2019年09月01日

認知行動療法学会に参加して

認知・行動療法学会第45回大会に参加して

会期:2019年8月30日(金)〜9月1日(日)
会場:中京大学名古屋キャンパス
地下鉄:「八事」駅

大会テーマ 新しい時代に活かす認知行動療法


6つのワークショップと行動療法士研修会、自主企画シンポジューム、ケーススタディ、ポスター発表に参加した。

6つのWSはほぼ実り多いものだった。行動療法士研修会、もよかった。

WSの内容、ポスター発表の感想を書きます。

「コンパッション・フォーカスオト・セラピー入門」―まだエビデンスはないという。講師は、詳細な資料を用意してくれた。実践的な内容。
今迄、外国で実践されてきた実践に基づく説明。講師自身も実践している体験に基づいて話した。辛い体験、傷ついた体験のクライエントの面接には、必須の内容であると思った。




「青年期摂食障害のアセスメントと介入」は、医師の立場からの介入と、心理士の介入の2つの立場からの実践を紹介した。医師の立場からの介入が主であると思われるが、やはり心理士などの介入も欠くことのできない内容だ。


「成人期のADHDの認知行動療法」−長年、ADHD臨床に携わってきた、講師の豊富な経験から編み出されたアプローチの詳解・紹介であった。実際どのようなアプローチするかを手持ちでないと実践は出来ない。場を和ませて、ユーモラスに話を進めていく講師は自信にあふれている。聞いてよかった。



「司法・犯罪分野における触法者に対する認知行動療法」−2人の同じ講師によるワークショップは、2度目である。内容は、進化している。難しい事例にどう対応するか。行動療法からのアプローチは難しい。それを見事にクリアしてくれたと思った。
実践では大変だ。



「エクスポージャ療法とハビット・リバーサルー効果的な行動療法の基本技法を学ぶー」−ベテランの講師による話し。参加者は多い。豊富な経験に基づく実践例。講師からの話ばかりでなく、参加者からの症例に応える内容も。


会場の感想。

中京大学のキャンパスには、十数年ぶりに入った。1号館は、最近できた校舎か。十数年前にはなかった。久野能弘元教授が在職していた頃は、毎月、行動療法研究会で中京大に来ていた。大学院在学中と終了後の頃のこと。久野先生には、大変お世話になった。中京大でずいぶんお世話になった。


もう久野先生は亡くなっていない。時がずいぶん過ぎたと思った。1号館は、6階建て。エレベーターが4台。エスカレーターもある。廊下には、感じのいい絵画や、大きな彫刻作品がかけられている。1階にセブンイレブン。2階に食堂。


校外には、金属彫刻と樹木。ホテルの中にいるような感じ。食堂もゆったりできる広々とした広さ。各階には、学生がゆっくりできる、又、学習できる空間、座席、机の配置。
今の学生たちはこんな環境で勉強しているのかと思った。



奈良教育大大学院時代の恩師の小野昌彦先生(現・明治学院大・教授)にも会い少し話せた。何よりもうれしかったのは、佐藤亮太郎さん(小野先生の教え子)(M2)のポスター発表に行ったら、喜んで発表内容の説明をしてくれたことだ。素晴らしい内容。

タイトルは、「包括支援アプローチ適用による登校しぶりを伴う選択緘黙児への学校適応支援―緘黙反応以外にも不適応状態を示していた事例―」

緘黙児が話せるようになったアプローチをどのようにしたか、更に、不登校をいかに克服したかの、具体的な実践方法。


私も小野先生の教え子だということで、私の名前を日頃から小野先生から聞いていたようだ。私のネームカードを見て大変喜んでくれた。初めて会ったのに、旧知の人のように喜んでくれた。
彼の説明の話は、気持ちよく頭に入った。
博士課程に進学するとのことであった。小野先生の継承者が出たことはうれしい。
学会では、若い人たちが目立った。認知行動療法の担い手が増えていることはうれしい。










posted by 花井英男 at 20:55| 認知行動療法

2019年05月12日

名古屋認知・行動療法セミナー

名古屋認知行動療法セミナー

主催:日本認知・行動療法学会


日時:2019年5月12日(日)10:00~15:00

会場:ウィンクあいち 1202・1203号室

JR・近鉄・名鉄・地下鉄 名古屋駅



司会:古川洋和先生 鳴門教育大学

WS1 『不登校ゼロを目指した認知・行動療法によるアプローチ』

10:00~12:00
講師:小野昌彦先生  明治学院大学



WS3 『ケースフォーミュレーションを活用するために』

13:00~15:00
講師:下山晴彦先生  東京大学



参加者は、2つとも、100名以上であった。会場いっぱいであった。関西方面からの参加者もいた。


WS終了毎に、坂井誠先生(中京大)から、
第45回大会の大学の会場案内がなされた。出来たばかりの大学の施設、地下鉄から直通でつながっているキャンパス。
大学のキャンパスの詳しい案内、隣に徳川家に由来のある、緑にあふれた八事山興正寺が紹介された。


認知・行動療法学会第45回大会 会期:2091年8月30日(金)~9月1日(日)
会場:中京大学名古屋キャンパス


今回のワークショップは、第45回認知・行動療法学会のプレセミナーとして、開催された。


大学院在学中に、小野先生の評判を聞いた。「不登校を百発百中治す先生がいる」
それで大学院修了後、奈良へ行くことになった
小野先生は、「不登校を百発百中治す」という認知・行動療法学会の学者の中で、評判の先生です。


小野昌彦先生のワークショップは久しぶりだ。最近の先生の活躍ぶりを知りたくて参加した。
私は、スクールカウンセラー在職時(県立高校、愛知県の小中学校、岐阜県東濃地区の小中学校)は、不登校の児童生徒の支援は、張り切って取り組むことが出来た。不登校の子の再登校支援は好きだった。


私は、奈良教育大学大学院で小野先生のもとで、不登校の再登校支援を勉強した。毎週月曜日、朝6時に出て、新幹線と近鉄を使って、奈良教育大まで通った。これが縁で、行動療法、認知・行動療法を生涯、使うことになった。

毎週、月曜日は、奈良教育大の先生の研究室で、授業後から4時ころまで、先生との話しを聞いたり、先生のゼミ生らと話をしたり、奈良教育大での研修会のお手伝いをしたりして、名古屋へ帰った。

先生が、どこかで研究発表すれば、岡山でも、大阪でも研修会について行って、発表を聞いた。先生の発表論文は、すべて読んだ。研究生としての論文も書いて、認めて頂いた。今あるのは、小野先生のおかげだ。

学会でも発表したし、大学の研究紀要に発表した。
小野先生のお蔭で、金子書房からも、分担執筆させて頂いた。

小野先生は、A3の大きな紙の裏表に、パワーポイントの内容が紹介した。

小野先生は、「児童・生徒の問題行動解決ツール 実践で使える10ステップCD付」
風間書房 小野昌彦著 9000円の内容を紹介をした。

この本は、学校の先生方に大変評判で活用されているとのことだ。素晴らしいことだ。


さらに、「不登校の本質ー不登校問題で悩める保護者の皆さんのために」 小野昌彦著  風間書房 900円
の内容の一部を紹介をした。

小中学校の不登校数は、過去最高の約14万人となった。
これだけ多くの児童、生徒が義務教育を保障されていない状態の国は世界に類を見ない。
大体12万、13万人前後であった。


この原因は、教育関係の現場へ行動論の立場からのアプローチの未普及であると
小野先生は考える。

本セミナーの目的、内容は、不登校改善に有効である行動療法のアプローチが普及し、日本の教育における危機的状況の改善に少しでもお役にたてることを祈念すると、小野先生は、述べられた。


効果的な不登校改善の方法が全国に普及していないのである。


小野先生は、最後に、高校生とメールでやりとりをして、再登校支援に成功した実践例を紹介した。

大変実践的で学ぶところが多い。

スクールカウンセラーは、試行錯誤が多いのではないか。臨床心理士養成大学院に、そもそも、不登校の改善のできる研究者がいないのが現実である。


そのため、スクールカウンセラー達は、どうアセスメントしたらいいか知らない人が多いし、介入をどうしていいか分からない人が多い。


愛知県のスクールカウンセラーの幹部は、スクールカウンセラーは、不登校を治すことはしなくてもよい、と言っているのが現状だ。

いつまで、このような状態が続くのか。臨床心理士会の体質改善を期待します。

莫大な予算を国も、地方自治体もそそぎこんでいるのに、効果が出ない状態だ。

下山先生の得意な、専門である「ケースフォーミュレーション」の話をした。直に先生のお話が聞けたのはうれしい。


かつて、山上敏子先生(久留米大学)(日本へ行動療法を導入した先駆者・精神科医)が、東大で行動慮法の講義( 2010 山上敏子の行動療法講義 with 東大・下山研究室 東京:金剛出版)をされた。それが土台になっているようだ。

貴重な話が聞けた。下山晴彦先生のケースフォーミュレーションの講義は、ネット上でも見ることが出来る。







posted by 花井英男 at 18:31| 認知行動療法

2018年11月26日

岡山での、日本認知療法・認知行動療法学会に参加

第18回日本認知療法・認知行動療法学会

日時:2018年11月23日(金・祝)−25日(日) 午前8:30〜17:30


会場:岡山コンベンションセンター

JR 岡山駅

参加したプログラムは次の通り。


1日目:11月23日(金・祝)

8:30〜10:20
大会企画シンポジュウム
トラウマ被害と認知行動療法

座長 金 吉晴
1.持続エクスポージャー療法とトラウマからの回復

金 吉晴

国立研究開発法人 国立精神神経医療研究センター



2.複雑性PTSDと感情と対人関係の調整スキル・トレーニングとナラティブ・ストーリー・テリング(STAIR/NT)

加藤 知子

かとうメンタルクリニック

3.トラウマを受けた親子のPCIT

小平 かやの

東京都児童相談センター



10:30〜11:25
教育講演1

座長 北川 信樹
北大通りクリニック

PTSDからの回復

演者:金 吉晴

国立研究開発法人 国立精神神経医療研究センター




12:30〜13:30
ランチョンセミナー1

精神病早期介入―包括的治療とCBTpの可能性


座長 桂 雅宏  東北大学病院精神科

 演者 佐藤 康次郎  岡山県精神医療センター

共催 大塚製薬(株)


13:45〜15:35

自主企画シンポジウム 4

双極性障害の認知・行動病理の
メカニズムとその治療A
―セルフモニタリングに焦点を当ててー

1 セルフモニタリングの基礎と実践:なにをどのようにモニタリングするか?

三田村 仰  立命館大学総合心理学部



2 双極性障害における抗うつ信念と抗うつ行動のモニタイリング

甲田 宗良   琉球大学大学院医学研究科 精神病態医学講座 


3 双極性障害患者の生活習慣
―健常者との比較からー

成瀬 麻夕   東京医科大学 精神医学分野



教育講演 5
ポジティブサイコロジーの立場から
ウェエルビーイングを考える

座長  中野有美 南山大学人文学部人間学科

演者  小林 正弥  千葉大学社会科学研究院




2日目に参加したプログラム

2018年11月24日(土)

大会企画シンポジウム
8:30〜10:20
統合失調症の認知行動療法


座長 丹野 義彦  東京大学大学院総合文化研究科

英国のCBTpの理論と実践

古村健  国立尾張東病院



精神病に対する認知行動療法の新たな展望

耕野 敏樹  地方独立行政法人 岡山県精神科医療センター


指定討論

菊池 安希子  国立精神・神経医療センター精神保健研究所地域・司法精神医療研究部




10:30〜11:30

一般演題(口演)3治療・介入技法1

1.成人ADHD患者に対する認知行動療法のホームワーク提供上の工夫

中島美鈴 他

九州大学大学院人間環境学府・肥前精神医療センター

2.専門家のノウハウを形式化した「AI対話型CBTスキル選択支援ツール」による、スキル習得期の面接トレーニング

山口美峰子 他

NECソリューションイノベータ株式会社イノベーションラボラトリ


3.アトピー性皮膚炎への遠隔オンライン型マインドフル
コンパッション統合プログラム介入研究



12:15~13:15

ランチョンセミナー
岡山県精神科医療センターにおけるクロザビン治療
〜クロザビンはいつ、誰が決めるべきなのか〜

座長 川崎 康弘 金沢医科大学精神神経学

演者  矢田 勇慈  岡山県精神科医療センター
共催  ノバルティスファーマ株式会社


14:15〜16:15
大会企画シンポジウム 13

様々な依存・嗜癖に対する認知行動療法
〜それぞれの特徴とその共通点と相違点〜

座長  澤山 透 北里大学医学部精神科学
橋本 望 岡山精神科医療センター


1. アルコール依存に対する認知行動療法の理論とその技法

澤山 透  北里大学医学部精神科学

2. 行動嗜癖(ギャンブル障害、ゲーム・ネット依存)への認知行動療法の実際

吉野 悟志 独立行政法人 国立病院機構 久里浜医療センター

3. ギャンブル障害について〜英国における認知行動療法の実践から〜

橋本 望  岡山県精神科医療センター

4. 刑事施設におおける性犯罪再販防止指導について
中村 英司  札幌刑務所


16:15〜17:10
教育講演

「自殺対策の認知行動療法」

座長 藤沢 大介  慶応義塾大学医学部医療安全管理部/ 精神・神経科

演者 耕野 敏樹  岡山県精神科医療センター


3日目に参加したプログラム

13:00〜16:00
ワークショップ 16

成人ADHDの認知行動療法

コーディネーター
中島 美鈴 九州大学大学院人間環境学府 /  肥前精神医療センター





参加しての感想


3泊4日の学会参加を、風邪をひかずに無事乗り越えた。
認知療法系の学会に参加した。2〜3週間前に送られてきた抄録集・プログラムを見て参加したくなった。


認知療法系の学会であるが、  行動療法系の学会と同じように面白い。

収穫の大きい学会参加であった。


今回の参加により、新しく学んだことは、トラウマ被害者へのPE、EMDRなどの脱落率が20%近くあることに注目して、工夫された、心理教育療法の分野として、CFT(compassion focused therapy)が英国に臨床心理学者によって、もう20年以上の歴史があることを知った。

その翻訳が日本でも紹介されている。
金剛出版から、
「トラウマへのセルフ・コンパッシション」

「セルフ・コンパッション」


10月26日〜28日、東京での、認知・行動療法学会(行動慮法系)で販売された、
PTG、ポスト・トラウマティック・グロースの翻訳の紹介を知った。

「悲しみから人が成長するときーPTG」 座間書房



倉敷の観光


22日に倉敷の宿に入った。倉敷は、すっかり、観光都市という感じだ。
久しぶりに、大原美術館を訪ねた。若い頃に2度訪れた。数十年ぶりであった。
絵画部門の部屋では、もう古くなって黒ずんだ絵もあった。


何よりも良かったのは、陶芸部門の、浜田庄司、河井寛次郎の部屋の作品群のすばらしさであった。ここでこんなにたくさんの作品が見られるとは思わなかった。
バーナードリーチの作品も出ていたが、余り感激しなかった。


ワークショップについて

ワークショップの料金は、1コマ、9000円は高い。
認知療法系のワークショップは、参加者が少ないためか、料金が高いようだ。


行動療法系のワークショップは、1コマ、6000円だった。参加者が多いから、安くできるのだろうか?


「成人ADHDの認知行動慮法」は、ADHD研究一筋にきた若い研究者の素晴らしい内容であった。
復習をして実践に生かしたい。


大会企画シンポジウムの「統合失調症の認知行動療法」では、古村健先生が、
「英国のCBTpの理論と実践」を発表した。

事前に、メールで古村先生に参加すると伝えた。どんな内容か楽しみであった。
内容は、多分、彼の博士論文ではないかと推測した。

英国を中心とした、オランダなど臨床心理士の取り組みである。
イギリス人の統合失調症の認知行動療法の本を2冊翻訳した。
イギリスにも行っている。

日本でどのように導入するのかが課題だ。

指定討論をした菊池安希子先生も、イギリスに行ったことを述べていた。古村健先生も、菊池安希子先生も頭語失調症の研究者である。

菊池安希子先生が、最新の心理療法を網羅して紹介していたのが、印象的であった。










posted by 花井英男 at 21:06| 認知行動療法