2018年02月12日

行動療法コロキウム’17 in 三浦海岸

行動療法コロキウム ‘17 in 三浦海岸

主催 認知・行動療法学会

日時:2018年2月10日(土)-12日(月)
場所:神奈川県三浦市 マホロバマインズ ホテル

実行委員長  岡嶋美代
実行委員は、大学教員、医師、臨床心理士、早稲田大学鈴木伸一研究室院生など20名

参加者は100名

事例検討
8つの事例に対する行動療法が発表された。

@生霊に取りつかれたと訴える女性
A抜毛に悩む女性

B職場復帰困難者
Cパフォーマンス不安などの症状の音大生

D不潔恐怖・洗浄恐怖の中学生
E常同行為と強迫行為を区別するー知的障害を伴う強迫性障害児童

F心理教育と周囲の支援によって落ち込みを改善した女子高校生
G1回の訪問の行動療法で不潔恐怖を改善した例

コメンテーターは、
高橋史 信州大
大野裕史 兵庫教育大

神村栄一 新潟大
別所ちさと 福井大

井宏明 TBCセンター顧問
小林重雄 筑波大名誉教授

鈴木伸一 早稲田大
松見淳子 関西学院大




病院臨床、学校臨床 家庭訪問の臨床、私設相談室、動画通信による海外の人への臨床などであった。

いずれもデータをだし、エビデンスを証明しようとしている事例ばかりだ。
ほとんどが若い臨床心理士のものばかりである。
行動療法による改善事例であった。充実した発表事例ばかりだった。

一つの事例発表に対して、45分の発表時間、10分のグループ討議、5分の質問応答、10分のコメンテーターのコメントという構成であった。

コメンテーターは、1名の医師、原井先生と残りは大学教員であった。
大学教員は皆、実践をしている人ばかり。素晴らしい指摘だと感心した。
臨床実践そのものの見事さに感心したが、
コメンテーターのその上を行くコメントにすごいと思った。



特別企画として、「条件反射制御法を現代学習理論で語る」
話題提供:岡嶋美代(BTCセンター名古屋)、原井宏明(医師)、

シンポジスト:首藤祐介(広島国際大)、
司会:山本哲也(徳島大)


この技法は、平井慎二(医師)国立病院機構下総精神医療センターの実践の紹介である。
くり返す性依存障害、物質使用障害に対する効果的治療法である。

ビデオは、いくつかぼかしてあった。若い女性参加者を考慮していたようだ。
これは、以前に、NHKのニュース番組で紹介されたことがある。

首藤先生らの難しい理論説明をされた。私には理解できない。しかし、実践方法は簡単であり、効果的な治療法である。しかし、少し時間がかかると思われた。


もう一つの企画は、昨年亡くなられた、久野能弘先生(中京大教授・金沢大学名誉教授)の追悼シンポジウム。先生のエピソードが語られると、笑いとどよめきが起こる。

追悼シンポジウム
久野能弘先生を偲ぶ

シンポジスト:小林重雄(筑波大名誉教授)、嶋崎まゆみ(兵庫教育大)、
        石川健介(金沢工業大)、柳沢博紀(犬山病院)、

コーディネーター:米山直樹(関西学院大)
メッセージ:奥田健次、仁藤二郎




私は、久野先生には親しくして頂いた。
先生のエピソードが沢山語られた。


歯に衣着せない人だったので、エピソードがありすぎるほどの人だ。
すばらしい研究者を生み出した。今は教え子が、研究者として、日本の行動療法を指導していると言える。


嶋崎まゆみ先生の語るエピソードは面白かった。
「クライエントの子どもを泣かせるな」と言って、自らの体をおもちゃにして、子どもと遊んだという。子どもを泣かせなかったという。


障害児を抱える母親に対して、「何か趣味を持っていますか」と問いかけた。障害児を抱えて、趣味など持てるはずがない状態だ。
お母さんたちは、わっと泣きだしてしまう。


先生は、院生たちに、非常に厳しかった。
嫌子刺激を嫌う、行動分析・行動療法であるのに、人格的に、相反する接し方をする研究者が多いのが実情だ。先生もその一人だ。


先生は、絶対に学生に答えを教えなかったという。
それで学生を鍛えた。


行動療法以外の大学教員の中には、久野先生の言動を見て、行動療法の学者はこういうタイプの人間かと思う人がいたそうだ。


教え子も、後任の行動療法の先生も、人格者ばかりだ。


久野先生に限らず、学者の中には、癖のある人物がいる。
追悼記念に、クリアファイルが配られた。先生の語録と先生の写真つきだ。
先生、天国から、私たちを見守ってください。

先生が亡くなられたことを知らなかった。昨年亡くなられた。久野先生は、関西学院の博士課程単位取得。
関西学院の松見淳子先生は、関西学院がこのような学者を出したことは誇りになると言われた。

久野先生が、在職中は、毎月、中京大で、研究会が開催され、私は参加するのが楽しみであった。
私は、大学院在学中から、この会合に出席した。それで、中京大の院生と仲良くなった。いまでも、お世話になる。

先生の最大の功績は、行動療法学会を立ち上げ、行動療法コロキウムを立ち上げたこと。日本の研究者を育てたこと。黎明期の行動療法を見事に築いた。精神分析一辺倒、来談者中心療法一辺倒だった、世界に行動療法を築き上げたこと。

公認心理士の心理療法の分野に、認知行動療法があるのは、久野先生のお蔭だ。

今回のコロキウムには、100名以上の参加と20名のスタッフがいた。
会の運営がすばらしかった。
全国の国立大学、私立大学の研究者がおり、臨床心理士もたくさんいる。今回の参加者は、若い人たちが圧倒的多い。今回の参加者は、大学の研究者に参加、医師の参加が目立った。

その中で、徳島大の若い研究者の山本哲也先生が、私に、「コロキウム in 宮崎(2007)で、発表されましたね」と声をかけてくれたのがうれしかった。私は、11年前に、スクールカウンセラーとして、中学生の再登校支援の発表をした。

ちょうど、恩師の小野昌彦先生が、宮崎大にいたので、コメンテーターをお願いした。
よくも、覚えていてくれたものだ。大変品にいい、紳士の山本先生から、親しく、声をかけて頂いたのはうれしかった。研究者の中には、こんないい人ばかりではない。


帰りに、京急の三浦海岸駅で、小林重雄先生に挨拶した。小林先生の弟子の「小野昌彦先生のもとで勉強しました」と伝えた。先生は、愛知県小牧市で、活躍中だ。82歳だ。まだ若若しいお顔だ。私は、78歳だ。
小林重雄先生も、日本の行動療法学会を立ち上げた功労者だ。今日の行動療法の基礎を築かれた。筑波大で沢山の研究者を輩出した。

コロキウムで学んだ内容は、宝である。

今回のコロキウムですばらしかったのは、発表者に対して、研究者が、ぼろくそにけなしてしまう傾向が、今までにあったことを反省して、参加者のグループ討議をして、発表者にお土産を渡すことにしたと言う企画である。岡嶋先生のこの企画説明は、素晴らしいと思う。大きな改革である。


京急の「三浦海岸」駅は、河津さくらが5分咲きで、三浦海岸さくら祭りの「お迎え式」をしていた。
駅前には、テントの店が沢山でて、にぎやかで、私は、昼食は、煮つけの魚を、350円で買って食べた。

今回のコロキウムでは、東京の原田憲明先生には、久しぶりにお会いし、3日間、親しく、話ができた。いろいろ言葉を毎日、かけて頂き配慮していただいた。有難うございました。

3日間、同室の、新潟の後藤さん、東京の有薗さん、千葉の奥田さんとは、3日目の朝は、朝食前に、三浦海岸に出かけた。強風注意の電光掲示板が出ていた。朝の三浦海岸にしばらく滞在した。

来年のコロキウムは、北海道の予定と決まった。坂野雄二先生とお弟子さんの研究者のいる北海道だ。










posted by 花井英男 at 19:32| 認知行動療法