2018年11月26日

岡山での、日本認知療法・認知行動療法学会に参加

第18回日本認知療法・認知行動療法学会

日時:2018年11月23日(金・祝)−25日(日) 午前8:30〜17:30


会場:岡山コンベンションセンター

JR 岡山駅

参加したプログラムは次の通り。


1日目:11月23日(金・祝)

8:30〜10:20
大会企画シンポジュウム
トラウマ被害と認知行動療法

座長 金 吉晴
1.持続エクスポージャー療法とトラウマからの回復

金 吉晴

国立研究開発法人 国立精神神経医療研究センター



2.複雑性PTSDと感情と対人関係の調整スキル・トレーニングとナラティブ・ストーリー・テリング(STAIR/NT)

加藤 知子

かとうメンタルクリニック

3.トラウマを受けた親子のPCIT

小平 かやの

東京都児童相談センター



10:30〜11:25
教育講演1

座長 北川 信樹
北大通りクリニック

PTSDからの回復

演者:金 吉晴

国立研究開発法人 国立精神神経医療研究センター




12:30〜13:30
ランチョンセミナー1

精神病早期介入―包括的治療とCBTpの可能性


座長 桂 雅宏  東北大学病院精神科

 演者 佐藤 康次郎  岡山県精神医療センター

共催 大塚製薬(株)


13:45〜15:35

自主企画シンポジウム 4

双極性障害の認知・行動病理の
メカニズムとその治療A
―セルフモニタリングに焦点を当ててー

1 セルフモニタリングの基礎と実践:なにをどのようにモニタリングするか?

三田村 仰  立命館大学総合心理学部



2 双極性障害における抗うつ信念と抗うつ行動のモニタイリング

甲田 宗良   琉球大学大学院医学研究科 精神病態医学講座 


3 双極性障害患者の生活習慣
―健常者との比較からー

成瀬 麻夕   東京医科大学 精神医学分野



教育講演 5
ポジティブサイコロジーの立場から
ウェエルビーイングを考える

座長  中野有美 南山大学人文学部人間学科

演者  小林 正弥  千葉大学社会科学研究院




2日目に参加したプログラム

2018年11月24日(土)

大会企画シンポジウム
8:30〜10:20
統合失調症の認知行動療法


座長 丹野 義彦  東京大学大学院総合文化研究科

英国のCBTpの理論と実践

古村健  国立尾張東病院



精神病に対する認知行動療法の新たな展望

耕野 敏樹  地方独立行政法人 岡山県精神科医療センター


指定討論

菊池 安希子  国立精神・神経医療センター精神保健研究所地域・司法精神医療研究部




10:30〜11:30

一般演題(口演)3治療・介入技法1

1.成人ADHD患者に対する認知行動療法のホームワーク提供上の工夫

中島美鈴 他

九州大学大学院人間環境学府・肥前精神医療センター

2.専門家のノウハウを形式化した「AI対話型CBTスキル選択支援ツール」による、スキル習得期の面接トレーニング

山口美峰子 他

NECソリューションイノベータ株式会社イノベーションラボラトリ


3.アトピー性皮膚炎への遠隔オンライン型マインドフル
コンパッション統合プログラム介入研究



12:15~13:15

ランチョンセミナー
岡山県精神科医療センターにおけるクロザビン治療
〜クロザビンはいつ、誰が決めるべきなのか〜

座長 川崎 康弘 金沢医科大学精神神経学

演者  矢田 勇慈  岡山県精神科医療センター
共催  ノバルティスファーマ株式会社


14:15〜16:15
大会企画シンポジウム 13

様々な依存・嗜癖に対する認知行動療法
〜それぞれの特徴とその共通点と相違点〜

座長  澤山 透 北里大学医学部精神科学
橋本 望 岡山精神科医療センター


1. アルコール依存に対する認知行動療法の理論とその技法

澤山 透  北里大学医学部精神科学

2. 行動嗜癖(ギャンブル障害、ゲーム・ネット依存)への認知行動療法の実際

吉野 悟志 独立行政法人 国立病院機構 久里浜医療センター

3. ギャンブル障害について〜英国における認知行動療法の実践から〜

橋本 望  岡山県精神科医療センター

4. 刑事施設におおける性犯罪再販防止指導について
中村 英司  札幌刑務所


16:15〜17:10
教育講演

「自殺対策の認知行動療法」

座長 藤沢 大介  慶応義塾大学医学部医療安全管理部/ 精神・神経科

演者 耕野 敏樹  岡山県精神科医療センター


3日目に参加したプログラム

13:00〜16:00
ワークショップ 16

成人ADHDの認知行動療法

コーディネーター
中島 美鈴 九州大学大学院人間環境学府 /  肥前精神医療センター





参加しての感想


3泊4日の学会参加を、風邪をひかずに無事乗り越えた。
認知療法系の学会に参加した。2〜3週間前に送られてきた抄録集・プログラムを見て参加したくなった。


認知療法系の学会であるが、  行動療法系の学会と同じように面白い。

収穫の大きい学会参加であった。


今回の参加により、新しく学んだことは、トラウマ被害者へのPE、EMDRなどの脱落率が20%近くあることに注目して、工夫された、心理教育療法の分野として、CFT(compassion focused therapy)が英国に臨床心理学者によって、もう20年以上の歴史があることを知った。

その翻訳が日本でも紹介されている。
金剛出版から、
「トラウマへのセルフ・コンパッシション」

「セルフ・コンパッション」


10月26日〜28日、東京での、認知・行動療法学会(行動慮法系)で販売された、
PTG、ポスト・トラウマティック・グロースの翻訳の紹介を知った。

「悲しみから人が成長するときーPTG」 座間書房



倉敷の観光


22日に倉敷の宿に入った。倉敷は、すっかり、観光都市という感じだ。
久しぶりに、大原美術館を訪ねた。若い頃に2度訪れた。数十年ぶりであった。
絵画部門の部屋では、もう古くなって黒ずんだ絵もあった。


何よりも良かったのは、陶芸部門の、浜田庄司、河井寛次郎の部屋の作品群のすばらしさであった。ここでこんなにたくさんの作品が見られるとは思わなかった。
バーナードリーチの作品も出ていたが、余り感激しなかった。


ワークショップについて

ワークショップの料金は、1コマ、9000円は高い。
認知療法系のワークショップは、参加者が少ないためか、料金が高いようだ。


行動療法系のワークショップは、1コマ、6000円だった。参加者が多いから、安くできるのだろうか?


「成人ADHDの認知行動慮法」は、ADHD研究一筋にきた若い研究者の素晴らしい内容であった。
復習をして実践に生かしたい。


大会企画シンポジウムの「統合失調症の認知行動療法」では、古村健先生が、
「英国のCBTpの理論と実践」を発表した。

事前に、メールで古村先生に参加すると伝えた。どんな内容か楽しみであった。
内容は、多分、彼の博士論文ではないかと推測した。

英国を中心とした、オランダなど臨床心理士の取り組みである。
イギリス人の統合失調症の認知行動療法の本を2冊翻訳した。
イギリスにも行っている。

日本でどのように導入するのかが課題だ。

指定討論をした菊池安希子先生も、イギリスに行ったことを述べていた。古村健先生も、菊池安希子先生も頭語失調症の研究者である。

菊池安希子先生が、最新の心理療法を網羅して紹介していたのが、印象的であった。










posted by 花井英男 at 21:06| 認知行動療法

2018年11月17日

藤島九一さんを偲ぶ会

ありがとう 九ちゃん
藤島九一さんを偲ぶ会


2018年11月17日(土)12:00〜14:00

ルブラ王山 7階 アンボメ 

会費  3000円

地下鉄「池下駅」



県立緑丘商業高校(守山区)(現在名・県立緑丘高校)に在職した、旧職員13名と藤島さんの奥さんがルブラ王山に集まった。藤島九一さんを偲ぶ会に、集まった人たちが、一人一人、思い出を話した。一高校教員として生涯を過ごした彼はこういう人であったかと、改めて認識を改めた。素晴らしい会であった。


かつて顔見知りであった人が、すっかり、容貌が皆変わってしまって、昔の面影はなかった。分かったのは、3名だけだった。


受付をしているのは、垣内さんだった。どこの人だろう、と思った。後から、これが垣内さんかと確認して挨拶にいった。久しぶりの再会はうれしかった。幹事役の牧さんはすぐわかった。

加藤真さんは分かった。山本千香子さんはわかった。旧姓杉浦さんは言われて分かった。英語の小林さんは、分かった。英語の雑誌CNNenglishを紹介してくれた。


「ヤマコウ」、「ヤマコウ」と言われた、山本紘司さんは、スピーチの時、「ヤマモトコウジです」と挨拶したら、どよめきが起こった。彼も、顔を見て全く分からなかった。そういえば、面影が残っておるなあ、という感じだった。とにかく、50年以上経っている。


懐かしい話を皆さんがした。心置きなくしゃべった。楽しいひと時であった。
藤島九一さんを偲んで、皆が話した。素晴らしいひと時を過ごせた。


この偲ぶ会のために、牧さんがすばらしい栞を作ってくれた。

ありがとう!!!


全部で18頁。表紙を入れて20頁。パソコンを使わず、皆が、手紙に書いたのをコピーしたものであった。すべて手書きである。

以下紹介します。


内容は、

九ちゃんのバスケットボール部員との写真。昭和43年卒業。

藤島九一
さんのあゆみを生誕から81才までの簡単な、県立高校転任校の歩みなど。

創立当時の、旧守山市の緑ヶ丘商業高校の航空写真の全景。



奥さん作成の、通夜、葬儀告別式の日の栞。バスケットボールのゴールリングと板の写真。
九ちゃんと垣内さんと生徒たちの写真の入った、栞。


奥さんの栞の文は、九ちゃんのエピソードを紹介している。
教え子の皆さんから慕われていた。年賀状のやりとり、入院中の見舞いに来てもらったことから、生徒思いであったことを感じることが出来ましたと述べている。


人の名前と顔を覚える記憶力に長けていたこと。
定年退職後は、孫の成長を目を細めて見守っていた。優しい笑顔が甦ります、と奥さんの言葉。


愛高教退職者の会の、「あゆち」会報に出た、加藤真さんの追悼文。
その一部を紹介する。


「生徒たちは九一と呼び捨てだった」
「先生と呼ばれる者にろくな者がいない。俺は九一と呼ばれていい」

「九ちゃん、そう呼ぶことで職場の仲間からも生徒からも、信頼絶大で、九ちゃんの周りには、生徒たちが自然と集まってくる、そんな様子を見て、うらやましく思ったものだ。どれだけ多くの仲間や生徒たちが、元気をもらったことか。」



「あゆち」に出た、九ちゃん自身が書いたの文、「私を護ってくれた亡くなった祖父母―70年前の空襲」。

13名の旧職員の思い出のページ。


瀬戸電の小幡駅と喜多山駅を入れた、緑ヶ丘商業高校、金城学院大学、加藤藤九郎の家、森林公園、小幡温泉、喜多山温泉、小幡緑地などを入れた、手書きの地図。

昔を思い出させる。

昭和42年度と43年度の職員写真。

御参会の方々。(今回の偲ぶ会に参加した人の名簿)



校歌。

「こんにちは赤ちゃん」、「見上げてごらん夜の星を」、「ドナドナ」の歌詞。



九ちゃん有難う!!!

















posted by 花井英男 at 17:40| 教育

2018年11月09日

中日文化センター 英詩を読む

中日文化センター

英詩を読む

―EliotからDe la Mareをふり返るー



テキスト
Waler De la Mare The Listners, and Other Poems
Edinburgh U.P.,1912; Middletown, DE, 2018.

ウオルター・デラメア 『耳を澄ますものたち 他』
村松伸一訳  沖積社、2012.


Modernismから旗手として現れたEliotの詩は、どのような「期待の地平線」上に出現したのかーーEliot詩に先行するGeorgian Poetryの代表的詩人として
Walter De la Mare をとり上げ、その詩の理念、感情の様式、文体を検証したいと思います。


講師: 名古屋大学名誉教授 岩崎宗治  文学博士

開講日:第2・第4木曜日13:30〜15:00

会場:久屋 中日ビル



2018年11月8日(木)


この講座は、毎回、詩の内容に関するハンドアウトが出ていた。今回から、ない。参加者の皆さん、今日はどんなハンドアウトが出るか楽しみにしている。
先生が言われるには、アリュージョンがないから。


エリオットは、allusionの傾向が強い。ギリシャ神話、ハムレット、聖書、ダンテの神曲などから。
エリオットは、最初は、ページ数が足りないから、注はつけなかったが、Waste
Landから注を書き加えた。ページ数を増やすため。


いよいよデラメアの詩の講座が始まった。
エリオットの「荒地」(1922) は、「地獄の世界」、「四つの四重奏」(1943)(は「煉獄の世界」、デラメアの世界、「耳を澄ますものたち 他」(1912)は、「ありふれた現実の世界」という感じがする。

現実世界に戻ってきた、という安心感がある。普通の世界だなあという感じがする。
平凡な日常的世界の中に、静寂さ、静ひつの世界がある。安らぎがある。


「荒地」(1922)は、第1次大戦(1914−1918)後の世界の荒廃状況を反映している。歴史も文化も発展もない、状況を反映している。歴史も文化も否定している。読んでいても、息苦しくなる状況、読みたくない気持ちになる。


 先日、パリでは、今年が、第1次大戦終了後、100年になるということで、記念の催しが行われた。犠牲者が、1800万人、行方不明者が沢山いると言われている。それくらい大変の戦であった。T.S.エリオット(1888年 - 1965年)は、第1次大戦を経験し、その後の荒廃状況を詩に歌った。

その英詩の世界は、救いのない世界であると言ってもよい。その中に、再生神話を入れた。望みを持とうとした。

「四つの四重奏」(1943)は、ほのかに望みのある世界が垣間見える。「煉獄」という言葉は、日本文化にはない言葉だ。「煉獄」という言葉は、カトリックの教理で、「小罪」を犯した死者の霊魂が天国に入る前に、火によって罪の浄化を受けるとされる場所、およびその状態。天国と地獄の間にあるという。ダンテが「神曲」の中で描写。

煉獄の世界は、「この世のいのちの終わりと天国との間に多くの人が経ると教えられる清めの期間」と説明されている。岩崎宗治先生の論文によれば、「四つの四重奏」は、「統一の世界」。混乱状態、破壊の状態であった、「荒地」の世界から抜け出して、統一のある世界に到達した世界という気持ちになれる。

私は、岩崎宗治先生が29歳のころの英文学者として、学会にデビュウした頃の、論文、「T.S.エリオットの「『四つの四重奏』:UNITYの詩」英文学研究35巻1号。1958年11月号が大変参考になった。

こういう風に3つに分類するのは、シンプルに言ってしまうのは、危ないかもしれない。いい加減になるかもしれない。それは承知の上で言っている。

デラメアの世界、「耳を澄ますものたち、他」(1912)は、第1次世界大戦の前の、平和な、悪く言えば、ぬるま湯の中の世界か、あるいは、戦争に突き進んでいった頃のイギリスの中のどかな状態と言えるかもしれない。これがイギリスのジョージア王朝の雰囲気かもしれない。

もっと調べなくてはいけない。こういうデラウェアの描くような平和な世界も大切だ。

この独特の世界を詩に読んでいる。


今日とり上げた詩は、

三本のサクラ

老スーザン

老ベン

ミスルー

4つの詩だった。








posted by 花井英男 at 19:58| 文学・芸術