2013年06月11日

不登校への取り組みはこれでいいのか

yun_1572.jpg 不登校にどう取り組むかというテーマについて、考えたいと思います。
 このテーマは、不登校の子どもを持つ保護者・家族にとってのテーマであり、担任、学年主任、教頭先生、コーディネータ−の先生、校長先生にとってのテーマであり、スクールカウンセラーのテーマでもあります。また、地域の教育支援センターのテーマでもあり、教育委員会関係者のテーマでもあります。
 不登校への取り組みは、数多くあると思います。子どもが在校(所属)する学校という場で、スクールカウンセラー、学校の先生方、保護者が協力しあって、教室登校ができるように、支援していくことが一番良い方法だと、私は思います。この方法で、本人の気持ちを尊重して、私は、岐阜県、愛知県のスクールカウンセラーとして10年間、小学校、中学校、高校に勤務して、教室登校を実現してきました。子どもに対して、適切な支援をすれば、改善します。子どものスクールカウンセラーに対する不信、わがままとか、保護者の不適切な養育態度などで、また、教師の子ども・保護者への暴言などでうまくいかないこともありました。勿論私の未熟な部分もあったと思います。
 不登校へのこれまでのアプローチの私の実績については、私のホームページを見ていただければ幸いです。私は、不登校へのアプローチは、基本的には、学校という場で、改善する、治すということが大切であると思います。そのための力量をスクールカウンセラー・臨床心理士がつけることが大切であると思います。スクールカウンセラーは、何が、どういう心理療法が、不登校改善に効果的であるかを知る必要があると思います。教育委員会の担当者もこの姿勢・態度を持つことが、大切であると思います。
 臨床心理士養成大学院で養成される臨床心理士が、不登校改善の力量をつけて修了しているかという問題があります。不登校の改善の実績のない教員がいるのも現実だと思います。不登校にどう取り組んでいいか自信がないと正直に発言する臨床心理士もおります。
 不登校という「火事」の消火活動をするために、消防士(スクールカウンセラー)を、全国の学校に配置したが、必ずしも、消火活動ができない現状であることが指摘されています。不登校発現率が改善でいないという現実があります。原因は何か考える必要があると思います。
 不登校の子どもの改善、治すという課題に取り組める力量を持つスクールカウンセラーが必要であると思います。
 次に問題としたいことは、不登校の子どもへのアプローチは、「不登校を治す、不登校が治るということでなく、別のアプローチをスクールカウンセラーがすることが大事だ」という、考え方があります。集会でのこの発言の詳しい発言はありませんでした。どのようなアプローチでしょうか。詳しい説明を聞きたいものです。
 不登校を治す、不登校が治るということは、情緒的に安定し、対人関係が少しでも改善し、(育ち、成長し)、登校でき、学習活動、学校行事に参加でき、ほかの子どもと同じように、活動できるということだと思います。保護者も、養育態度について、反省し、適切な養育態度が大なり小なりできることです。保護者が育つということも含みます。しかし、保護者の精神疾患・離婚・夫婦仲がなおるわけではありません。
 上記の「別のアプローチ」といえば、フリースクールに入れる、(多額のお金が要ります)、バイパススクールに入れる(これもお金がかかります。保護者があやしい宗教関係者に相談する(実際にこういうことがありました。)
 エビデンスのない、効果のない心理療法を続けたり、いくら熱心に、情熱をもって支援しても、適切な方法で支援しなければ、不登校は治らないし、改善しません。
 ある学校に、教育講演の講師として招かれた、スクールカウンセラーをしていたと称する人は、「不登校になったら終わりです。治りません」と、集まった中学校の保護者に対して、堂々と言いました。世の中には、このようなカウンセラー・臨床心理士もおります。自分の勉強の不十分さも反省しないで、このような発言をしているのだと思います。このような臨床心理士が養成されているのが、現実だと思います。
 また、ある分析派の臨床心理学の学者は、スクールカウンセラーの集会で、「行動療法によって不登校は治りません」という発言をしました。慎重な発言をしてほしいものだと思います。
 私は、行動療法による不登校の改善に取り組み、10年間で、40例以上の子どもの教室登校支援に成功し、行動療法学会とか、学校臨床心理士全国研修会・愛知県学校臨床心理士研修会、大学の研究紀要等に実践研究の発表をしました。
 私は、不登校のアプローチが行動療法だけがいいと言っているのではありません。勿論、分析派の実践にも成功事例があることは知っています。アドラー心理学からのアプローチも、来談者中心療法のアプローチもあります。専門家、教育委員会関係者などに要求されることは、これらの中で、何が確実な取り組みであり、理論であるかということです。莫大な予算がスクールカウンセラー事業に投入されていることを考え、効果的な心理療法は何かを考える必要があると思います。
 私の恩師、小野昌彦先生(現宮崎大学大学院・博士・行動療法による不登校支援の実践的研究者)は、全国の自治体の教育委員会・学校から依頼を受けて、不登校の発現率の高い自治体の不登校・学校の子どもの再登校支援に、自治体単位とか、小学校、中学校単位で、学校の先生方と協力して、再登校支援に効果を上げています。実践記録は、明治図書から、「不登校ゼロの達成」、「教師のための不登校サポートマニュアル」の2冊と、教育開発研究所から、「不登校問題で困ったときに開く本」などを出しています。
 さらに、小野昌彦先生は、国立特別支援教育総合研究所において、全国の都道府県教育委員会の関係者・担当者に、不登校への行動療法によるアプローチを、実践に基づいて、講演をしております。
 スクールカウンセラー、教育委員会関係者に、今一度、不登校へのアプローチが適切であるか再考を希望します。
 
 
  
posted by 花井英男 at 11:57| 不登校への対応