2018年09月27日

中日ビルさようなら!懇親会

T.S.エリオットの詩を読む
―20世紀モダニズム研究―
Part V(7月〜9月)


講師:岩崎宗治 名古屋大学名誉教授 文学博士
開講日:第2・4木曜日 13:30〜15:00



テキスト
 T.S.エリオット 『四つの四重奏』 岩崎宗治訳(岩波文庫)2011
または、
T.S.エリオット 『四つの四重奏』 岩崎宗治訳 (国文社)2,009
T.S.Eliot  Four Quartets (London  Faber and Faber 1944,2001)

中日文化センター
2018年9月27日(木)

Four Quartets 「四重奏」を読む

THE DRY SALVAGES V〜X

ドライサルベイジイズ V〜X


中日ビル さよならパーティ・懇親会


今日は講座の後、「エリオットの詩を読む」講座の受講生の親睦会、「中日ビルさよならパーティ」が、中日パレス(5階)で親睦会が開かれた。コーヒーとケーイのパーティ。


いよいよ、中日ビルでの講座は、今日が最後になった。
52年間の中日ビルは来年1月で閉館になる。講座は、今日が最後になった。
来月からは、現在の中日ビルから、
南に歩いて、5つ目位の久屋中日ビルで講座は開かれる。


日頃、話していないメンバーと聞きたいことを聞いたり、大いに楽しめた。

Tさんから、もうすぐ、フランスのワインで有名な地域に行くことを聞いた。
夫婦で旅行を楽しんでいる。
彼は、脊椎官狭窄症の本を5冊くらい読み、養生をしている。
彼の病気は、軽いほうに思われる。彼は、温泉とかプールがこの病気にいということで養生している。


深刻な痛さに悩む人もいるのに、プールや、温泉につかるのがいいと教えてくれた。
彼の話は大いに参考になった。

Sさんから、岩崎先生の中日文化センターでの講座の起源を聞くことが出来た。
岩崎宗治先生の英文学の作品を読む講座は、2005年から始まった。13年間続いている。
最初の頃の様子を初めて聞いた。出だしは大変だったようだ。
中日文化センターが岩崎先生に講座を依頼することから始まった。

最初の頃は、シェイクスピア文学の図像学(イコン)から始まった。3か月で参加者から不評で参加者がいなくなったという。最初の頃は、大変だった。
次に、シェイクスピアの翻訳を読んだ。
それから英語でシェイクスピアや詩の作品を読むようになった。


文化センターの講座で、
今でも、講座は、数人しか集まらなくて、講座が成立しないことがよくあるという。

最低、10人は参加者がいれば、成立するという。
「エリオットの詩を読む」は難解な詩を読む講座だ。それでも20余名の参加者が欠席しない。むしろ増えるほうだ。上出来のほうだ。


私は、予習をしている時は、難しくて分からないことが多い。しかし、岩崎先生が翻訳し、解説していくと、分かったような気持ちになるから不思議だ。この発言を私の横で聞いていた、岩崎先生が、「それでいいよ」と言ってくれた。

結局、エリオットの詩は難しいという人もいる。そうかもしれない。

一方、岩崎先生の学識、人柄に惚れている人も多いのではないか。私は先生の人柄と学識に惚れている。
解説はなるほどと思いながらいつも聞いている。
毎回出る、解説のハンドアウトはいつも楽しみだ。


今日の親睦会では、先生のプライベイトな話・英文学者として出発点の頃のことを初めて聞いた。
そもそも、エリオットの「四つの四重奏」は、先生が、研究者として、学者の世界にデビュウするきっかけになった作品であると言われた。


29歳の時、翻訳し、論文を書いてのがきっかけであった。
その論文発表・学会発表が評価されて、認められて英文学会の研究者の生活が始まった。
岩波文庫で「四つの四重奏」の翻訳を出版された。岩波文庫から他にも沢山翻訳を出された。

ちょうど、先生が新進気鋭の学者として出発し始めた時、岩崎先生が、30歳前後の頃、私は、愛知学芸大学(現愛知教育大学)の3,4年生であった。リチャーズの作品(英米批評文学)の購読等の授業を受けた。当時、毎回、先生の授業が楽しみであった。その頃から、同級生同士で先生を尊敬していた。

卒業してから、友人と岡崎の先生の自宅へ、ケーキを持って訪れたことがあった。奥さんから、ケーキが箱の中で踊って、壊れていると言われた。


先生は、シェイクスピア研究、英米詩研究、英米批評文学の論文を出している実績を買われた。方々の大学から、招かれ、集中講義に招かれた。

現在では、シェイクスピア研究、英詩研究、批評文学をする学者が少ないという。


今日は、中日文化センターの岩崎先生の講座の、13年間の歴史を知った。
ようやく慣れ親しんだ中日ビルにお別れだ。
中日ビル! これまで有難う!

あるとき、大江健三郎のエピソードを話された。

大江健三郎のエリオットの詩の解釈について、異論を持ち、手紙を大江健三郎と、ノーベル賞受賞時の大江の英語のスピーチの支援者である方の、両方に、エリオットの詩の解釈についての考えの手紙を書いたが、大江から返信が来ないと言うエピソードだ。
「小説家として大江に対して尊敬の念を抱いている」「人の手紙にちゃんと返事を出さないのは失礼だ」というのが岩崎先生の言い分だ。

岩崎先生は言う。「私の意見・考えだけが正しいととは思っていない。」「返事位は出すべきだ」という風に岩崎先生は述べる。大江健三郎はそうなのか!とがっかりした。

日本で、トップクラスの的な英文学者である、岩崎先生の学識に対して失礼だと思う。


久屋中日ビルで、岩崎先生の講座はこれからも続く。来年は、シェイクスピアの作品になるそうだ!
私たちにとって、先生の存在は大きい。いつまでも健康で、講義を続けてほしい。















posted by 花井英男 at 20:37| 文学・芸術

2018年08月12日

エリオットの詩を読む  中日文化センター

T.S.エリオットの詩を読む
―20世紀モダニズム研究―
Part V(7月〜9月)
講師:岩崎宗治 名古屋大学名誉教授 文学博士
開講日:第2・4木曜日 13:30〜15:00

テキスト
 T.S.エリオット 『四つの四重奏』 岩崎宗治訳(岩波文庫)2011
T.S.エリオット 『四つの四重奏』 岩崎宗治訳 (国文社)2,009
T.S.Eliot  Four Quartets (London  Faber and Faber 1944,2001)

中日文化センター
2018年8月9日(木)

Four Quartets を読む
East Coker T−U

岩崎宗治先生からの提案。


現在、エリオットの詩を読んでいるが、この後、10月からは、イギリスの詩人、ジョージアンのウオルター・デラメアの詩を取り上げたい、という提案がなされた。

デラメアは、エリオットの前のジョージア朝の詩人。エリオットの詩の前は、どんな詩人がいたか。エリオットの詩を理解するためにも、いい詩人であると言われた。
モダニズムを理解するためにもいい作品であると。


ジョージ5−6世時代(1910−52)、特に、ジョージ5世時代(1910-20)の文学、特に田園詩などを指す。
Walter de la Mare, ウォルター・ジョン・デ・ラ・メア(Walter John De La Mare, OM、1873年4月25日 – 1956年6月22日)は、イギリスの小説家、詩人。優れた児童文学作家。

原書は、The Listeners and Other Poems Walter De la Mare
Leopold Classic Library 2400円

翻訳詩集は、岩崎先生の尊敬する知人である、静岡大学名誉教授 村松真一先生。
「耳を澄ますものたち他」 村松真一訳 沖積社 2012   2400円

10月からのテキストの準備をしておられた。原書のテキストの入手方法まで検討されていた。リプリント版だという。

日本では、児童文学作家として有名であるようだ。すでに児童文学作家として知っている人がいた。

それにしても、岩崎先生は、元気である。89才にして、元気そのものだ。尽きるところがない。今流の言葉でいえば、「半端、ない」

本日は、ハンドアウトを、4枚頂いた。
1枚は、本日の詩East Cokerの詩に関わる、写真2枚。ブリューゲルの絵、「野外での婚礼の踊り」

2枚目は、「四重奏」の翻訳詩集を出版した時、朝日新聞(名古屋)(2009,6.2)に寄稿された、記事のコピーである。タイトルは、『薔薇と亡霊と「四重奏」』岩崎宗治 英文学者。四重奏の4つの詩について、簡潔に解説を述べたものである。

残り2枚は、デラメア詩集「耳を澄ますものたち他」村松真一先生の訳詩集の中の、「静謐をたずねて」の文章である。


10月からの詩への案内だと思う。この暑い毎日にへこたれそうになっているのに、先生は、準備されている。有難いことである。

posted by 花井英男 at 12:15| 文学・芸術

2018年07月13日

T.S.エリオットの詩を読む  中日文化センター



このたびの西日本豪雨災害の皆様にお見舞いを申し上げます。


T.S.エリオットの詩を読む
―20世紀モダニズム研究―

Part V(7月〜9月)
講師:岩崎宗治 名古屋大学名誉教授 文学博士
開講日:第2・4木曜日 13:30〜15:00

テキスト
 T.S.エリオット 『四つの四重奏』 岩崎宗治訳(岩波文庫)2011   または、

T.S.エリオット 『四つの四重奏』 岩崎宗治訳 (国文社)2009

T.S.Eliot  Four Quartets (London  Faber and Faber 1944,2001)

中日文化センター
2018年7月12日(木)

Four Quartets を読む
“Burnt Norton” T〜U


今日から一人男性の参加者が増えた。私が、この講座に参加する前にすでに参加していた方だ。私の隣に座った。講座のことを聞かれるので、7月〜9月の予定表を見せて、話していたら、他の参加者が次から次へと、席の案内やら、テキストの案内を親切にテキパキと教えられた。英詩の好きな方のようで、エリオットの分厚い詩集を持参されていた。



岩崎先生から、ハンドアウトが1枚出された。
その中には、Burnt Nortonのthe rose gardenの写真,
詩の、Dry the pool,dry concrete, brown edged の光景のカラー写真、
Emily Hale の2枚の写真、
本、”Painted Shadow A Life of Vivienne Eliot”のカバー写真。
これらの資料は、エリオットの伝記と今日の詩に関わる重要ものであった。



講義の内容
Burnt Nortonを読み始める前に、岩崎先生から、「これは難しい詩である。」と。
モダニズムについて話された。これは建築界での用語である。


新しいものの主張である。古いものをこわす。伝統破壊。建築の世界で機能主義的建築をめざすもの。生活に役立つ建築形式を求め、形が簡単、装飾がない。幾何学的。

この傾向が表れている作品を列挙された。フォークナーの小説にあらわれている。E.E.カミングの詩、ジョイスの「ユリシーズ」、「ダロウェイ婦人」、などに、意識だけが出てくる、物語のシークエンスをこわす。
エリオットの「荒地」は、ユリシーズをまねた。

エリオットの生涯に触れた。
エリオットの最初の結婚はひどいものであった。「荒地」を書いたとき、エリオットも不安定だった。妻・ビビアンは、心を病んでいた。エリオットは心労が重なり、苦境に陥り、結婚は失敗だった。

中略。

エリオットは、若い時、エミール・ヘイルと付き合っていた。誰も結婚する仲だと思われた。しかし、エリオットは結婚しなかった。

ハーバード時代の恋人であった。彼女は、女子大の先生になった。長く文通は続いていた。
2020年に書簡が公開されるという。

エリオットは、ヘイルをイギリスのノートンのカントリーハウスに案内した。カントリーハウスとは、地方の3階建の貴族の邸宅。女王が来た時に3階でもてなす家だという。
ある事情で、このカントリーハウスが燃えてしまった。


Burnt Nortonの中で、ヴィヴィアン、エミリーのことを書いていると思われる。

バーント・ノートンの詩の最初の部分は、次のような内容。


現在の時間と過去の時間は
おそらくともに未来の時間のなかに現在し
未来の時間はまた過去の時間のなかに含まれる。


あらゆる時間が永遠に現在するとすれば
あらゆる時間は償うことのできぬもの。


こうもあり得たと思うことは一つの抽象であり
永遠に可能以上のものではなく
ただ思念の世界にとどまる。


こうもあり得たと思うことと、こうなってきたこととは
つねに現在する一つの終わりに向かう。



この詩の内容は、「私たちの時間の中には、自由はない。
未来は制約されている。」ことを示しているのではないか。


イギリス国教会の信仰を持つ、エリオットによれば、
私たち人間存在(Nature)は神の恩寵(Grace)の中にある、と思われる岩崎先生は話された。


エリオットのバーント・ノートンの最初にT〜Uは、このような内容であった。


講座の後は、久しぶりに、喫茶店で3人で2018ロシアワールドカップの
サッカーの試合の感想、講座の内容についてざっくばらんに話した。




posted by 花井英男 at 19:23| 文学・芸術