2020年02月11日

慢性疼痛の脳科学を臨床に生かす

名古屋市立大学開学70周年記念事業

文部科学省課題解決型高度医療人材養成プログラム

「慢性疼痛患者の生きる力を支える人材育成」

厚生労働省「慢性疼痛診療体制構築モデル事業」

慢性疼痛の脳科学を臨床に生かす

日時:2020年2月11日(火)14:00〜17:00

会場:JPタワー名古屋5階
名古屋市立大学ミッドタウン名駅サテライト


主催:名古屋市立大学  後援:名古屋市


地下鉄・JR 名古屋駅

綜合司会 名古屋市立大学麻酔科学・集中治療医学 教授 祖父江和哉

開会挨拶  名古屋市立大学 学長   郡 健次郎

講演1
慢性疼痛のアクセプタンス&コミットメント・セラピー(ACT)
名古屋市立大学 精神・認知・行動医学  臨床心理士  酒井 美枝

講演2 
基礎脳科学から目指す慢性疼痛のトランスレーション研究
東京慈恵会医科大学  神経科学研究究部長/痛み脳科学センター長 加藤 総夫


パネルディスカッション

東京慈恵会医科大学 痛み脳科学センター長  加藤 総夫

名古屋市立大学大学院 薬学研究科准教授  大澤 匡弘

名古屋市立大学病院いたみセンター長 杉浦 健之

名古屋市立大学病院いたみセンター副センター長 近藤 真前

名古屋市立大学病院大学院  臨床心理士  酒井 美枝

まとめ  日本大学 麻酔科・ペインクリニック科手術部長  加藤 実



閉会挨拶 名古屋市 病院局長   大原 弘隆


慢性疼痛は我が国の成人の15〜40%にみられ、社会的損失が大きい疾患として知られています。また慢性疼痛の治療に際しては、心理社会的要因を考慮した集学的治療が必要であり、脳科学との深いつながりがあることが明らかになっています。


感想


慢性疼痛は、緊急の課題であるという指摘があった。そのとおりである。

二人の講演については、詳細なハンドアウトが配布された。名市大のこの研究については、昨年、NHKのためしてガッテンの番組でも紹介された。


ACT-Japan学会の案内で参加した。
酒井美枝先生の発表は、ACTによる痛みの改善の実践的症例の発表であった。
酒井先生は、ACT事例研究の実践において、日本における先端を行かれる研究者。

アクセプタンス・コミットメント―セラピーの実践例で見事なものである。
疼痛へのアプローチは、CBTによるアプローチもあるが、ACTによるアプローチも多くなった。
ACTの実践に関しては、相当な事前の勉強が求められる。

認知・行動療法学会でいくつかのシンポジュームで毎回、疼痛が取り上げられる。今までにスクールカウンセラーとして、勤務していた時にも体験した。その時は、学会での発表を聞いていたので、CBTによるアプローチを活用することができた。
疼痛のクライエントに必ずと言ってもよいくらい出会う。
 
慈恵医科大学の加藤総夫先生の発表は、難解な内容であった。

医師も痛みの患者に対して、相当苦労している実情だ。薬で何とかしようという気持ちが強い。しかし、心理社会的アプローチが大切だという認識が強くなった。

成育歴の中の不適切な養育、虐待など辛い体験を持つ人が多いということも指摘されている。解離性障害の臨床的兆候の中には、「難治性の頭痛、医師が説明できない身体愁訴や疼痛を持ち、・・・」という項目がある。EMDR療法に携わる関係者は、慢性疼痛に出会う機会が多いのでなだろうか。

ICD-11では、痛みの定義が変更になったことが紹介された。

医学用語では痛みのことを『疼痛(とうつう)』と表します。

国際疼痛学会では疼痛を“実際に何らかの組織損傷が起こったとき、あるいは組織損傷が起こりそうなとき、あるいはそのような損傷の際に表現されるような、不快な感覚体験および情動体験”と定義しています。

また、疼痛のなかでも、薬物療法等の治療では完全に取り除くことのできない痛みを難治性疼痛といいます。


パネルディスカッションでは、内容が砕けた感じであった。司会者が、テーマごとにパネラーの考えを聞いていく形であった。

テーマ:「慢性疼痛の情緒的な側面と心理的介入の意義」、「痛みの定義」、「慢性疼痛の中枢機序」など。

まだ痛みの研究は、脳科学の分野で、まだ本当に未開拓の分野で研究が始まったばかりという感じだ。

痛みの研究者から次のことが指摘されている。

「治療法の確立が望まれる難治性疼痛

難治性疼痛は、原因やメカニズムなど明らかになっていない部分も多く、現時点では治療法が確立しているとはいえません。

難治性疼痛の治療薬の副作用を恐れる患者さんも多く、副作用の少ない薬の研究・開発が望まれています。
これからの医療はコミュニケーションが大事になる。

私たちは、患者さんの病気だけに目を向けるのではなく、患者さんというひとりの人間と向き合うことを心掛けています。医師と患者さんが時間をかけてしっかりとコミュニケーションをとることは、治療において非常に大切なプロセスだと考えます。」


最後に、日大の加藤 実先生がまとめをされた。医師として、これまでどのように取り組みがあったかなどを述べられた。

参加者は、80名以上だった。医師、心理職など。会場はいっぱいだった。

会場のJPタワーに初めて行った。名古屋駅を桜通り口から出て、エスカレーターでJRタワーに入って、探したが、どこにJPタワーがあるのか迷ってしまった。警備員がちょうどいたので聞いたら、この会合の案内人を指して、「あの人に聞いてください」と教えてくれた。

ちょうどその人が、名古屋市立大学の関係者であった。親切に教えてくれた。その人も、「このビルの中は、本当に分かりにくいです」と言っていた。名市大の学長も挨拶の中で、「みなさん、この会場にまっすぐに来られましたか、分かりにくいですね」と言っていた。

いったん覚えてしまえば、行けるところだ。昔、中央郵便局があったところが変わってしまった。名古屋駅にあった松坂屋もなくなった。
新幹線側の外から見ると、JRタワーとJPタワーが接続していることが分かった。

JPタワーの中に、「名市大ミッドタウン名駅サテライト」があることもびっくりした。

JRタワーの呼称については、「JRゲートタワー」と呼ぶ人たちがいる。この中に事務所を持つ会社の人たちである。

確かに、太閤口(たいこうぐち)から出て新幹線側からこの建物を見ると、JRゲートタワーと書いてあるのが見える。






posted by 花井英男 at 20:13| 日記