2020年01月31日

「赤毛のアン」初の全文訳 松本侑子さん 作家・翻訳家

「赤毛のアン」初の全文訳 松本侑子さん 作家・翻訳家


新聞赤旗日曜版(2020年2月2日)で、上の見出しをよんで、思わず、一気に読んでしまった。朝食を終えて一服しているときだった。

「知的な大人の文学 ケルト民族、キリスト教、戦争」という見出しが出ていた。また、「村岡花子版は抄訳だった」という見出しも出ていた。

村岡花子訳を読んだ読者の持つ素晴らしい読後の感想は、国語の女性の先生、親類の女性からも、聞いたことがある。私は、村岡花子訳を読んだこともない。

この記事によると、松本侑子さんも中学時代から村岡花子訳の古風な美しい「アン」を愛読してきたという。松本侑子さんは、新訳を頼まれたとき、「村岡花子先生の名訳がございます」と辞退したという。

しかし原書を読んで、大幅な省略と改変があることを初めて知った、という。昔の翻訳は長い西洋文学の面白いところをつなぐ省略と西洋の品々を日本的なものに変える改編が一般的だったのだ、という。

これは昔の日本人読者には必要な改編だった、と松本はいう。しかし、今は全文訳が必要だ。そこで原書に忠実な初の全文訳をさせていただくことになった、という。

そもそも、松本侑子とはどんな人物だろうと思った。ウィキペデアを見ると、英文科出身ではない。すごい人だ。

松本によれば、詩句の引用では、ブラウニングの詩に始まり、シェイクスピアの「ハムレット、「ジュリアスシーザー」、バイロンやワーズワースの詩など英文学と聖書の句が100か所登場する、という。

さらに、次々と記事を読んでいくと、興味をそそる記事がいっぱいだ。カナダは、移民からなる多民族国家で、スコットランド、イングランド、アイルランドの歴史を持つこと、ケルト族のこと、アーサー王伝説などが出てくる。

「アン」を書いたとき、モンゴメリーは、牧師と婚約中で、キリスト教文学でもある、という。聖書の言葉や、聖杯探索も出てくる、という。当時のカナダの政治状況も出てくる。「アン」は児童文学でも少女小説でもない、という。

シリーズ全8巻は、「アンの女の人生と、カナダ社会の変化を描いた大河小説だ」、という。第8巻では、カナダは第1次大戦に突入、50代になったアンの息子3人は、欧州の戦場に出征、一人は戦死する。イギリス政府の戦時スローガンも出てくる戦争文学だ、という。

松本は、「アンの青春」、「アンの愛情」、「風柳荘のアン」まで訳し、各巻に作中の英文学、民族とケルト、キリスト教、政治、衣食住を解説する訳注を300以上つけた、と述べる。
松本侑子は、「日本初の全文訳で心豊かな文学「赤毛のアン」をお楽しみいただきたい」、と記している。

この記事を読んで、私の興味関心と同じ方向であると思った。楽しみができた。

いつかゆっくり読みたい。

赤毛のアン (集英社文庫)
ルーシー・モード・モンゴメリ (著), 松本 侑子 (翻訳)

アンの青春 (文春文庫)
L.M. モンゴメリ (著), 松本 侑子 (翻訳)

アンの愛情 (文春文庫)
L.M. モンゴメリ (著), 松本 侑子 (翻訳)

風柳荘のアン (文春文庫)
L.M. モンゴメリ (著), 松本 侑子 (翻訳)










posted by 花井英男 at 10:31| 文学・芸術