不登校の専門家資格創設が必要です!
2024年11月1日の、ある新聞の記事の大きな見出しとして、次のものがありました。
「不登校41万人超
過去最多を更新」
ここで、ずいぶん昔の産経新聞の記事を紹介します。
この記事の内容は、臨床心理士という資格のみが存在した時代の記事の内容です。しかし、現在の状況、臨床心理士(民間資格・文部省管轄)と公認心理師(国家資格・厚生労働省・文部省管轄)の併存状態の中でも、変わりはありません。
記事の内容の趣旨は、「スクールカウンセラーの専門家資格の創設」です。特にSCが、不登校の児童生徒の再登校支援の内容の部分を含んだ専門家資格です。専門家資格の内容は、記事の中では触れられていません。私はあえて専門家資格の内容として、提案しているのは、研修内容として、行動療法の内容です。不登校の再登校支援の科学的支援方法として、筑波大学で、数十年前から確立している行動論の基づく支援方法です。
さらに、それに加えて、専門家資格の内容として、トラウマ症状からの回復の心理療法も加えたいと思います。学校での教師の暴言、児童・生徒によるいじめ、家庭環境での保護者、兄弟などによる虐待被害の経験、目撃経験を持つ児童生徒が増えています。虐待の被害者の保護者が、子供を育てている場合があり、子供が2次被害を受けている場合があります。
トラウマ治療の心理療法としては、沢山あります。私は、EMDR療法、ブレインスポッティング療法、ボディコネクト療法、USPT療法、行動療法などの研修を受けました。ほかにも沢山さんあることは承知しております。研修を受けるための料金はそれなりにかなりかかります。専門的心理士として、クリニックや、SCとして学校に勤務するなら、最低限、これくらいの資格は必要であると思います。認知行動療法は、厚生労働省は、治療効果があると認めております。精神分析の治療効果は、認められておりません。
ここから、産経新聞2021年11月5日金曜日の記事を、そのまま、紹介します。どうして、この記事を紹介するか、私の気持ちを述べます。
私が、臨床心理士の資格をとるために、臨床心理士養成大学院を修了後、1年間、奈良教育大学大学院教育学研究科の小野昌彦先生のもとで、不登校の子供の再登校支援の研修を受けました。理由は、スクールカウンセラーとして、不登校の子どもの支援をする準備のためです。
臨床心理士養成大学院の行動療法の授業の時に、小野昌彦先生は、日本で行動療法による不登校の子供の再登校支援の屈指の研究者だということを知ったからです。名古屋での日本教育心理学会(国際会議場)にポスター発表に来ている小野先生に、奈良教育大学大学院入学の意思を伝えました。
その小野昌彦先生の見解が産経新聞のっているので、貴重な記事であるので、紹介します。
記事の内容には、すべて賛同するわけではありませんが、重要な内容もありますので紹介させていただきます。
記事の見出しと内容は、次の通り。
学校カウンセラー配置3万件
不登校増
歯止めならず
専門家資格の創設検討必要
なぜ、スクールカウンセラー(SC)を頼れる環境があっても、安心して学校に通い続けられる子供が増えないのか。
元中央教育審議会副会長梶田叡一氏(心理学・教育研究)は、SCという固有の資格の創設を検討する必要もあると指摘する。SCに特化した国家資格はないが、臨床心理士の資格を持っているケースが多い。
一方で、梶田氏は「臨床心理士とSCとでは必要な技能が異なるということが理解されていない」と話す。臨床心理士が医療機関などで担うカウンセリングでは、相談者の話を傾聴してアドバイスをしないのが一般的。
(筆者の見解:「傾聴してアドバイスをしない」ということは、一部にはあるかもしれませんが、むしろ、クライエントの症状を把握して、いろいろな心理技法を使うのが効果的だと、私は思います。)
(筆者の見解:スクールカウンセラーの不登校に関する、「専門家資格の創設検討必要」という部分に、私は、大いに賛同します。だから、この記事を紹介します。)
一方で文部科学省はSCに対して、児童生徒にカウンセリングを行い、保護者に問題解決に向けた助言をするよう求めているが、話を聞くだけで助言しないSCが目立つという。
2年前の夏当時中学1年だった長女(14)が体調不良を訴えて学校に行かなくなった愛知県の女性(53)SCと半年間、SCと面接を続けた。だがSCは毎回「本人が登校する気になるのを待つしかない」と繰り返すだけで、「何をして待てばいいのか分からなかった」と振り返る。
焦った女性は不登校を支援する民間の専門家を頼った。そこでは学習のつまずきが原因だと判断され、長女は算数の復習や生活リズムの改善などの取り組み、3学期から学校に通えるようになった。今も明るく登校しているという。
30年以上にわたり不登校の児童生徒の復帰を支援する明治学院大学の小野昌彦教授(教育臨床心理学)は「SCの人数は増えたが専門性の低い人が多い」と感じている。保護者がSCに頼り、面談を重ねても具体的な分析やアドバイスもなく、やがて子供が完全な不登校になるー。そんなケースが後を絶たないという。
こうした状況の背景には、SCの養成体制の脆弱さがある。SCに特化した養成は行われておらず、各自治体が採用後に開く研修会は講演会などが多いため実践的な指導法を学ぶのは難しいのが現状だ。梶田氏はSCになる前に大学などで履修する専門的なカリキュラムを作ることも必要ではないか」としている。
以上が、産経新聞、2021年11月5日の不登校に関する記事です