2021年01月09日

「ダンスか死か アハマド・ジュデの日常」

昨晩(2021年1月8日)、BS世界のドキュメンタリーで、「ダンスか死か アハマド・ジュデの日常」を見た。夜10時ころから番組は始まった。

この番組をはじめから、見るつもりでいたわけではない。一服しながら見ていたら、ついダンスの素晴らしさに見とれて、最後まで見てしまった。素晴らしいダンスであった。こんな素晴らしいダンスがあるのかと思った。

原題:Dance or Die(オランダ 2018年)
「ダンスか死か」と首に刻んだタツー(イレズミ)がある。ISに対して、抗議を込めたタツーである。ISに銃殺されることを覚悟して、首の後ろに、Dance or Dieという現地語で大きく刻まれている。ダンサー、アハマド・ジュデ。

シリアでは、ISによる爆撃の中で壮絶な日々を送っていた。
内線前は、ゆとりある家庭で芸術的な面でも充実していたようだ。
でも、「アラブの男」である父親は、男がダンスをすることを認めず、
バッグの中に化粧品を見つけて、アハマド・ジュデを殴打する。
このとき母親も殴られ、流産してしまい、やがて離婚。

なかなかの美形で、憂いを含んだ表情が魅惑的。
2016年10月、オランダ国立バレエの援助を受けて、
内戦下のシリアから、オランダに移り、
アムステルダムを拠点として、国際的に活躍している。

シリアで踊っていた彼をオランダ国立バレエ団が資金を集め、彼を呼び寄せたのだ。
以後、アムステルダムを拠点に、世界各国で踊っている場面が、次から次へと映し出された。

活躍ぶりは、アメリカの新聞などにトップを飾る写真を、母親にオンラインで報告している場面が映し出された。

オランダから、ドイツの難民収容所の父に会いに行く、列車のアハマドを映した。難民収容所の中の番号を頼りに、部屋から部屋へ、父を探していった。
ダンサーになることに反対し、度重なる暴力を受けた父との11年ぶりの再会し抱き合う場面が映された。

踊っていると頭痛がする、夜中に汗びっしょりとなるほど汗をかくということに苦しんでいた。病院での検査の結果、脳に水が溜まっているという病気。

突然襲った脳の病、半年くらいの入院が必要であると言われた。しかし入院はしないという選択を選んだ。厳しい運命と向き合いながら、踊ることへの意味を自問自答してきた半生を描く。

2019年国際エミー賞芸術番組部門受賞作品。 











posted by 花井英男 at 17:35| 文学・芸術