2015年09月10日

再登校支援のこと

再登校支援のこと


不登校の子どもの保護者から、無料電話相談とか来談とかで支援をしております。
スクールカウンセラーをしていた経験から言うと、小学生の不登校の場合は、スムーズにいくことが多いように思います。小学校の場合、スクールカウンセラーをしていて、校長先生とか養護の先生などと話をしていて、再登校にこぎつけることが早いという経験をしてきました。


中学校、高校でも、再登校支援に成功した実績を私は持っております。中学校、高校での再登校支援は難しいという認識が一般にあるようです。
私は、行動療法学会(現・認知・行動療法学会)とか、行動療法コロキウム(現・認知・行動療法コロキウム)においても、全国学校臨床心理士研修会においても、愛知県学校臨床心理士会の中学校部会においても、高校部会においても、中学生、高校生の再登校支援の実践報告を何度も発表してきました。


 中学生や高校生の場合、本人が支援をスクールカウンセラーから受けたいという気持ちを持つかどうか、保護者が本人の気持ちを尊重して、スクールカウンセラーから支援を受ける意志を持つかどうかが大事です。


 親がどうしたらいいかをカウンセラーと相談して、自分の気持ちをしっかり決めることまず大事だと思います。その気持ちを子どもに伝え、子どもが支援を受けようと意志を持つことがまず第1に大切なことです。子ども本人が支援を受けるという気持ちがなければ、支援は始まりません。
 不登校を治すかどうかは一生の問題です。

 不登校の子が再登校にこぎつけるには、継続的にカウンセラーの支援を受けることが必要です。スクールカウンセラーの場合は、無料で支援が受けられるので、経済的な負担はありません。しかし、街の中にある心理クリニック・心理相談室の場合は、経済的負担が出てきます。結構大きいです。

 昨日、ようやく、臨床心理士の国家資格の法案が参議院で全員一致で通過しました。ようやく臨床心理士は「公認心理師」という国家資格で活躍することになりました。
 「公認心理師」のカウンセリングを受けるときに、健康保険が使えるようになる時が来ることを願いたいと思います。アメリカでは、カウンセリングは健康保険が使えます。


次に、カウンセラーは、確実に再登校できる心理療法をもっているかどうかが問題です。
再登校できる見込みもないまま、自信のないまま、面接をしていても展望は開けません。情熱や熱意で不登校が治るわけではありません。科学的なアプローチが必要です。


いま、臨床心理士を養成する大学院では、再登校支援の実績のない先生方が多くおられるのが現状です。再登校の支援の体系を持っていないのです。
 私は、認知・行動療法という心理療法によって再登校支援をすることを学びました。大学院在学中に百発百中不登校を治す学者がいるということを授業中に聞き、奈良教育大学大学院の小野雅彦先生のところまで、名古屋から1年間通いました。

 現在認知・行動療法の研究者は大学院には少ない状態です。誠に残念なことです。認知・行動療法の学者がそろっている大学院が増えてきました。まだ少ないです。


臨床心理士の資格を取った人は、再登校支援の方法の体系を持つ研究者について学習をすることを勧めます。
或いは、再登校支援の実績のある研究者がいる学会、認知・行動療法学会に加入して勉強を始めること勧めます。私は、行動療法学会に加入して、臨床心理士として、ここで育てられたという気持ちです。市井雅哉先生のEMDRに出会ったのも、行動療法学会(現・認知・行動療法学会)でした。

認知・行動療法学会では、毎年、国内で学会が行われ、そこでポスター発表が行われ、不登校の子どものの再登校支援の実践報告が沢山発表されます。こういう実りのある学会に参加して実力をつける方法があります。
 私は、ずっとこの学会に参加して勉強してきました。

 私は、スカイプを使って、臨床心理士、学校の先生方に対して、再登校支援の学習支援をしております。私のホームページを見て頂き、参考にしてください。好きな時間に私と一緒に勉強して支援方法を学習することができます。「スカイプによる再登校支援の勉強会」にぜひご参加ください。
 臨床心理士はお互いに助け合って、成長していけると思います。


私は、再登校支援の実績のある研究者のもとで、1年間大学院で研究生として勉強しました。
また、当時の学会名、行動療法学会に加入して、勉強しました。
 多くの研究者と知り合いになりました。


今度、私は、県立高校のスクールカウンセラーをしていた時に、成功した再登校支援の実践報告を、金子書房と小野雅彦先生から執筆依頼を受け、高校生の再登校支援の実践報告を「第11章 スク−ルカウンセラーによる高校生断続型不登校に対する支援」(仮題) 花井英男」として、担当執筆することになりました。
 書名は次の通りです。

ハンディシリーズ『発達障害者支援・特別支援教育ナビ』第10巻

 『発達障害のある子/ない子の学級不適応・不登校対応―個別支援計画に基づく連携支援」
 
 小野昌彦編著

 金子書房



 大学院(奈良教育大学)の時の恩師の研究者が、小野昌彦先生(現・明治学院大学教授・博士)です。

 大きな問題がもう一つあります。学校臨床心理士の研修会で、「臨床心理士の仕事は、不登校を治すことではない」、と、愛知県学校臨床心理士会の女性幹部が研修会で堂々と発言していることです。県教育委員会もこのような発言を許していること自体が問題ではないでしょうか。

 私は、岐阜県のスクールカウンセラーもしておりました。このような発言などされるような雰囲気ではありませんでした。県教委は率先して不登校の改善の方策を示して改善の方向を目指しておりました。


 不登校の子どもを持つ保護者がこのような発言を聞いたらどう思うでしょうか。治すつもりもない、能力もないスクールカウンセラー(臨床心理士)に熱心に通っても、苦しみは減らない、治らないと知ったら子どもや保護者はどう思うでしょうか。不登校に関して、臨床心理士の役割は、もう一つ、不登校の未然防止ということあります。

 学校臨床心理士の全国研修会でも、県段階の学校臨床心理士の研修会でも、いかにレベルを上げるか、研修をして臨床技術を上げるかが、目標となります。

 このような姿勢では、どれだけ、スクールカウンセラーを増やしても、能力のないスタッフでは福祉に貢献できないことになります。国家予算の無駄遣いです。毎年、文部省が不登校の数を発表します。不登校を減らすために、改善するためにどうするかが臨床心理士の課題であることは常識です。臨床心理士はこのことは自覚しているはずです。

 医師は不登校を治せる人はほとんどおりません。医師は医学的観点から症状の軽減を図ります。養護教諭や教員がいまだに「心療内科へ行きなさい」と保護者、子どもにこのような発言をしている人がおります。不登校への支援は、まだまだ問題だらけです。
 

 友人の中に、私は、不登校が専門だと言ってくれる人がいますが、私は、不登校ばかりでなく、トラウマからの回復支援もやりますし、うつ病の人への復職支援など幅広くしております。
posted by 花井英男 at 15:36| 不登校への対応

2013年09月03日

学校臨床心理士全国研修会に参加して

三つ葉.jpg 8月31日、9月1日、東京、三軒茶屋の昭和女子大学にて、2400名以上が参加し、夏の恒例の全国研修会が行われた。私にとって実りの多い研修であった。
 大学のキャンパスの雰囲気について、感銘を受けた。 
 人見記念講堂の前に、トルストイの銅像がある。創立者の人見圓吉、緑夫妻がトルストイに共鳴し、トルストイの理想を実現しようと学苑を創立したと銅像のところに趣旨が述べられている。
 更に、感心したのは、分科会場の1号館の校舎を歩いていると、トルストイの肖像画が、中途半端でなく、沢山、階段、廊下にかけられている。生誕地を訪れたトルストイとか、アンナカレーニナの作品を創作したころのトルストイなどのタイトルがついている。トルストイばかりでなく、花などの絵画、写真など芸術作品もかけられており、潤いが感じられた。
 昭和女子大学のホームページには、建学の精神として、「昭和女子大学の歴史は、斬新華麗な詩風をもって知られた詩人人見圓吉が、トルストイの理想とする「愛と理解と調和」に教育の理想を見出し、緑夫人とともに女子教育の道を歩みはじめたことからはじまります。」と記述してある。
 昼食時に、キャンパスの中に、昭和の泉という、滝と噴水があり、植樹がされ、椅子が木陰においてある、鯉の泳いでいる池があり、鳥があつまってくる、サンクチャリーを散歩した。
 初日は、シンポジュームのある講堂では、関西学院大学の米山直樹先生(文学部教授)と隣同士の席になった。行動療法学会などの会合で私はワークショップを受けたり、お顔を拝見する機会があったが、初めて親しく会話をすることができた。
 名古屋には、米山先生の恩師の久野能弘先生(金沢大学名誉教授・元中京大学教授)がおられ、私は研究会などで親しくお付き合いをしたことをお伝えした。米山先生は、懐かしがっておられた。
 2日目は、発達障害(自閉圏)の事例検討の分科会では、先生の専門の応用行動分析・(認知・行動療法)の立場から、実践例(不登校の再登校支援)を入れての講義を受けた。250名以上の参加者は、先生のパワーポイントの講義には、大変感銘を受けた。わたしは、認知・行動療法(応用行動分析)という方法を用いて、実践をしているものにとって、すばらしい講義であった。事例検討の発表者は、大阪の小学校のスクールカウンセラーで、やはり、応用行動分析の立場からの実践発表(不登校の再登校支援)であった。これも素晴らしいものだった。実践についての詳しいコメントもよかった。
posted by 花井英男 at 16:56| 不登校への対応

2013年08月26日

学会に参加して

yun_909.jpg 8月23日〜25日まで、帝京平成大学池袋キャンパスでの、行動療法学会、認知療療法学会に参加した。2000名以上が参加した。毎回であるが、認知行動療法、行動療法による実践研究、ワークショップはすばらしい。私は、いろいろな学会に所属したが、この2つは、充実した学会であると思う。スクールカウンセラーとして学校での実践にすぐ役に立つ実践発表がなされるし、町で開業している相談室ですぐに実践できるし、参考になる発表ばかりである。それも若手の発表が多いのはうれしい。すでに各地で認知行動療法家が活躍しているが、数年後は相当の数になるだろうと思う。
 ブログで、いくつか感動したすばらしい経験を報告したい。
@ドーミトリーの超安いホテルで、また、毎日の学会へ行く途中で、名古屋市昭和区御器所で開業している、伊藤久志さんと打ち解けて話すことができた。彼は、愛知県内各地で幅広く活動している。彼の事務所は、「アイズサポート」と言い、発達障害専門の心理相談室である。お互いのホームページをリンク集に張ることにした。彼は、学会で発達障害を伴う強迫性障害緩慢の成人の実践を発表した。強迫性障害緩慢の問題行動から、健全な行動に少しでも近づけるための実践である。応用行動分析の観点からいえば、随伴性を変えることである。その工夫が見どころである。その人と家族は、快適な生活ができるようになってさぞかし喜んでいることだ思う。共同発表者が、岡島美代先生(名古屋メンタルクリニック・心理士)であることもあって、会場は、200名以上いただろうか。超満員であった。会場に入りきれない位の参加者が来場した。名古屋メンタルクリニックに、原井宏明先生(精神科医)と岡島先生(心理士)が来られて、名古屋の行動療法家にとって大きな支えができたと思う。私は両先生のアドバイスを受け、いろいろと励ましを受けている。
A学会恒例の各書店の書籍販売の中で、小野昌彦先生(宮崎大学大学院・博士)の「児童生徒の問題行動解決ツール」風間書房2800円と「学校・教師のための不登校支援ツール」風間書房9000円が売り出された。これらの本は、学校単位で買うことを想定しており、DVDがついていることもあって、ちょっと高いと出版社は言う。
 本を出版されるときは、小野先生は学校の先生方のための本を出される。もちろん、スクールカウンセラー、臨床心理士が読んで参考になるので、私は、スクールカウンセラー研修会でも紹介している。校内研修会でも先生方に紹介している。先生は行動療法・応用行動分析(ABA)の学者である。不登校は緊急の課題である。学者は、学校の先生方に、すぐに読んでわかる、すぐに実践できる本を出す工夫をしているだろうか。
 小野昌彦先生は、全国の市町村の教育委員会とか、学校から、不登校の児童・生徒の教室復帰の支援を依頼されて実践されている。小野先生が依頼されるのは、スクールカウンセラーが勤務する学校の子どもの教室復帰・不登校を治すことができないからである。不登校は増え続けている。東京都教育委員会からも研修を依頼されているとのことである。まだ、不登校を改善できないスクールカウンセラーは実に多い。傾聴技法で治るはずがない。スクールカウンセラーの幹部でも、具体的に指導できる人はいるだろうか。
 そもそも、臨床心理養成大学院には、不登校を改善するシステムを指導できる学者が圧倒的に少ない。私は、臨床心理士養成大学院を修了後、10年前、奈良教育大学大学院で小野昌彦先生に、行動療法による不登校の子どもの教室復帰支援を勉強した。
小野先生の「不登校ゼロの達成」明治図書1960円を、東京都の小学校のスクールカウンセラーのMさんに紹介した。小野先生の著書を積極的に教えてほしいと頼まれた。読んでもすぐに分かりづらいだろうから、具体的にどう取り組むか、アセスメントの方法から個別支援計画の立て方までフォローしてあげたいと思っている。学会の友達の原田先生と昼食を一緒できた。学会・研修会ではいつもお会いし、いろいろ親切にアドバイス頂き、支えていただき、感謝している。Mさんは原田先生のEMDR研究会の友人である。不登校は、今やスクールカウンセラーにとって必ず取り組まなければならない問題である。子どもと保護者に治ったという安心感を与えてやれるスクールカウンセラーが一人でも多くなればと希望する。
 今回の学会では、小野先生と食事を一緒に取ることができなかったのは残念だ。小野先生のワークショップ会場でようやくお会いでき、立ち話しか出来なかった。
 小野先生の恩師である小林重雄先生(筑波大学名誉教授、元名古屋経済大学大学院教授・博士・自閉症スペクトラム学会会長)に、名古屋(名古屋経済大学サテライト会場)で開催している研究会に参加するようにお招きをいただいた。小林先生は、小牧に、小牧発達相談研究所を開設され活動しておられる。愛知県で、小林先生が活用されていない。自閉症研究のトップクラスの学者が愛知県にいるのに、存在に関係者が気づいていないような感じがする。残念である。
posted by 花井英男 at 20:20| 不登校への対応