特集 統合失調症 統合失調症について
とくに早期介入やリカバリーの視点から理解を深めていただくために
松本和紀 こころのくりにっく OASIS院長
前東北大学精神神経学分野准教授
最近、私は勤務する心療内科においてある、パンフレット、にっせいしん、2025.Feb.17 特集/統合失調症を読んだ。この記事の中で、最近の統合失調症についての、最新の知見、というか、新しい統合失調症についての見解を読んだという、感想を持った。
それは、図2 精神症体験の連続体モデルである。連続体モデルというのは、最近、スペクトラムという言葉で盛んにつかわれる。疾病の症状のいろいろな状態の表現の仕方を、連続体として表現する言い方である。
それは、軽いものから言えば、精神症様の体験8%、精神症の症状を体験4%、精神症(精神症性障害)3%、統合失調症0.3−0.9%、というものである。
この記事の中で、前触れの時期・リスク状態という表現に注目した。少し長いが、文章を引用する。その中に、希望の持てる表現を見つけた。
「この状態から実際に統合失調症などの精神症になる人は、全体の四分の1〜三分の一程度です。すっかり良くなる人もいますが、うつ病や双極症、不安症などになる人も多くいます。」
この表現の中の、「すっかり良くなる人もみえます」、という表現に希望が持てる。
「初回エピソード精神症」
記述をもう少し紹介する。「生涯で始めて精神症の症状が明らかに続く状態は、初回エピソード精神症(以下初回精神症)と呼ばれる。初回精神症は、短期的な経過は良好なことが多く、数週から数か月ですっかり良くなり安定する人もいます。」
私は、ここの部分の表現に注目した。
さらに、次のような、にっせいしんのブックレットの統合失調症についての最前線の学問的な記事を見つけた。
それは、図2 精神症体験の連続体モデルである。連続体モデルというのは、最近、スペクトラムという言葉で盛んにつかわれる。疾病の症状のいろいろな状態の表現の仕方を、連続体として表現する言い方である。
それは、軽いものから言えば、精神症様の体験8%、精神症の症状を体験4%、精神症(精神症性障害)3%、統合失調症0.3−0.9%、というものである。
この記事の中で、前触れの時期・リスク状態という表現に注目した。少し長いが、文章を引用する。その中に、希望の持てる表現を見つけた。
「この状態から実際に統合失調症などの精神症になる人は、全体の四分の1〜三分の一程度です。すっかり良くなる人もいますが、うつ病や双極症、不安症などになる人も多くいます。」
この表現の中の、「すっかり良くなる人もみえます」、という表現に希望が持てる。
「初回エピソード精神症」
記述をもう少し紹介する。「生涯で始めて精神症の症状が明らかに続く状態は、初回エピソード精神症(以下初回精神症)と呼ばれる。初回精神症は、短期的な経過は良好なことが多く、数週から数か月ですっかり良くなり安定する人もいます。」
私は、ここの部分の表現に注目した。
さらに、次のような、にっせいしんのブックレットの統合失調症についての最前線の学問的な記事を見つけた。
ブックレット にっせいしんの2011.2No.3の記事
「統合失調症の疾病感の変化と早期支援」
西田淳志 東京都医学研究機構・東京都精神医学総合研究所
2011年の記事というと、
ずいぶん古い記事になるが、最前線の内容の記事だと、私は思う。
この論文の中で、「悲観的な疾病イメージ」の見出しで、筆者は、「固定的・悲観的疾病イメージは、治療者から患者・家族への病名説明を躊躇させ、それが心理教育の不足、治療継続性の低下に結びついていました。」と記述している。その通りだろう。
「世界各国の早期支援サービス」の中で、「イギリスなどでは、この10年間に全国的に早期支援サービスが普及されました。」とある。
更に、「最新の研究成果では、発病後2年間の集中的な認知強化療法によって、病初期の脳構造変化を減少させ、症状や機能改善に有意に影響を与えることが明らかになっています」
「イギリス、ウスター州などの専門サービスは、約50%のサービス利用者が、復学・復職を達成したとする報告をしています。」
「こうしたサービスを日本でも実現し普及するためには、医療スタッフの努力のみならず、制度として整備をすすめる必要があります。」
とこの著者は、書いている。
ずいぶん古い記事になるが、最前線の内容の記事だと、私は思う。
この論文の中で、「悲観的な疾病イメージ」の見出しで、筆者は、「固定的・悲観的疾病イメージは、治療者から患者・家族への病名説明を躊躇させ、それが心理教育の不足、治療継続性の低下に結びついていました。」と記述している。その通りだろう。
「世界各国の早期支援サービス」の中で、「イギリスなどでは、この10年間に全国的に早期支援サービスが普及されました。」とある。
更に、「最新の研究成果では、発病後2年間の集中的な認知強化療法によって、病初期の脳構造変化を減少させ、症状や機能改善に有意に影響を与えることが明らかになっています」
「イギリス、ウスター州などの専門サービスは、約50%のサービス利用者が、復学・復職を達成したとする報告をしています。」
「こうしたサービスを日本でも実現し普及するためには、医療スタッフの努力のみならず、制度として整備をすすめる必要があります。」
とこの著者は、書いている。
引用は、以上です。統合失調症についての明るい知見を読んだ、という感想です。
世界の最前線の進捗状況を知ったという感想です。日本でも、このような医療サービスが行われることを期待します。
すばらしい内容の記事でした。
にっせいしん事務局からから、後半の記事/ブックレット にっせいしんの2011.2No.3をメールで送って頂いたことにお礼を申し上げます。
にっせいしん=社団法人 日本精神神経科診療所協会