2025年04月22日

松本侑子先生の「アン・シャーリーの魅惑の物語」第1回

中日文化センター講座「アン・シャーリーの魅惑の物語」

主催 中日文化センター(Zoom、栄教室)

講師  松本侑子先生(作家・『赤毛のアン』翻訳家・研究者/日本ペンクラブ理事)

4月の第1回 第1巻  『赤毛のアン』  1908年
2025年4月20日(日)1時半―3時


 楽しみにしている、松本侑子先生の講座を聞きに行った。東京から、Zoomで講義をされた。聴講者は、栄の教室に参加する人、Zoomで参加する人。教室の参加者は、20名位。他は、Zoomの参加者。教室の参加者とZoomの参加者に一人一人、名前を呼ばれ、挨拶をされた。

最初に、私のコメント(NHKの新作アニメ「アン・シャーリー」について)の説明を話された。
出版社の担当者の同席のもとに、記者会見をしたとのこと。NHKの「アン・シャーリー」は、村岡花子さんのものである。村岡花子さんの作品内容は、原作の翻訳=松本侑子さんの翻訳と大きく違っていることを指摘された。この記者会見に対する反響が大変大きかったという。


私は、第1回のNHKのアン・シャーリーを見て、感動した。村岡先生流の赤毛のアンだと思った。2回目、3回目の放送は、忙しくて、見忘れてしまった。残念である。仕方がない。

本格的な、本腰を入れた翻訳をした、松本侑子先生としてのコメントをされた、と思う。著書の、8つの扉の観点から、モンゴメリーの作品の解釈をされている、松本侑子先生の見解を尊重するのは、大切であり、そのような観点から、作品鑑賞をするのが、正しいと、思う。松本侑子先生の観点を尊重するのは、大切なことだと思う。
第1回第1巻『赤毛のアン』、モンゴメリーの生涯(1874〜1908)、アンの幸せな生き方


1)私のコメント(新作アニメ「アン・シャーリー」について)の説明


2)第1巻『赤毛のアン』の作品解説として、7つの話をされた。

@ 小説の舞台プリンスエドワード島、

A 『赤毛のアン』の物語、

B 『赤毛のアン』の英文学、

C スコットランド民族の伝統と文化、

D 『赤毛のアン』のケルトとアーサー王伝説、

E 『赤毛のアン』のケルト・キリスト教

F 『赤毛のアン』のキリスト教とイエスの聖杯探索

3)『赤毛のアン』刊行までのモンゴメリーの生涯

1874年の誕生から、1905年の『赤毛のアン』執筆、1908年の本の出版まで

4)『赤毛のアン』の幸せな生き方、暮らし方

@『赤毛のアンの幸せになる言葉』松本侑子著・主婦の生活社のあとがきより

Aアンの前向きな心と空想、明るい夢を持ちそれを想像する、夢に向かうための努力と行動、美しいものや妖精を愛する浪漫的な趣味、自然美を愛する心と目

Bマリラのきちんとした暮らし,自律心、信仰心

Cマシューの家族を愛する心、勤勉さ

Dダイアナの友を大切にする優しさ,ひろい心

Eリンド夫人の地域での活躍、愛郷心


Fステイシー先生の子どもを鼓舞する仕事ぶり

Gアラン牧師夫人の思いやりの言葉、励ます言葉

H『赤毛のアン』の幸せになる言葉、名文の紹介

  これはすべて、松本侑子先生の、レジメである。
  これらすべてが面白い見方だと、感心した。

  楽しんで、作品を読んでいるが、こういう見方もあるんだと思った。参考になった。






posted by 花井英男 at 12:15| 文学・芸術

2025年04月05日

NHKETYの赤毛のアン

NHKETVの「アン・シャーリー」
―村岡花子の赤毛のアンー



NHKETVで、赤毛のアンが始まった。「村岡花子」と出ている。村岡花子の赤毛のアンを読んだことのないない私にとっては、興味津々だ。昔、村岡花子を読んだ人たちは、さぞドキドキ、わくわくしていることだろう。

今日の番組が始まるのを待っていた。なかなか始まらないのでヤキモキした。松本侑子訳の赤毛のアンを読んだので、初めの出だしの部分の違いがよくわかる。村岡花子の苦心した創作の部分がわかる。

これから毎週土曜の6時25分が楽しみだ。番組はあっという間に終わってしまう。朝ドラと同じだ。朝ドラも楽しみに毎日、見ている。








posted by 花井英男 at 20:45| 文学・芸術

2025年02月23日

「モンゴメリーの新婚旅行1911年〜『赤毛のアン』の英文学の土地へ」

中日文化センター講座  栄教室

「モンゴメリーの新婚旅行1911年〜『赤毛のアン』の英文学の土地へ」

講師:松本 侑子先生(作家・翻訳家/日本ペンクラブ理事)

2025年2月23日1:30〜3:00 

講座の本:イギリス物語紀行 松本侑子 幻冬舎文庫


久しぶりに、中日文化センターの講座に出席した。その理由は、松本侑子著の「赤毛のアン論 八つの扉」文春新書を最近読了し、その内容のすばらしさに感動したから。私は有名な「赤毛のアン」は日本語でも、英文でも読んだことがない。仕方がない。私は、かつて、サマセット・モームの翻訳を文庫本でほとんどすべてというほど読んだつもりだ。

友人の英文学者の久田晴則君(愛知教育大学名誉教授・ディッケンズ学の権威)に、サマセット・モームは大衆文学だと言われ、がっかりしたことがある。人格を否定された感じだった。モームは、中野好夫など一流の英文学者が翻訳していた。今は、立ち直っている。大衆文学だろうが何だろうが構わない。モームは、世界的文豪だ。

さて、昔、「赤毛のアン」村岡花子訳は、読んだ人から感動した読後感を数多く聞いた。尊敬する英語教育の学者・研究者から、モームの作品、「赤毛のアン」「アンネの日記」「武器よさらば」「アンクルトムの小屋」などの名作を英文で読むことをよく勧められた記憶がある。惟信高校時代の国語科の女性教員が、赤毛のアンの読後感感想を聞いたのを覚えている。

  私は85才になって初めて、赤毛のアンを読む気になった。松本侑子先生の著書を読んで、その気になった。松本先生は、8つの観点から「赤毛のアン」を論じている。ほれぼれする文章で書いている。

一の扉―エピグラフと献辞、二の扉―英文学、

三の扉―スコットランド民族、四の扉―ケルトとアーサー王伝説、

五の扉―キリスト教、六の扉―プリンスエドワード島の歴史、

七の扉―カナダの政治、八の扉―翻訳とモンゴメリー学会

 この8つのアプローチは、すばらしい。きわめて、当たり前の基本的なアプローチだと思う。このようなアプロ―チをした人が今まであるだろうか?

 これらのどの章も面白い。一気に読んでしまった。とにかく、面白かった。

今日の講座は、オンラインで東京から、松本先生が、三〇名くらいのすべての参加者の名前を呼んであいさつされた。

本日は、第二回。その内容は、モンゴメリーが、新婚旅行を二か月かけて、イギリスを旅行した。その中のイングランド編だった。モンゴメリーが愛する文学者の地へ。詩人ワーズワース、作家ブロンテ、劇作家シェイクスピアの地へ旅行した、日記に基づく、現地を松本先生が訪れた記録だ。

 内容と写真がとにかく素晴らしい。興味のあるものばかりだった。次回も参加したい。
 モンゴメリー学の始まりだ。新しい文学研究の始まりだと思う。
 モンゴメリーの作品は、英文学の基礎を抜きにしては考えられない、ということだ。

次回は、カップとソーサーを持参するように、事務局から言われた。ハスの実の紅茶の御馳走になるようだ。
 松本先生、対面の講義が聞ける。





posted by 花井英男 at 17:49| 文学・芸術