2018年07月13日

T.S.エリオットの詩を読む  中日文化センター



このたびの西日本豪雨災害の皆様にお見舞いを申し上げます。


T.S.エリオットの詩を読む
―20世紀モダニズム研究―

Part V(7月〜9月)
講師:岩崎宗治 名古屋大学名誉教授 文学博士
開講日:第2・4木曜日 13:30〜15:00

テキスト
 T.S.エリオット 『四つの四重奏』 岩崎宗治訳(岩波文庫)2011   または、

T.S.エリオット 『四つの四重奏』 岩崎宗治訳 (国文社)2009

T.S.Eliot  Four Quartets (London  Faber and Faber 1944,2001)

中日文化センター
2018年7月12日(木)

Four Quartets を読む
“Burnt Norton” T〜U


今日から一人男性の参加者が増えた。私が、この講座に参加する前にすでに参加していた方だ。私の隣に座った。講座のことを聞かれるので、7月〜9月の予定表を見せて、話していたら、他の参加者が次から次へと、席の案内やら、テキストの案内を親切にテキパキと教えられた。英詩の好きな方のようで、エリオットの分厚い詩集を持参されていた。



岩崎先生から、ハンドアウトが1枚出された。
その中には、Burnt Nortonのthe rose gardenの写真,
詩の、Dry the pool,dry concrete, brown edged の光景のカラー写真、
Emily Hale の2枚の写真、
本、”Painted Shadow A Life of Vivienne Eliot”のカバー写真。
これらの資料は、エリオットの伝記と今日の詩に関わる重要ものであった。



講義の内容
Burnt Nortonを読み始める前に、岩崎先生から、「これは難しい詩である。」と。
モダニズムについて話された。こえは建築界での用語である。


新しいものの主張である。古いものをこわす。伝統破壊。建築の世界で機能主義的建築をめざすもの。生活に役立つ建築形式を求め、形が簡単、装飾がない。幾何学的。

この傾向が表れている作品を列挙された。フォークナーの小説にあらわれている。E.E.カミングの詩、ジョイスの「ユリシーズ」、「ダロウェイ婦人」、などに、意識だけが出てくる、物語のシークエンスをこわす。
エリオットの「荒地」は、ユリシーズをまねた。

エリオットの生涯に触れた。
エリオットの最初の結婚はひどいものであった。「荒地」を書いたとき、エリオットも不安定だった。妻・ビビアンは、心を病んでいた。エリオットは心労が重なり、苦境に陥り、結婚は失敗だった。

中略。

エリオットは、若い時、エミール・ヘイルと付き合っていた。誰も結婚する仲だと思われた。しかし、エリオットは結婚しなかった。

ハーバード時代の恋人であった。彼女は、女子大の先生になった。長く文通は続いていた。
2020年に書簡が公開されるという。

エリオットは、ヘイルをイギリスのノートンのカントリーハウスに案内した。カントリーハウスとは、地方の3階建の貴族の邸宅。女王が来た時に3階でもてなす家だという。
ある事情で、このカントリーハウスが燃えてしまった。


Burnt Nortonの中で、ヴィヴィアン、エミリーのことを書いていると思われる。

バーント・ノートンの詩の最初の部分は、次のような内容。


現在の時間と過去の時間は
おそらくともに未来の時間のなかに現在し
未来の時間はまた過去の時間のなかに含まれる。


あらゆる時間が永遠に現在するとすれば
あらゆる時間は償うことのできぬもの。


こうもあり得たと思うことは一つの抽象であり
永遠に可能以上のものではなく
ただ思念の世界にとどまる。


こうもあり得たと思うことと、こうなってきたこととは
つねに現在する一つの終わりに向かう。



この詩の内容は、「私たちの時間の中には、自由はない。
未来は制約されている。」ことを示しているのではないか。


イギリス国教会の信仰を持つ、エリオットによれば、
私たち人間存在(Nature)は神の恩寵(Grace)の中にある、と思われる岩崎先生は話された。


エリオットのバーント・ノートンの最初にT〜Uは、このような内容であった。


講座の後は、久しぶりに、喫茶店で3人で2018ロシアワールドカップの
サッカーの試合の感想、講座の内容についてざっくばらんに話した。




posted by 花井英男 at 19:23| 文学・芸術