のマインドフルネスを実践することになった。


承認はしてはいけない時にはしない。
ドクターは、患者と短い時間しか会わないが、病棟の看護師は長時間患者と付き合わないといけない。感情調節困難の患者の感情表出のために、看護師は疲弊してしまい、退職者が続出してしまう病院がある。

感情表出するBPDの家族は大変な状況にある。家族は敏感になっている。
ACTという分野を知った。心理療法のACTではなく、Assertive Community
Treatment の略語。包括型地域支援という分野で活躍する仙台からのPSW。

カウンセリングでズレが出ないために工夫が必要。
患者に、「この理解で、いいいですか」と聞くことの重要性。
家族のスキル・アップの必要性。そのためのコンサルテーション等。

先生の文献紹介。
「境界性パーソナリティ障害ファミリーガイド」 星和書店 2700円
「パートナー間のこじれた関係を修復する11のステップ」明石書店 2600円

この本は、親子間、夫婦間の改善にも役立つと。

6回の講座のうち、4回出席できた。欠席した分については、何とかカバーしたい。
内容の充実した講座だった。

朝、名古屋駅を出る時、快晴だった。これなら、富士山が見られると思った。
新幹線の列車の左側に座り、静岡駅あたりから、前方に富士が見え始め、新富士駅では左側真横に、雲ひとつない、全景のすそ野の広い、すばらしい富士山がしばらく見えた。

名古屋の自宅へ帰ったのは、午後10時。やれたという実感。これからもがんばるぞ!!の気持。

感受調節困難支援研修 U
臨床実践コース


第1回 2016/10/2 感情調節困難の理解と弁証法的行動療法・承認とヘルピングスキル

第2回 2116/11/6 DBTスキル訓練・ヘルピングスキルを活用しての実習

第3回 2016/12/4 スキーマ療法とスキーマモードワーク
             対人関係プロセス想起法を活用して実習

第4回 2017/1/15  行動連鎖分析・対人関係プロセス想起法を活用して実習

第5回 2017/2/5   DBT家族スキル訓練・家族のためのパワーツール     
             対人関係プロセス想起法を活用して実習

第6回 2017/3/5 振り返りと討論症例検討と対人関係プロセス想起法を活用して実習


 
終わり






posted by 花井英男 at 16:35| 研修

2016年12月05日

2016年度感情調節困難の支援研修 臨床実践コース

2016年度感情調節困難の支援研修
臨床実践コース

日時  2016年12月4日 11:00―18:30

会場  長谷川メンタル研究所

東京 渋谷 代官山


講師  遊佐安一郎先生  内田江里先生


内容



Handbook of Emotion Regulation by Gross 2007

Emotion Regulation and Psychopathology by King & Sloan 2010

Handbook of Emotion Regulation   by Gross 2014

上記のような、最前線の文献の紹介

「感情調節困難」の用語の由来は、遊佐先生のアメリカの病院臨床から来ている。

日本では、次のような用語を使って、最近では、クリニックで取り組まれるようになってきた。
BPDという用語を使って、
1.情動の調節不全
2.対人関係の調節不全
3.自己の調節不全
4.行動の調節不全
5.認知の調節不全


私の15年前頃の大学院在学時代のゼミでは、
BPDは臨床の相手にしないという実態であった。
そういうレベルだった。

一方、勇敢に取り組んでいる人もいた。

日本の風土にはそういうものがあった。



遊佐先生は、DBTの日本への導入紹介者として、
リネハンのDBTは難しいので、

分かりやすいDBTとしての

「弁証法的行動療法の上手な使い方 状況に合わせた効果的な臨床適用」
 リンダ・A.ディメフ/編 星和書店
等を翻訳紹介された。

というが、この本も結構難しい。


遊佐先生がDBTを日本に導入すること、及び、当事者、家族、関係者などに実践してこられた業績は大きいと思います。

感情調節困難の人たちへの一番身近な存在として、医師、看護婦、CP、児童養護施設職員などがいるだろう。

遊佐先生は、客員教授として、東大、北海道医療大に勤務、現在も、各地の国立大、看護学部&大学院で集中講義をしている。


Emotion Regulation


本日の内容は、上記の本の紹介から始まり、

感情調整(調節)という臨床概念
21世紀の臨床―基礎研究の統合的動向

トラウマと脳の理解から学ぶこと
21世紀の神経科学の進歩と感情調節困難の理解と支援


承認的環境が重要である
本人にとっても
家族にとっても
支援者にとっても
ということが強調される。

DBTの翻訳書は、「承認」という用語を先生は使うが、訳語は「是認」と言う訳語もある。

参加者は、精神科医、産業医、研修医、看護婦、児童養護施設職員、CP(臨床心理士)、大学教員、当研究所スタッフ等。
東京近辺が多い。
皆若い。私が最年長か。


先生は、臨床実習が何よりも大切ということで、
ロールプレイの実践、ビデオでロールプレイを撮り、
IPR・(interpersonal process recall)対人関係プロセス想起法により、
支援者の発話が適切であるかどうかの検討を重視する。


一人一人が全員発言する。
これが講義の中で、皆が一番苦しむところだ。

難しい!
苦しんでいる時、遊佐先生は、こういえばいいんだと、モデルを答える。
その通りだ。

1月は、スキーマ療法に取り組む。
スキーマ療法の質問紙を頂いた。



早朝、名古屋駅を出る時は、快晴なので、富士山を見ようと、左側の座席に座ったが、眠っていて見損なった。


行きは、「新横浜」から代官山に行くが、
帰りは、渋谷から東京駅に出て名古屋にかえる。

昼食は、家内の作ってくれた果物を弁当の後食べ、夕食にも果物をたっぷり食べた。
帰りは、静岡から名古屋は雨で驚いた。



終わり。
posted by 花井英男 at 10:34| 研修

2016年11月08日

遊佐安一郎先生の研修を受けて

感情調節困難支援研修U
臨床実践コース

第2回 DBTスキル訓練・ヘルピングスキルを活用して

会場:長谷川メンタルヘルス研究所 東京渋谷区代官山

日時:2016年11月6日(日)11:00〜18:00

講師:遊佐安一郎先生 長谷川メンタルヘルス研究所 所長


遊佐先生は、Wikipediaによれば、次の通りです。


「遊佐 安一郎(ゆさ やすいちろう、1947年 - )は日本の臨床心理学者。教育学博士。長谷川メンタルヘルス研究所所長。

福島県生まれ。専門は臨床心理学、家族療法、認知行動療法、弁証法的行動療法、境界性パーソナリティ障害、スキーマ療法、感情調節困難、そしてヘルピングスキルなどを活用した臨床心理士やカウンセラー、看護師などの教育訓練。

境界性パーソナリティ障害に対する心理療法の権威であり、家族療法、認知療法、弁証法的行動療法 の日本における第一人者である。 現在は長谷川メンタルヘルス研究所にて、個人カウンセリング、弁証法的行動療法に基づく感情調節訓練グループ、家族支援などに取り組んでいる。」

以上が先生紹介です。


先生の人柄と実績


 まだ、68才でお若い。
講義を1日受けて、また、幸いにも、昼食時、一緒にたっぷりお話をすることが出来た。


先生の経歴は、上智大学の英語学科を卒業後、ICUに一時就学後、ニューヨーク州立大学オールバニ校留学。
1972年 修士課程修了。
1977年 教育学博士号取得。

Ph.Dを取得後、アメリカの病院でサイコロジストとして、1978年から29年間精神科病院で仕事をしてきた。病院の管理職として、心理職、医師、医療スタッフを指導監督してきた。

日本に帰国後、長谷川病院クリニカル・コーディネーター・リハビリテーション部長として長年、勤務された。定年退職をして、現在は、長谷川メンタルヘルス研究所所長。

病院臨床一本やりだ。
だから、臨床実践の言葉、説明がすごい。



決して難しい言葉は決して使わない。やさしい言葉を使い、肝心なことをさらりと言う。



英語は得意中の得意だと言われた。翻訳書が多い。
先生は、ロールプレイをビデオにとり、一コマ一コマを区切って、一つひとつ、参加者と検討する。
全く、このようなアプローチは初めてだ。具体的に研修をする。




私が取り組んでいる、トラウマ分野のEMDR,ブレインスポッティング(BSP)、USPR統合療法に関心を持って頂いた。
USPTに関して関心を持っていただけたようだ。
帰りに名刺を頂き、連絡を取り合うことになった。
USPTに関して、小栗康平先生の業績を紹介させて頂いた。相当関心を持たれたようだ。地元の東京の高田馬場の早稲田通りクリニックの名前も紹介した。
トラウマに関しては未開拓のようだ。



最近、ICUが臨床心理士養成校を止めたことを話された。アメリカでは、サイコロジストの就職は資格さえ取れば、何の心配もないと。
日本では、臨床心理士の資格をとっても、今は、就職が不安定だということが話題になった。



週末は、毎週、カリフォルニアの自宅に帰られる。先生は日本中の大学や大学院で臨床心理学者として、講義をしている。かつては、
東大をはじめ、北海道医療大学などに、現在もいくつかの大学院で教えている。

北海道医療大の坂野雄二先生のことも話題にされた。
昔、名古屋方面には、大府の共和病院に勤めていた。元院長、理事長な名前が出た。名大の笠原嘉先生に家族療法の本の序文を書いて頂いたという。また、名古屋駅のWINCで愛知県立大大学院看護学研究科の集中講義をされたという。愛知県立大学看護学部でも教えたという。


日本の臨床心理士養成校の教員は、臨床の全くと言っていいほど経験のない人が教えている状況である。全く薄っぺらな授業だ。大学の教員は実践経験が少ない人が多い。

毎月1回、代官山の研究所に通うのが楽しみだ。

終わり

posted by 花井英男 at 19:09| 研修