2021年06月21日

認知・行動療法学会は、認知・行動療法の治療者リストを作ってください

認知・行動療法学会は、認知・行動療法の治療者リストを作ってください



 本日、瑞穂CBT相談室に、兵庫県三宮の女性から、「強迫性障害で困っている。カウンセラーを探している」旨の電話がかかって来た。とっさのことで、困ってしまった。

 岐阜県からは、臨床心理士から問い合わせでカウンセリングを依頼してきます。あるいは、ドクターから、カウンセリングの依頼の連絡が来ます。三重県、岐阜県など近隣の場合、どうぞおいでくださいと案内ができます。

 この時、思いついたのは、「滋賀県彦根のCBTセターに聞いて見てください」だった。滋賀県のCBTセターの方なら、兵庫県の事情に詳しいかもしれないと思いました。CBTセンターは、研修で、時々お世話になっています。研修会に参加した時の印象で、兵庫県、京都方面のカウンセラーは、CBT研修で盛んな印象を持っています。

 EMDR学会は、治療者の全国リストを発表している。大変便利なリストです。1200から1300名くらいの会員がいるので、一般の方に利用できる。ボディコネクトセラピーも、都道府県別に治療者リストを公開している。USPTS研究会も、全国の治療施設を都道府県別に公開している。


 日本臨床心理士会は、全国治療者リストをネット上に出している。「臨床心理士に出会うには」はネット検索すれば、ぱっと出てくる。この治療者リストで、調べれば、兵庫県で探せるかもしれないことに、あとで気が付いた。

日本認知・行動療法学会は、認定行動療法士と専門行動療法士の資格申請の仕組みがある。これは、一般の人に大いに知っていただき、利用していただくことが必要ではあると、私は思う。学会内だけで使っているのはおかしいと思う。認知・行動療法学会は、一般の人に、身近に奉仕できる存在になってほしい。私はこのように思うが、どうでしょうか?

 行動療法士がすべての分野で、認知・行動療法が出来るわけではないと、思う。それぞれが得意分野があると思う。出来る範囲で、社会に奉仕すればよい。





 認知・行動療法学会から、次のような返事を頂きました。有難うございました。

 
「花井英男先生

いつも大変お世話になります。
この度は日本認知・行動療法学会の運営に関するご意見を賜り、誠にありがとうございます。

現在、行動療法士の資格者リストは更新中となっています。
作業が終わり次第再掲載される予定ですので、しばらくお待ちくださいますようお願い申し上げます。

今後も引き続きどうぞよろしくお願い申し上げます。」
 











posted by 花井英男 at 16:08| 認知行動療法

2021年06月18日

ノーベル賞作家カズオ・イシグロを読む     代表作「日の名残り」を中心に


「ノーベル賞作家カズオ・イシグロを読む」
代表作「日の名残り」を中心に

講師:南山大学名誉教授  橋本恵 先生

テキスト:The Remains of the Days   
     Faber & Faber,1989

  「日の名残り」土屋政雄 訳 ハヤカワepi 文庫

木曜日  10:30〜12:00

名古屋  栄  中日文化センター  
  


いよいよ「カズオ・イシグロを読む」が開講になった。1カ月に一回の講義。待ちに待った。「原書を中心に読むが、受講生のレベルに合わせて対応します。」ゆっくりとした話し方で、受講生のほうを見ながら、いろいろと、配慮されながら話される。

初日から、ハンドアウトを10枚も頂いた。参加者は、30名くらいだろうか。大体、50代、60代、70代、80代だろうか。みんな背筋をシャキッと座って聞いている。受講生の名前を一人一人読み上げ、顔を見ていただいた。

「英詩を読む」講座で一緒だった方が一人いた。他はみな、知らない人ばかりだ。大学の時の英文購読では、英語科の学生には、とにかく、沢山英文に接して、ギリシャローマ神話を読めとか、言われたものだ。必用以上に、英文購読の授業受けた。大学時代には、購読が中心であった。

しかし、この講座では、研究者橋本恵先生から、作品の見方、内容解釈、イギリス性と日本性、イギリス史年表、イギリス王室史年表、カズオイシグロについての英文・WikiPedia、The Elements of Fictionなど資料をいただいた。さらに映画も見て、作品鑑賞をすることになっている。

 かつて、日本語訳を読んだときの感想が少しづつよみがえってきた。映画は見ていないので、楽しみだ。
翻訳の巻末にある。丸谷才一の「旅の終わり」の文章は素晴らしい内容だと、紹介した。この小説は、政界の名士、ダーリントン卿に仕えた執事スティーブンの人生を描いている。ダーリントン卿の失敗を救うことができなかったし、自分自身の私生活も失敗だった。

 ダーリントン卿とは戦後、対独協力者として葬り去られる程度の人物にすぎなかった。新しい雇い主であるアメリカ人がイギリス旅行を勧めてくれるところから始まる。その中に、かつての主人のことも、女中頭とのあれこれのことも。その女との長い歳月の後に出会って悲しい打ち明け話を聞き、それを思い出し、自分の生き方を悔いて、旅に終わりに彼は泣く。

 イシグロの小説を書く手法は、ヨーロッパ、イギリスにある伝統的な、滑稽小説の手法であり、ディッケンズの流れを受け継ぐと、丸谷才一は指摘する。当時のロンドンの政界、私生活、公私双方を上手に織り込ませて描く。大英帝国の没落の姿をユーモアのこもった書き方で悲劇を物語っていく。イシグロは、イギリス小説の伝統を学び、上手に描いた、と丸谷才一は指摘する。多分、これが、研究者・橋本恵先生の言う、「イギリス性」だろう。

 研究者・橋本恵先生の言う、「日本性」とは、日本を描いた作品、「浮世の画家」に出てくるのだろうと思われる。いろんな作品を紹介しながら、イシグロの作品の概観を話された。講義の最後には、皆さんが、拍手した。これからが楽しみだ。

 橋本恵先生は、イシグロは、自宅では、両親と日本語でしゃべっていた、さらに海洋学者である父は、自宅では、着物を着ていた、と紹介した。これから、いろんなエピソードが話されるだろう。楽しみだ。イシグロの奥さんは、アイルランド系のイギリス人だと紹介した。



















posted by 花井英男 at 13:47| 文学・芸術

2021年06月14日

世界一番紀行 ボリビア・エルアルト

世界一番紀行 世界で一番標高の高い街〜ボリビア・エルアルト〜
NHK BSプレミアム 6月14日 午後3:50 ~ 午後5:19 (89分)


 仕事の一休みに、たまたま、BSの「世界一番紀行」を見た。南米のボリビアって、どこらへんだろうと、世界地図を開きながら、見た。日本人俳優の男性が、平凡な家庭で短期間滞在し、温かい交流の体験は感動的だった。

 帰るときになって、その俳優は、裁縫が得意なので、その家のミシンを使い、持っていた唐草模様の風呂敷で、娘に帽子を作って贈り物をした。自分のジーパンの腰の部分を切り取り、息子に、肩から掛けるカバンを作ってプレセントした。この俳優は、私が名前を知らない人だ。大高洋夫という俳優だ。

 俳優は、南米の平凡な家庭に滞在した。この家庭のお母さんは、娘時代に母親の泣くのを振り切って、15,6歳の頃に、街に出て、裕福な家で働き、独立を目指してコツコツと努力し、現在の夫をめぐりあい、現在、3人の子どもを育てた。この夫人は、頑張り屋で、ミシンで民族衣装を作る。現在のご主人は、奥さんがまじめだから結婚したと述べた。


 ボリビアの地図を見ると、高地の地方は、茶色になっている。日本の俳優が訪れたところは、庶民の住む標高の高いところである。なんと、標高4000メートル地帯だ。こんな高いところで普通に生活している。富裕層は、国の中でも、それよりも、700〜800メートル標高の低いところに住む。その地域は、道路に関門所があり、警備員が立っている。貧乏人など庶民は住めないし、入ることさえできない。

 俳優など取材陣がいくと、関門の所で、「あなたたちは入れない」という合図を警備員がする。俳優がお世話になった住宅地は標高の高いところだ。そんなに高いところだと、呼吸がしにくいはずだ。一日の温度差が30度だという。そこで、ジャガイモを乾燥させて保存し、小さくなったジャガイモをゆでて戻して食べる。チーズが一緒に食べるとおいしいという。

民族衣装は、原色に近いもので、カラフルだ。一日の温度差が大きく、マイナス15度にもなる。夜には、7〜8枚の分厚い布を重ねて寝る。その布はカラフルだ。楽しみもあり、街に出て、日本で言えば、相撲のような、レスリングのような競技を見て楽しむ。男同士の対戦ではなく、男と女のレスラーが対戦した。驚いた。

 以下は、番組の紹介文。
「南米・ボリビアの首都、ラパスに隣接した標高4150mの台地には、人口89万という大きな都市がある。酸素濃度が地表の約3分の2、一日の寒暖差が30度という環境の暮らしとは?体力自慢の俳優・大高洋夫が徹底取材。(初回放送:2009年)」
 
 以下は、番組の感想文。
「大高洋夫さんが、世界一寒いところと世界一暑いところに行かれた2回がとても心に残っています。それと、大高さんは優しいな、と思ったのが、特技の裁縫でお世話になった家族に贈り物を懸命に作るところでした。」












posted by 花井英男 at 21:55| 旅行