2024年10月06日

最近のトラウマ関係の研究の進歩について

最近のトラウマ関係の研究の進歩について

現在、ジェニーナ・フィッシャー著 浅井咲子訳の「トラウマによる解離からの回復」を読んでいる。瑞穂図書館で借りた。名古屋市鶴舞中央図書館の本。図書館で見て、関心のあることが書いてあるかどうか見て、なければ、そこで、即、返還しようと思い、椅子に腰かけて、すこし見た。

 ペラペラと頁をめくって、統合失調症、双極性障害などにも言及があると書いてある。長い間、薬を服用しても治らないケースがあるなど、ジェニーナ・フィッシャーはすごいと思った。訳者は、浅井咲子さん。最近、海外での日本大使館で勤務した人が、心理学方面に関心を持ち、心理の専門家になる例がある。

 浅井咲子さんは、あたらしい分野の開拓者。これは探していた本だ、と思った。借りることにした。浅井咲子の本は、分かりやすい。こういう本も訳しているのか。神経生物学的な名残としてのトラウマへのアプローチとしてのアプローチに言及している。難しいから、意訳の部分があると、紹介している。

藤本昌樹先生のボディコネクト療法、鈴木孝信先生のブレインスポッティング療法、小栗康平先生、新谷宏伸先生のUSPT療法、森川綾女先生紹介のTFT療法、中川一郎先生のタッピングタッチ、嶺輝子先生のホログラフィートークなど、いろいろな心理療法に関心を持ってきた。

東京の南和行先生からメールが来た。フラシュバックの治療法に関するオンライン研修会の案内だ。3万円前後の料金。これなら受けられると申し込んだ。12月開催。料金が、べらぼうに高い研修会がある。100万円もする研修会がある。手が届かない。南先生の講師について丁寧な紹介で納得した。早速申し込んだ。トラウマ関連の研究・開発が進んでいると実感した。まさに日進月歩だ。









posted by 花井英男 at 10:08| 研修

2024年07月29日

3つの研修会に参加して

愛知県臨床心理士会研修会、東海EMDRの研修とEMDR学会継続研修に参加して


 7月7日、14日、27日―28日と研修会の連続であった。県士会の研修後、大学院時代の若い仲間とお茶会をして、来年は仲間を増やして会おうということになった。その後、小野先生から監修した本の紹介をしてもらい、友人に紹介した。それに対して、友人たちから、喜んでもらえた。国立京都国際会館で偶然出会った、行動療法専門の関西の友人に小野先生の本を紹介して、喜んでもらえた。まさに、学問の世界は、日進月歩だ。

 東海EMDRでの研修では、強迫性障害の新しい治療法を、岡嶋美代先生から教えていただいた。秋に開かれる、認知行動療法学会の教育講演の内容を、事前に発表された。まさに、学問の世界は、日進月歩だ。新しい知見が、どんどん出てくる。ボーとしておられない。

 27−28日のEMDR学会は、午後3時半から、夜10時半までの時間帯で、オンデマンドで講演を聞いた。イギリス時間に合わせるために、この時間帯になった。270頁にわたるテキストで、「ADHDやASDといった神経多用性の特徴を持つ子どもへのEMDR」という内容の講演であった。分かりやすい、内容であった。

 講演中にも、資料の情報が入るので、どんどんプリントアウトした。素晴らしい内容であった。アップデートの英文研修資料を手に入れることができた。IGTPの資料:The EMDR Integrative Group Treatment Protocol for Early Intervention with Childrenの内容は、災害直後の状況での児童、成人にも適用できる、グループ治療の内容である。

 
 研修講師は、スーザン・M・ダーカースミス先生。発達障害専門の研修内容であった。先生は、EMDRヨーロッパ公認のChild & Adolescent Training(子供と思春期訓練)のトレーナー&コンサルタント。若いころ、バレーリーナであった。長い間、発達障害の人への実践経験を持つベテランだ。ADHDなどの発達障害の子どもへのナラティブの内容を具体的に提示してくれた。研修後、参加者に配布してもらえることになった。発達障害の子供へのアピローチがこんなにも進んでいるのか、という思いだ。資料の届くのが楽しみだ。






posted by 花井英男 at 16:40| 研修

2020年12月13日

国際トラウマ解離研究学会  日本支部 解離研究会 2020年度年次研究会

国際トラウマ解離研究学会  日本支部 解離研究会
2020年度年次研究会

2020年12月13日(日)13:00〜17:30

オンライン開催(ZOOM)


プログラム

特別講演  13:05〜14:05

市井雅哉  (兵庫教育大学)
「EMDRにおける解離の扱い方」

司会 岡野憲一郎(京都大学)



学術講演  14:10〜15:10

柴山雅俊(東京女子大学)
「解離症と統合失調症」

司会 野間俊一 (のまこころクリニック)



症例報告 15:15〜16:15

岡野憲一郎 (京都大学)
「症例報告にかえて」

司会 柴山雅俊 (東京女子大学)



座談会 16:20〜17:25

「トラウマと解離」
市井雅哉 岡野憲一郎 野間俊一
 
司会 柴山雅俊 (東京女子大学)



この学会は、例年50名前後の参加とのこと。今年は、EMDR学会の会員にも呼びかけられた。その結果、207名の参加となったと報告された。

市井雅也先生(EMDR学会理事長)が、発表されると聞けば、参加したくなるのは、EMDR学会の会員としては当然だ。ぜひ、解離の見解を聞きたいということで参加した。解離のクライエント(多重人格も含む)を一番早く、心理臨床の場で、発見し、気づき、接するのは、おそらく、EMDR学会の会員ではないだろうかと思う。

親・兄弟による不適切な養育、虐待、妻からのDV・夫からのDV、事件、交通事故による高機能障害、会社などにおける上司、先輩、同僚、後輩からのハラスメント、叱責、暴言などによる、クライエントに出会うことが多いのではないだろうか。

参加者が、こんなに多くなったのは、「市井効果だ。来年も一緒にやろう」と主催者は発言していた。EMDRに係る心理職は、解離のさまざまな症例,例えば、PTSD,複雑性PTSD,解離性障害、解離性同一性障害に出会っているだろうと思う。そんな事情で、参加者が207名になったのだと思う。

毎年、12月に2泊3日で開催される、EMDR臨床セミナーが、今年は、京都の嵯峨で計画されていたが、中止となった。なんとも悔しい限りだ。そんな事情で、こういうオンライン開催に皆さんが参加したのだと思う。

市井先生の解離の話が聞けるのは、貴重な機会だと思う。レジメをプリントアウトして、読んでいると、もっと詳しく聞きたいと思った。60分の時間では足らない。じっくり時間をかけて話を伺いたいと思ったのは、私だけであろうか。

岡野憲一郎先生の一つの症例報告は、大いに参考になるもであった。治っていく過程に納得のいくものであった。アメリカの学会では、発表内容は口頭発表のみであり、印刷物では発表しない傾向がある。そういう形式で行くという発言であった。一つの症例について、医師である岡野先生と、心理士の女性の二人による症例報告の発表であった。




posted by 花井英男 at 21:52| 研修