もう一つの実践を見る
NHK・ETV 2017年2月18日1:00〜こころの時代
弱さを絆に共に生きる
北海道・浦河べてるの家の実践
NHK・ETV 2017年2月18日1:00〜こころの時代
弱さを絆に共に生きる
北海道・浦河べてるの家の実践
この番組の紹介は、次のとおりである。
「精神障害のある人が地域で共生する取り組みを続ける「べてるの家」の向谷地生良さん。精神医療の常識を覆し、世界中から注目されている向谷地さんの人生・宗教観を伺う。
北海道浦河町の『べてるの家』。精神障害のある人たちが当事者同士ともに過ごし、幻覚や幻聴など互いの弱さを語り合い、自身の病気と向き合うなど数々のユニークな取り組みが行われている。
はじまりは、向谷地さんが、精神科を退院した有志メンバー数名と教会で一緒に暮らしながら、手探りで始めた実践だった。
「弱さを絆に、行き詰まりと絶望の中で生きる」とは何か、向谷地さんのこれまでの実践や数々の出会いから、伺う。
【出演】ソーシャルワーカー、浦河べてるの家理事…向谷地生良,【きき手】杉浦圭子」
この番組を見た後、「べてるの家」のHPを見ると、向谷地生良(むかいやじいくよし)さんは、北海道医療大学の教員と出ている。理事であり、教員もしている。
この番組をみて少し感想を書く。
心療内科の心理士として、勤務する者として、この番組を見ていて、ほっとする。こういう実践もあるんだ。
素晴らしい生き方をしている、と思う。
ソーシャルワーカーがメンバーさん達に付き添う人生である。
心の病を持つ人たちの生涯の大変さは、一言では言えない、苦しさ、辛さ、むなしさ、絶望感、悲しさなどがあるだろう。
ソーシャルワーカーとして勤務した病院から、解雇を言い渡された向谷地さん。
それでもメンバーさん達と共に生きてきた。今では、ユニークな取り組みに共感をもらい、日本全国から1年間に2800名の見学者が訪れる。
クリスチャンとしての姿は最後に、讃美歌をメンバーさんと歌う場面のみ。
彼は、聖書の中に登場する人物は、社会の最底辺の人たちばかりだという。
イエスは、最底辺の人たちと生きたと述べる。
幻聴、妄想、パラノイアなどに苦しむメンバーさんが入退院を繰り返す。
繰り返す幻聴、妄想、幻視に悩まされ、苦しみ、付き合い方を学び、仲間同士が支え合っていた。メンバーさん同士がいがみ合い、仲間割れすることが多い中で、仲間同士が支え合っているのが印象的だ。
症状、困りごとに一緒に取り組んでいる姿が見られる。
杉浦圭子アナウンサーと向谷地さんの対談を中心に進められていく。その中に、メンバーさん達の生活、仲間と幻聴、妄想と付き合う場面が紹介される。
医師が、症状にどう取り組んだかではなく、もちろん、医師による薬物療法に支えられているということは、原則であるが、症状に仲間とどう取り組んだかに重点が置かれていることに注目したい。
番組を見ていて、安らぎを感じた。
終わり