青い目の人形・あいちの会 主催 講演会
「言語、文化の側面から見た
国際交流、異文化理解の課題」
講師:小塚良孝 愛知教育大学 副学長
(博士・言語文化学・大阪大学)
名古屋 栄 中統奨学館
2022年5月22日(日)
「言語、文化の側面から見た
国際交流、異文化理解の課題」
講師:小塚良孝 愛知教育大学 副学長
(博士・言語文化学・大阪大学)
名古屋 栄 中統奨学館
2022年5月22日(日)
青い目の人形・あいちの会 会長の成田君(高校・大学時代のクラスメイト)から電話で、講演会の案内をいただいた。彼が愛教大大学院在学中に指導を受けた、小塚先生(外国語教室)の講演会に来ないかというものであった。深草先生(副会長)にも会えるし、すぐ行こうと思った。
小塚先生は、40代後半の活躍している研究者だという印象だ。大学内で、60余名の外国人留学生を抱える、国際交流の担当者(国際交流センター長)として、難しい問題も紹介しながらの講演であった。
私は、英語教師として勤めた。在職当時、英語は国際語として一番優位に立つ言語として、何から何まで、優先的に扱われる言語として、これでいいのかと、疑問視され指摘される一面もあった。英語以外に当事国の国語を尊重すべきだという趣旨だったと思う。
しかし、小塚先生の講演で、全く新しい考え方に出会った。新鮮な驚きであった。
言語文化学という専門分野からの発言である。私自身は、初めて知った、いくつかの大発見がある。それを紹介します。
@歴史的に見て、500年前、英語は、不毛で粗野な言語と見なされ、問題にする価値もない言語であった。
「英語史」研究社、「英語発達小史」岩波文庫にその記述がある。
私が大学生の頃習った、英語史では、英語はフランス語から60%位は影響を受けていることだった。
AEnglishではなく、World Englishesだととらえるべきだ。インド出身の言語学者B.Kachru(1932-2015)が唱えた。これが、グローバル化の拡大に伴い、今ではスタンダードな「英語」の捉え方になっている。英語の位置づけは、円の中心に、母語としてのEnglish、その周りに、第2言語としての英語(シンガポール、フィリピン等)、第3の円周として、外国語として英語がある、というとらえ方。
World Englishesという実践は、東京外国語大学、神田外国語大学の取り組みがあると紹介された。
⓷政治的公正(Political correctness:PC)という動きの紹介。大学院授業の紹介である。異文化理解を学ぶ授業。外国人児童生徒支援、アメリカの先住民の呼称のこと。ネイティブ・アメリカンというか、アメリカン・インディアンというかなど。偏った社会の見方から取り除こうという傾向。
1960年代からのアメリカを中心始まった性別や人種等による差別的言動を排除しようという運動。
例。Fireman →fire fighter , chairman→ chairpersonなど
このことは在職中に知っていた。
C国際交流業務―悩ましい場面
愛教大への留学。交換留学、教員研修留学生、大学院生など。現在、60人弱。
地域の学校から英語の授業における留学生の参加依頼。
驚いたことに、日本人の間では、お客を招いて、食事でもてなすということは最高のおもてなしであるが、ある国の外国人の場合には、大変失礼な行為だということです。日本人は、留学生を招待し、御馳走し、感想を求めるが、これは、その留学生に対して大変失礼な扱いになることになる場合があると紹介された。驚いた。
D結語:ことば、文化、コミュニケーション
communicationの語源は、14世紀ころのフランス語、ラテン語から借入。
国原吉之助『古典ラテン語辞典』大学書林
*1. 共有すること、共用すること、分け合うこと
*2.伝達、通知
*3. 聴衆(または対立者)の意見を聞くこと
この定義の中の、1.共有すること、共用すること、分け合うこと。 2.聴衆(または対立者)の意見を聴くこと。を改めて、味わいたいと思う。
E結語:ことば、文化、コミュニケーション
*1.ことばと文化の不可分性
*2.他者へのまなざし(自己の意識≠他者の認識)
この定義の中の、1.も2.も味わいたいと思う。他者へのまなざし(自己の意識≠他者意識)に配慮しなければいけない、と思う。
*3.サピア=ウオーフの仮説
1.言語は世界の見方を提供し、母語(の文化)が提供する見方によて話者の思考や行動は一定程度左右 される、という考え方
2.色彩認識→虹の色。文化の中で規定される見え方の例:虹の色
アフリカでは、8色。日本では、7色。アメリカでは、6色。ドイツでは、5色。
インドネシアでは、4色。台湾では、3色。南アジア(バイカ族)2色。
以上が、講演のアブストラクトです。
私は、英語教師として、AET(英米の若いネイティブの教師)と一緒に、授業を積極的に展開した。学校の中で、担当者・係りとしてAETの先生方と接した。
現在、私は、英語を話す人たちに対して、クライエントに英語のカウンセリングを実施しています。ドイツ、イギリス、アメリカ、香港の方々である。メンタルの面では、症状の国際基準として、DSM-5が万国共通なので出来ると思っている。少しでもお役に立てば幸いであると思っています。
英語のカウンセリグをしていますが、私の英語は上手ではありません。あらかじめ用意しておいた必要な質問事項を英語で、症状について質問します。時には、筆談をします。リスニング・アビリティが十分ではないからです。メンタルの症状については、DSM-5という世界基準の診断基準がありますから、外国人でもおなじですから、大丈夫です。
さて、ヨーロッパから来た外国人は、日本の医者は英語が話せないので、不便だと言っています。大学病院の医師でも英語が話せないから、大変不便だと苦情を聞きました。どうか医師の先生方は、優秀な方たちだと思いますから、英語で診察をしてあげてください。
ヨーロッパの医師は、ほとんど英語で診察ができるのだそうです。だから、ドイツでもポーランドでも、英語が話せれば、医師に安心して診察を受けることができるということです。
医師の方たちは、高校時代優秀だったと思います。高校英語の程度の英語でいいですから、外国人に英語で診察をして頂きたいと思います。どうぞ、診察の時に、英語で話しかけていただきますようお願いします。私は、パソコンのグーグル翻訳をそばにおいて、英語で会話をします。便利な道具がです。グーグル翻訳は、かなり正確に翻訳をします。楽しいです。