2018年05月28日

平成30年度愛知県臨床心理士会総会及び1日研修会

平成30年度愛知県臨床心理士会総会及び一日研修会

日時:平成30年5月27日(日)午前9時20分〜午後4時30分
場所:ウィンクあいち 名古屋駅前

午前;9階、10階及び11階の会議室、小ホール1,2に分かれて分科会
午後;大ホールおよび小ホールに別れて総会および全体会




分科会k (会員企画)A
* 現場で行われている認知・行動療法

企画:児玉和志 (上林記念病院)

事例提供:

服部正嗣 (西知多こころのクリニック/ならい心療内科/とわたり内科・小児科)
平田裕也 (BTCなごや)
小林正人 (愛知県心身障害者コロニー療育支援課)




参加者107名という盛況であった。企画した方々も驚いたと伝えていた。
最初に、児玉先生から、趣旨説明、企画趣旨概要の説明があった。


認知・行動療法の定義については、応用行動分析・行動療法・認知行動療法の内容であると説明した。つまり認知療法系の認知行動療法ではないこと。


中京大大学院出身の4人で始めて企画した。経験年数の7〜8年という若手ばかりだ。4人の皆さん素晴らしい実践報告をした。皆さん全部、臨床行動分析研究会のメンバー。

事例提供


朝の吐気を訴える症例
服部正嗣先生



何度も休職を繰り返していたが、主訴が当人の現状であるとは限らない。本人の行動面について、標的行動の選定し、介入は、アサーショントレーニングと、エクスポージャ。
結果は、LSAS-JとBDIの数値が正常値になった。

職場復帰し、勤務が継続している。


強迫観念の症例
平田裕也先生



平田先生専門であるOCDの実践例。YBOCS  20。今、厚生労働省からOCDのマニュアルが出ていると紹介した。
しかし、彼は、厚労省のマニュアルではなく、オーダーメイドのアプローチをしたと述べた。


彼のオーダーメイドの方法は、マインドフルネス型であるというところだと思われる。
強迫観念が出てきた時に、「確認とか避けることをしないで、五感で意識し、他の行動をすること」

標的行動は、見えるもの、聞こえるもの、感じるものが出てきたら、○。
マインドフルネスの仕方は、熊野先生(早稲田大院)のやり方。
彼は、典型的な行動療法によるアプローチも紹介した。


他にも、参考になるアプローチを紹介した。
OCDの障害有病率は、1〜2%と厚労省は発表している。

行動分析による、ABC分析も紹介した。


コロニーに施設入所している、知的障害・自閉症の子ども「ろう便」・「便食」の改善
小林先生



今回の発表の中で、一番、感激して聞いた事例である。よくもこんなに素晴らしい実践が出来たものだと感心した。


10才前後で常時、おむつをしている子。言葉が通じない。トイレットトレーニングはできない子。


施設の奥の方の押し入れで、こっそり、排便し、それをこねたり、食べたりしていた。私設の職員が発見し、取り組んだ。
要求の仕方も、手を叩くという方法のみ。表現方法もない子。
要求の仕方も知らない。

排便に20日、排尿に14日かかり、ろう便、便食をなくし、おむつをはずし、排便,排尿も出来るようになった。画期的な実践であると思う。
これも行動分析に基づくアプローチである。


全体会
代議員企画  2階 大ホール・小ホール(ライブ中継)
テーマ:臨床心理士としての学びと研鑚



司会:
永田 雅子(名古屋大学/愛知県臨床心理士会 副会長)
   松本真理子(名古屋大学/愛知県臨床心理士会 副会長)


【シンポジューム】「臨床心理士の学びと研鑚」

話題提供:

スーパービジョン 大津直樹 (吉田クリニック/ならい心療内科)
大学院のリカレント教育 加藤大樹 (金城学院大学)
個別の研修会 高橋蔵人 (人間環境大学)
各職域の研修 石黒直生 (刈谷病院/医療保健部会)
県士会の研修 鈴木健一 (名古屋大学/研修部会)

指定討論  川瀬 正裕  (金城学院大学  愛知県臨床心理士会会長)


愛知県の県士会のメンバーが、2005名になった。毎年100名増えていく。大所帯になった。

初心者、中堅、ベテランなど各層の研修が課題になる。

臨床心理士にしても、公認心理師にしても、生涯を通じて研修を重ねていくことが求められている。

それぞれの立場からの発言であった。県士会の会長から、指定討論がなされた。これだけのメンバーを抱えてレベルアップに勤めて行かなければいけないのは大変だろうと思う。


何よりも、それぞれが学会などに所属して、ワークショップなどの参加して力量的にも、人間的にも成長していくことが義務であると思う。







posted by 花井英男 at 10:39| 研修

2018年05月26日

89歳の恩師の講義ーT.S.エリオットの「荒地」

T.S.エリオットの詩を読む
20世紀モダニズム研究

講師:名古屋大学名誉教授 岩崎宗治先生 文学博士
開講日:第2・4土曜日 13:30〜15:00

テキスト:T.S.Eliot Selected Poems
Faber 80th
Anniversary Edition,2009


T.S.エリオット 『荒地』岩崎宗治訳 岩波文庫2010,2016

2018年5月24日(木)


主催 中日文化センター

岩崎先生は、5月10日(木)、体調が悪く休講になった。5月24日は講義があった。お元気な様子であった。この日、私は、楽しみにしていた、T.S.エリオット「四つの四重奏」岩崎宗治訳 国文社2009を先生から購入した。


エリオットの「荒地」の詩の講義の後、エリオットの「四つの四重奏」の詩を読むことになっている。
「先生、もう大丈夫ですか」と声をかけた。ニコッと笑っておられた。


講義が終わってから、帰りに参加者と立ち話をしてエレベーターを待っている時、私は「84歳で元気だね」と言った。「何、言ってるの。89歳だよ」と訂正された。
「え!!」「89歳か!」驚きである。


愛知学芸大学3,4年の時、先生のリチャーズの”Sience and Poetry”の購読の授業を受けた。

大学を卒業して就職して6、7年後に、友人、久田君と岡崎市の能見町の自宅に訪問したことがある。

ケンブリッジの大学院を修了されて、帰国後に、愛教大のシェイクスピアの集中講義に友人達と参加した。


シェークスピア研究や、エリオットの詩の翻訳、研究論文、著書を沢山出している。
岩波文庫の詩「荒地」の翻訳、注釈の精密さはすごいと思う。

毎回、資料のハンドアウトを2枚準備される。
今回の詩は、“U. A Game of Chess” は難しい。難解なりに何とか理解しようとして参加している。誰でもそうだろうと思う。

資料は、chess、とDolphinについての世界各地のシンボルの意味。「世界シンボル辞典」から引用。
16世紀頃のイギリスの天蓋つき、ねじれ支柱つきのベッドの写真。
死と植物の神々・オシリス神話についての「図説 金枝篇」からの引用などである。

 
20数名の参加者の欠席はほとんどない。正直言って、詩は難解である。

貴重な研究者である先生の講義を耳を澄まして聞いている。



posted by 花井英男 at 11:15| 文学・芸術

2018年05月20日

第3回 臨床行動分析カンファレンス

第3回 臨床行動分析カンファレンス

日時 2018年5月20日(日)10:30〜4:45

場所:ウィンクあいち 1001 大会議室

JR名古屋駅前

主催 臨床行動分析研究会


【内容】

司会は、柳沢先生(犬山病院)が担当した。

研究会趣旨説明(10時30分〜10時40分) 

 今野 高志先生(東海中央病院)

ワークショップ(10時40分〜12時30分)

 講師: 瀬口 篤史先生 (医療法人桜桂会 犬山病院、
立命館大学大学院人間科学研究科博士課程1年)

 タイトル: 『クライエントの行動は本当によくなったのか? -精神科臨床における行動指標の活用』


事例検討(13時30分〜16時45分)


 事例@(13時30分〜15時00分)

事例提供者: 平田裕也先生 (BTCセンタ−なごや、CBTを学ぶ会)

  脅迫観念の事例

コメンテーター: 権上 慎先生(広島国際大学大学院博士課程単位取得)(広島 松田病院)


 事例A(15時15分〜16時45分)

事例提供者: 牧野拓也先生(福井大学子どものこころの発達研究センター、その他)

強迫症の男児への実践

 コメンテーター: 橋 稔先生 (目白大学)




臨床行動分析研究カンファレンスは、第3回を迎えた。参加者は全国から、80名以上と思われる。
医師、大学の教員、病院・クリニックの臨床心理士である。

今野先生の趣旨説明では、事例研究の立場が述べられた。事例提供者を叩くのではなく、どうしたらうまく行くか提案をする内容に皆さんでしていこうという基本的な立場が述べられた。

学会とか研修会では、学者・研究者が相手の発表に対して、徹底的に叩きのめすという、品のない発言をする人がいる。参加者が不快な気持ちを持つことがある。臨床心理士の会合ではあることだ。

瀬口先生は、ならい心療内科でも一緒に勤める方だ。今度、立命館の博士課程に入学された。おめでとうございますと挨拶し、講演は大変有益な内容だと申し上げた。

臨床行動分析という難しい分野の牽引者として指導して頂ける方だ。臨床行動分析研究会は、そもそも、中京大の久野先生の教え子たちが始めたもの。瀬口先生の講演の後、考慮すべきこととして、
行動分析で気を付けることは、レスポンデント反応(私的事象)は測定しにくいから、オペラント行動(公的事象)を測定することを考慮に入れるとよいと言う発言、首藤先生がされた。


確かに、既成の質問紙でレスポンデント反応をみるものがある。病院臨床ですべての場面であるわけではない。患者の症状に、すべてマニュアルがあるわけではない。患者の話を行動分析の形でどうまとめるかという課題がセラピストに求められる。

臨床行動分析研究会は、全国区の研究会に成長した。次回のカンファレンスは東京の御茶ノ水になった。

さて、瀬口先生は、15頁のレジメをもとに、10年以上の臨床経験で実践してきた、臨床行動分析の、行動アセスメント、行動指標、標的行動の選択、行動の次元、測定の質などのついて、分かりやすく解説してくれた。


「行動療法研究」、「行動分析研究」など国内のジャーナル、学会での発表論文、海外の論文などから網羅して、解説してくれた。
忙しい勤務と、院生生活の中から、よくやってくれた、大変、勉強になったと、お礼を申し上げた。顔を合わせて話が出来たのはうれしかった。


広島からは、首藤先生(広島国際大学)が参加され、休憩時間中に久しぶりにお会いし、挨拶した。平田先生にも、休憩時間中に、挨拶した。彼は、臨床行動分析研究会の創設者の一人だ。
平田先生の発表は、OCDただ一筋に実践してきた、深さがある。

大阪からは、立命館大学の三田村先生が参加した。第1回に比べると、参加者が増えた。
病院臨床、相談室臨床の質の向上につながる会合であった。

第4回臨床行動分析カンファレンスは、


第4回  臨床行動分析カンファレンス
2018年12月16日(日)

ソラシティカンファレンスセンター

東京  御茶ノ水

内容  シンポジューム
嶋  大樹 (同志社大学)

指定討論 山本淳一 (慶応大学)

事例検討  





   
CBT CASE Camp 2018  in 滋賀 

2018年7月15日(日)〜16日(祝)

内容  事例検討(5事例) 研修会 3講座

会場: ピアザ淡海 滋賀県立県民交流センター  207号室

定員 80名



posted by 花井英男 at 20:11| 臨床行動分析