2024年07月29日

3つの研修会に参加して

愛知県臨床心理士会研修会、東海EMDRの研修とEMDR学会継続研修に参加して


 7月7日、14日、27日―28日と研修会の連続であった。県士会の研修後、大学院時代の若い仲間とお茶会をして、来年は仲間を増やして会おうということになった。その後、小野先生から監修した本の紹介をしてもらい、友人に紹介した。それに対して、友人たちから、喜んでもらえた。国立京都国際会館で偶然出会った、行動療法専門の関西の友人に小野先生の本を紹介して、喜んでもらえた。まさに、学問の世界は、日進月歩だ。

 東海EMDRでの研修では、強迫性障害の新しい治療法を、岡嶋美代先生から教えていただいた。秋に開かれる、認知行動療法学会の教育講演の内容を、事前に発表された。まさに、学問の世界は、日進月歩だ。新しい知見が、どんどん出てくる。ボーとしておられない。

 27−28日のEMDR学会は、午後3時半から、夜10時半までの時間帯で、オンデマンドで講演を聞いた。イギリス時間に合わせるために、この時間帯になった。270頁にわたるテキストで、「ADHDやASDといった神経多用性の特徴を持つ子どもへのEMDR」という内容の講演であった。分かりやすい、内容であった。

 講演中にも、資料の情報が入るので、どんどんプリントアウトした。素晴らしい内容であった。アップデートの英文研修資料を手に入れることができた。IGTPの資料:The EMDR Integrative Group Treatment Protocol for Early Intervention with Childrenの内容は、災害直後の状況での児童、成人にも適用できる、グループ治療の内容である。

 
 研修講師は、スーザン・M・ダーカースミス先生。発達障害専門の研修内容であった。先生は、EMDRヨーロッパ公認のChild & Adolescent Training(子供と思春期訓練)のトレーナー&コンサルタント。若いころ、バレーリーナであった。長い間、発達障害の人への実践経験を持つベテランだ。ADHDなどの発達障害の子どもへのナラティブの内容を具体的に提示してくれた。研修後、参加者に配布してもらえることになった。発達障害の子供へのアピローチがこんなにも進んでいるのか、という思いだ。資料の届くのが楽しみだ。






posted by 花井英男 at 16:40| 研修

2024年07月23日

不登校の9割は親が解決できる

本の紹介

「不登校の9割は親が解決できるー3週間で再登校に導く5つのルール」小川涼太郎著
明治学院大学教授 小野昌彦監修 PHP研修所 1600円


 2023年度愛知県臨床心理士会1日研修会の分科会 「不登校の現状と行動療法による包括的支援」の講師小野昌彦先生、明治学院大学教授(博士・筑波大学)の講演をいただきました。
分科会には102名の参加を頂き有難うございました。 

 小野昌彦先生が、講演の中でお話しした、母親指導で再登校に導くスダチさんの支援(小野昌彦先生が顧問)ですが、3年余りの活動で再登校数が1,000名を超えました。そこで、その活動を小川遼太郎著、小野昌彦監修で以下の本として刊行されました。

 小野昌彦先生から、「5月14日刊行以来、現在まで5刷、1万3千部が売り切れるという状況です。アマゾンのいじめ・不登校部門でも2ヶ月くらい、1位のベストセラーでした。口コミを見ましても、うまく活用して再登校を成功させた保護者の方が多数おられます。愛知県の不登校に悩める保護者の皆様、教職員、教育支援センター職員の皆様等の悩み解消にお役に立てると思いますので、情報提供していただけると幸いです。ご検討の程、宜しくお願い致します。」とメールを頂きましたので、紹介させていただきます。

 著者の小川涼太郎氏は121頁に、次のように述べています。
「最後に少しだけ、この本を監修してくださっている小野昌彦教授による「行動論的な見方」を加えておきたいと思います。実際3週間で9割が再登校できている理由は、ここでお話ししたデジタル制限や正しい生活習慣、家族との食事といった実質的な行動変容を目標とし、それを親御さんが確実に実行しているからだと考えることができます。行動論的な見方では、不登校とは「家庭に滞在し続ける行動」なのですが、それを維持する条件を取り去って、登校をバックアップする条件を強めているのです。再登校できるのには根拠があるのだと思て、安心して取り組んでいただければと思っています」
 
 最後に、著者の小川涼太郎氏は、221頁に、「本書を監修いただいた小野昌彦先生に心から御礼を申し上げます。先生の学術的根拠に基づいたご指導のおかげで、読者の方に信頼いただける本になったと思います。ほんとうにありがとうございました。」と書いておられます。


 瑞穂CBT相談室&ならい心療内科非常勤カウンセラー 花井英男
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posted by 花井英男 at 14:23| 不登校への対応

2024年07月18日

「不登校の 9割は親が解決できる」・・・3週間で再登校に導く5つのルール

「不登校の9割は親が解決できる」
-3週間で再登校に導く5つのルール-

小川涼太郎著


明治学院大学教授
小野昌彦 監修

PHP研究所


私の奈良教育大学大学院時代の恩師、小野昌彦先生(現・明治学院大学教授・博士・筑波大学)から、本の紹介のメールが届いた。その内容は、次の通りです。

「研修でお
話した母親指導で再登校に導くスダチさんの支援(小野が顧問)ですが、3年余りの活動で再登校数が1,000名を超えました。そこで、その活動を小川社長著、小野監修で以下の本として刊行しました。

不登校の9割は親が解決できる 3週間で再登校に導く5つのルール | 小川 涼太郎, 小野 昌彦 |本 | 通販 | Amazon

5月14日刊行以来、現在まで5刷、1万3千部が売り切れるという状況です。アマゾンのいじめ・不登校部門でも2ヶ月くらい
1位のベストセラーでした。口コミを見ましても、うまく活用して再登校を成功させた保護者の方が多数おられます。
 愛知県の不登校に悩める保護者の皆様、教職員、教育支援センター職員の皆様等の悩み解消にお役に立てると思いますので、
情報提供していただけると幸いです。ご検討の程、宜しくお願い致します。」

上記の「研修でお話しした」とは、2023年度、愛知県臨床心理士会1日研修会での小野昌彦先生による、講演、「不登校の現状と行動療法による包括的支援」のことです。102名の方が、参加された。


小川社長とあるから、4,50代の方かと思ったら、なんと30歳のハンサムな青年だ。早速、近くの本屋で、この本を取り寄せ読み始めた。面白くて一気に読んだ

上記の「スダチさん」とは、著者、小川涼太郎の会社名、スダチのことである。小川涼太郎を検索すると、スダチという名前の会社名がネット上に出てくる。不登校の親を支援する、カウンセラー養成講座も経営している。

スダチとは、子供が巣立ちしていく、スダチを意味している。

現在、臨床心理士、公認心理師養成の大学院においては、カリキュラムの中に、行動療法が入れられているが、担当の教員がいないという実態である。日本では、行動療法の研究者が、少なく、配置している大学は圧倒的に少ない。

臨床心理士、公認心理師を養成しても、認知・行動療法を教育する研究者が大学・大学院にいないから、例えば、
強迫性障害の患者を直せる、心理士が圧倒的に少ない。不登校に関しても同じである。

このような現状の中で、彗星のように出現したのが、小川涼太郎さんである。徳島県の城南高校出身で、関西大学経済学部出身だ。

この本で、親が、不登校の子供を解決する方法は、まさしく行動療法のやり方である。臨床心理士・公認心理士師の資格を持たない、経済学部出身の人が、行動慮法のやり方で、親指導をする。よくこれだけの勉強をしたものだ、と感心する。

小野昌彦監修とあるから、この本の中で、小野昌彦先生の文章があるのかと、思ったら、全くない。121頁に「最短で再登校に導く『5つの条件』についてお伝えしてきました。最後にこの本を監修してくださっている小野昌彦教授による「行動論的な見方」を加えておきたいと思います」と述べている。

まったくの素人が書いた、再登校の本です。これだけよく勉強したものだと感心した。専門の小野先生の監修を受けているということが、この本の中身のすばらしさだ。

再登校の指導をする、指導者養成の講座も開いていることにも注意したい。スクールカウンセラ−をしている、臨床心理士・公認心理師に方々に、ぜひこの本を読んでいただきたい。













posted by 花井英男 at 23:03| 不登校への対応