2020年06月19日

見えない虐待、DV

あさイチ プレミアムトーク  杉山春さん

2020年6月19日 NHK


ルポライターの杉山春さんを紹介した。
児童虐待やひきこもりなど、家族の問題を中心に、20年以上に渡って取材を重ねてきた人だという紹介。

虐待やDVなどが増えているのでは、言われている。その多くが家庭の中に隠れ、外から見えなくなっている可能性があると指摘されている。

これは、家庭だけではなく、障碍者を受け入れる施設においても、見えない虐待が行われていると思われる。表面に出ないだけである。弱い立場の障がい者はどこへ訴えていいか知らない。

こういうことは、小学校、中学校、高校、大学などにおいても起きているのだ。こんなことを書くと、あるいは、こういうことを話題にすると、学校の管理職をしていた友人は、「むきになってそんなことは絶対にない」と言ったものだ。

学校の中には、ひどい教員もいるときがある。こどもにひどい発言をする。同僚にも同じような発言をする。険悪な雰囲気がある。管理職は知っているのかどうか知らないが、介入しない。


『ネグレクト 育児放棄―真奈ちゃんはなぜ死んだか』、『児童虐待から考える』など、杉山さんが本を書く中で見えてきた、虐待する親たちの共通点、それは意外にも、「過剰なまでに社会規範に従おうとする生真面目さ」と指摘する。


障がい者施設においても、施設の管理者、職員、ボランティアなどが、自分たちの作った「社会規範」を押し付けてメンバーを管理していることがある。


杉山さんは、自分と自分の親との関係にもゆがみがあったことに気づかされたと述べる。率直な発言である。100点満点の親ななんていない。誰でもそういう親に育てられている。


施設の職員でもそうだ。生い立ちも生まれもそれぞれだ。発言もその人特有の発言になるだろう。間違った発言を聞きながら、障碍者は生活していることもある。障碍者は変だなあと思いながらそういう発言の中で生活しているのだ。こんな身近な虐待を考えてみたい。不信感を持ちながら生活しているのだ。






紹介した杉山春さんの著書
『児童虐待から考える 社会は家族に何を強いてきたか』 朝日新書 2017年
『家族幻想 ー「ひきこもり」から問う』 ちくま新書 2016年
『ルポ 虐待 ー大阪二児置き去り死事件』 ちくま新書 2013年
『ネグレクト 育児放棄ー真奈ちゃんはなぜ死んだか』 小学館 2004年





posted by 花井英男 at 11:20| 子育て

2020年06月18日

歯科医閉院  俳句  五月闇歯科医閉院の掲示あり」

歯科医閉院   俳句 「五月闇歯科医閉院の掲示あり」
  


長い間、お世話になった、歯科医の先生が閉院された。昨年11月8日付で、先生から8020の表彰状を頂いた。私の部屋には、そのとき先生から頂いた額に、表彰状を入れて、飾ってある。長い間、私が健康であったのは歯科医と衛生士のおかげであったとしみじみ、感謝の気持ちがわいてきた。


確か、閉院されたのは、5月ごろだったと思う。突然、人づてに閉院を聞いた。閉院の掲示を見に行った。その時もショックであった。先生には、どのくらいお世話になったのだろうか。ずいぶん長い間お世話になった。その時間をゆっくり考えたこともなかった。考えもしなかった。


まさかこんな時が来るとも思っていなかった。お礼も言うことができなかった。挨拶もしなかった。名残惜しいという気持ちである。私の歯の健康を知らぬ間に維持していたのは、先生と歯科衛生士の先生のおかげであると思います。


歯の磨き方が不完全であると歯科衛生士の先生に行くたびに指摘された。この部分をこういう風に磨くのですと指摘された。私にはきつい指摘であった。この歯科医に行くときは、また言われるという予感があり、覚悟していったものだ。こんな親切な衛生士はいないと思った。

俺の歯の健康のために言ってくれるのだと納得もした。先生からは、「誰でも歯を磨くときは、ゲーと吐きそうになるもんだ」と言われた。この言葉を聞いたとき、「確かにそうだ」と同感した。俺にこんなことを言ってくれると思って、感心した。先生が身近な存在になった。


私の歯の健康のおかげで、現在の私がいるのだと、しみじみ思う。近所の方と、歯科医閉院の話をした。その方も、この先生にお世話になっていた。新しい歯医者を探さなければいけない。どこの歯医者がいいだろうかと、話し合った。いまだに決めかねている。

近くでいい歯医者を探さなければいけない。今までかかっていた歯科医と衛生士の先生に改めて感謝の気持ちを持つこの頃である。今まで本当に有難うございました。お礼を申し上げます。




posted by 花井英男 at 15:20| 健康

2020年06月15日

「発達性トラウマ障害と複雑性PTSDの治療」を読んで

「発達性トラウマ障害と複雑性PTSDの治療」を読んで

「発達性トラウマ障害と複雑性PTSDの治療」  

杉山登志郎  誠信書房

2019年  1800円


この本の内容は、杉山登志郎先生が名市大の医学部の講堂で、東海EMDRの勉強会において、講演された内容である。

母親とか父親が精神疾患、精神不安定、発達障害などの事情で、子どもの養育が適切にできない場合がある。否定的な発言ばかりを子どもに日常的にぶつける親がいる。このような環境の中で、子どもは成長していく過程で正常に発達できないと思われる。情緒的にも認知の面でも、ゆがんで成長していく。

母親、父親が精神障害とか疾患を持っていなくても、「正常」と思われている場合も、「強迫性障害」の疑いのある場合がある。世の中に、いわゆる「正常」と思われる人でも、子どもに、いつも一貫して、否定的な発言をしてしまう方がいる。

このような状況の中で、子どもは親に同調しなければ、自分の安全を保てないので、親と同一化してしまう。このほうが楽である。親とおなじ考え方、感じ方になってしまう。子どもは、親の発言を正しいと思い、生きている。しかし、自分を否定する人格が自分の中に出来上がり、死にたいと思う気持ちが出てくる。楽な生き方ができない状態になる。トラウマの中で生きている。


職場においても、上司とか、同僚などにそのような人がいる。変わったひとだなあと、後で思い出す人がいる。 若い職員に、「半殺しにするぞ」と言う上司とか先輩の人がいるという世の中だ。これはほんの一例に過ぎない。

杉山登志郎先生によれば、精神科医はこのような虐待についての治療に関心がない。虐待を受けて育った子どもの施設に非常勤の心理士しか雇っていないという事情が、こういう子どもへの姿勢の表れだと指摘する。現在は、正規の職員が雇われる状況になってきたが。

臨床心理士についても同じことがいえる。このような虐待とか、不登校に関して、全く知識がないとか、無関心な人がなんと多いことか。「不登校は治らない」と中学校の保護者の講演会で発言している人もいる。


「あとがき」で、杉山登志郎先生は、次のように書いている。「トラウマをめぐる症例のあまりの多さに反して、その治療がいきわたっておらず、誤診や誤った治療があまりにも多見されるからである。」


杉山先生、「安全で有効なトラウマ処理の方法について、この数年、試行錯誤を繰り返してきた」と述べる。
講演会で熱弁を振るわれたのを思い出す。この本では、先生が独自に開発された技法を丁寧に説明している。それだけに読みガイがあった。あの時、先生は、「EMDR学会には、その技法を報告するように言われている」と言われたのを覚えている。


今回、この本を読んでいて先生のご努力に敬意を表したいと思います。




posted by 花井英男 at 22:03| 日記