2020年05月24日

記憶と向き合うー作家・柳美里と福島の高校生

目撃 !にっぽん「記憶と向き合うー作家・柳美里と福島の高校生」

2020年5月24日 NHK BS1 8:00pm


BS番組を見ていて、この番組を見てしまった。最後まで見ていて、涙が出てきた。

番組内容


福島第1原発から、30キロ。3年前に開校した、福島県立ふたば未来高校の演劇部が、9月17日、新作を上演した。脚本と演出は、柳美里さん。

舞台づくりのもとにしたのは、生徒たちの震災当時の記憶。故郷の思い出。災害の時の生徒達のとるに足らないと思い、語ってこなかった個人的な記憶を、柳美里さんと皆の前で、話すことによって引き出し、一人一人の思い出のモノローグからなる演劇作品を作ることになった。

福島の遠い問題が、自分と関係のないと思っていたこと、知らないとおもっていたこと、懸命に生きる子供たちの思いに感動した。

柳美里の活躍


柳美里の福島での活躍は、新設高校の校歌を作成したエピソードをこのブログで紹介した。

柳美里は、27年南相馬市へ移住した。福島の人の思いを受け止めるには、移住しかないと思ったという。

30年4月自宅を改装し、書店を開店した。演劇活動はその店頭から始まった。書店を訪れたふたば未来学園(福島県広場町)の演劇部員が、柳美里に「一度けいこを見てください」と依頼したことから始まった。


同校を訪れ、この子らと戯曲ができると、自ら上演を申し入れた。震災当時、小学2~4年生だった演劇部員、一人一人から、丁寧に話を聞き、セリフを作っていった。内に秘めた記憶がよみがえり泣き出す子もいた。彼らしか語れない言葉を水路として演劇が必要であると思ったと、柳美里は語る。




posted by 花井英男 at 21:54| 文学・芸術

2020年04月13日

深見けん二の句

深見けん二の句



最近、初めて、深見けん二という俳人の名前を知った。きっかけは、年会誌あゆち第29号2019年度版(愛高教退職者の会 3月発行)に知り合いの方が、寄せた文のタイトルが、「年をとるといふはこのこと春の風(深見謙けん二の句集より)」であった。

たったこれだけの情報に私の心がビビット響いた。早速、図書館に頼んだら、すぐに3冊が手にはいった。読んでいると、難しい言葉は出てこない。読みやすい。深見けん二という俳人を今までまったく知らないでいた。知り合いの方には教えてもらったことにお礼のメールを送った。

俳句に近づきやすい。俳句の世界を楽しめる。読んですぐわかる俳句はうれしい。

「句集花鳥来」 深見けん二句集 から引用します。
 
江戸菖蒲肥後の菖蒲と刈り束ね

湯どうふを食べて涼しくなりにけり

全山の一樹一石送り梅雨

蔀戸を上げし山河に端居かな(しとみどをあげしさんがにはしいかな)

世話人の浴衣の肩のそびやかし

日のさしてをりて秋めく庭の草

みづひきや母に仕える妻の日々

蜻蛉のかさととまりし石ノ上(とんぼうのかさととまりしいしのうえ)


借りた本は、「句集 花鳥来  現代俳句叢書 深見けん二  角川書店」
 
      「四季を読む   深見研けん二  日本放送出版協会」

      「虚子の天地 体験的虚子論   深見 けん二  蝸牛社」
















posted by 花井英男 at 12:20| 文学・芸術

2020年01月31日

「赤毛のアン」初の全文訳 松本侑子さん 作家・翻訳家

「赤毛のアン」初の全文訳 松本侑子さん 作家・翻訳家


新聞赤旗日曜版(2020年2月2日)で、上の見出しをよんで、思わず、一気に読んでしまった。朝食を終えて一服しているときだった。

「知的な大人の文学 ケルト民族、キリスト教、戦争」という見出しが出ていた。また、「村岡花子版は抄訳だった」という見出しも出ていた。

村岡花子訳を読んだ読者の持つ素晴らしい読後の感想は、国語の女性の先生、親類の女性からも、聞いたことがある。私は、村岡花子訳を読んだこともない。

この記事によると、松本侑子さんも中学時代から村岡花子訳の古風な美しい「アン」を愛読してきたという。松本侑子さんは、新訳を頼まれたとき、「村岡花子先生の名訳がございます」と辞退したという。

しかし原書を読んで、大幅な省略と改変があることを初めて知った、という。昔の翻訳は長い西洋文学の面白いところをつなぐ省略と西洋の品々を日本的なものに変える改編が一般的だったのだ、という。

これは昔の日本人読者には必要な改編だった、と松本はいう。しかし、今は全文訳が必要だ。そこで原書に忠実な初の全文訳をさせていただくことになった、という。

そもそも、松本侑子とはどんな人物だろうと思った。ウィキペデアを見ると、英文科出身ではない。すごい人だ。

松本によれば、詩句の引用では、ブラウニングの詩に始まり、シェイクスピアの「ハムレット、「ジュリアスシーザー」、バイロンやワーズワースの詩など英文学と聖書の句が100か所登場する、という。

さらに、次々と記事を読んでいくと、興味をそそる記事がいっぱいだ。カナダは、移民からなる多民族国家で、スコットランド、イングランド、アイルランドの歴史を持つこと、ケルト族のこと、アーサー王伝説などが出てくる。

「アン」を書いたとき、モンゴメリーは、牧師と婚約中で、キリスト教文学でもある、という。聖書の言葉や、聖杯探索も出てくる、という。当時のカナダの政治状況も出てくる。「アン」は児童文学でも少女小説でもない、という。

シリーズ全8巻は、「アンの女の人生と、カナダ社会の変化を描いた大河小説だ」、という。第8巻では、カナダは第1次大戦に突入、50代になったアンの息子3人は、欧州の戦場に出征、一人は戦死する。イギリス政府の戦時スローガンも出てくる戦争文学だ、という。

松本は、「アンの青春」、「アンの愛情」、「風柳荘のアン」まで訳し、各巻に作中の英文学、民族とケルト、キリスト教、政治、衣食住を解説する訳注を300以上つけた、と述べる。
松本侑子は、「日本初の全文訳で心豊かな文学「赤毛のアン」をお楽しみいただきたい」、と記している。

この記事を読んで、私の興味関心と同じ方向であると思った。楽しみができた。

いつかゆっくり読みたい。

赤毛のアン (集英社文庫)
ルーシー・モード・モンゴメリ (著), 松本 侑子 (翻訳)

アンの青春 (文春文庫)
L.M. モンゴメリ (著), 松本 侑子 (翻訳)

アンの愛情 (文春文庫)
L.M. モンゴメリ (著), 松本 侑子 (翻訳)

風柳荘のアン (文春文庫)
L.M. モンゴメリ (著), 松本 侑子 (翻訳)










posted by 花井英男 at 10:31| 文学・芸術