2018年02月15日

辛い体験をした人の治療法・USPT統合法

辛い体験をした人の治療法・USPT統合法

USPT研究会の紹介

臨床心理士の方々へ




2月10日、11日、12日、神奈川県三浦市で行われた、行動療法コロキウム ’17 in三浦海岸において、事例発表の中に、「生霊に悩まされた女性」の事例があった。

行動療法でアプローチした発表であった。結構時間がかかったようだ。行動療法学会の事例の中には、つらい体験をした事例は、あまり出てこないと思われる。

解離性障害についての事例は出てこない。

この事例で出てくる、生霊など憑依霊とか、つらい感情を抱えた人格を扱うUSPT統合法を、医師とか、臨床心理士は、もっと理解する必要があると思う。

解離性障害についての医師や臨床心理士の理解がもっと深まればいいと思う。

EMDR療法では、最初のアセスメントで、「解離性障害の臨床的兆候」をチェックする。「声が聞こえる」かどうかというシュナイダー症状のチェックがある。DSM−5においては、シュナイダー症状は、扱わなくなったが、EMDRでは、「解離性障害の臨床的兆候」必ず、扱うことになっている。

このチェックの中の、声が聞こえることを、診察の時に患者が医師に話すと、「それは気のせい」と言われて相手にしてもらえないことが多いと、私(臨床心理士)に訴える。時には、統合失調症の「幻聴」と間違える医師もある。

解離性障害については、臨床心理士も、医師も、無知、無理解なことが多い。
DSM−5においては、解離性障害は、300.15(F44.89)「他の特定される解離症/他の特定される解離性障害」・OSDDの項目に該当する。憑依のエピソードについては、「1.混合性解離症の慢性および反復性症候群」の該当する。

EMDR学会に所属し、病院臨床をしている人なら、頻繁に解離性障害のクライエントに出会うだろう。
昨年、福岡県で行われた、USPT研究会のワークショップでは、質疑応答で、「自我状態療法(USPT統合法)で出現した、つらい感情を抱えた人格が融合を拒否する場合どうするか?」という鋭い質問が出た。

この質問をした参加者はもちろん、EMDR関係者だった。サンドラ・ポールセンの、「トラウマと解離症状の治療ーEMDRを活用した新しい自我状態療法ー」東京書籍発行は、かなり普及したと思われる。
今年のEMDR学会に、サンドラ・ポールセンが講演することになった。期待したい。

しかし、今、一歩、上記の本について、理解しがたいというか、使えない面があるように思われる。

このような状況の中で、私は、小栗康平先生(東京・早稲田通りクリニック)のUSPT統合法に出会った。小栗康平先生は、精神科医として、EMDRを活用しながら、、解離性障害について、アメリカの先行研究を研究し、USPT統合法を開発した。

小栗康平先生は、EMDR学会でも、USPT統合法を発表し、日本精神神経学会、精神科の医師の学会などにおいても何度も発表された。著書も3冊発表された。

昨年、6月下旬に、名古屋の国際会議場での、日本精神神経学会においては、USPT統合法について、シンポジュームが、新谷宏伸先生(USPT研究会理事長)のもとに開催され、盛況であった。

今回の行動療法コロキウムで、私は、USPT統合法について紹介した。「生霊の女性」の事例を発表した、若い臨床心理士は、私のUSPT統合法についての発言に関心を持っていただけた。

発表者の、彼は、USPT研究会のウェブサイトを見て、ワークショップにぜひ参加したいということだ。

解離性障害へのアプローチとして、勿論、EMDR療法の標準的プロトコルによってトラウマの軽減はできること言うまでもない。しかし、USPT統合法の方が、時間的に短いのではないかと思う。

心理師は、一つの治療法、例えば、行動療法にだけ、関心を持っていてはだめだと思う。例えば、ブレインスポッティングもあり、EMDRもあり、認知再構成法、スキーマ療法もある。

私は、捨ててきた治療法もある。どうしても疑問を持ってしまう、臨床動作法。催眠療法は何度ワークショップに参加しても実際にどうするのかを教えてくれない。お金の無駄だと思った。必要になったら、納得がいくなら、催眠療法もやるつもりだ。ソリューションフォーカスもあきらめた。

私の勤めるクリニックでUSPT統合法に関心を持っておられる臨床心理士がおられる。少しずつ関心を持つ人が増えていけばよい。患者さんの回復に何よりも貢献するのだ。私は病院臨床・私設相談室で、USPT統合法を使わない日はない。

USPT統合法について、詳細は、「USPT研究会」を検索して、ウェブサイト・ホームページでご覧ください。









posted by 花井英男 at 11:48| USPT研究会

2018年02月12日

行動療法コロキウム’17 in 三浦海岸

行動療法コロキウム ‘17 in 三浦海岸

主催 認知・行動療法学会

日時:2018年2月10日(土)-12日(月)
場所:神奈川県三浦市 マホロバマインズ ホテル

実行委員長  岡嶋美代
実行委員は、大学教員、医師、臨床心理士、早稲田大学鈴木伸一研究室院生など20名

参加者は100名

事例検討
8つの事例に対する行動療法が発表された。

@生霊に取りつかれたと訴える女性
A抜毛に悩む女性

B職場復帰困難者
Cパフォーマンス不安などの症状の音大生

D不潔恐怖・洗浄恐怖の中学生
E常同行為と強迫行為を区別するー知的障害を伴う強迫性障害児童

F心理教育と周囲の支援によって落ち込みを改善した女子高校生
G1回の訪問の行動療法で不潔恐怖を改善した例

コメンテーターは、
高橋史 信州大
大野裕史 兵庫教育大

神村栄一 新潟大
別所ちさと 福井大

井宏明 TBCセンター顧問
小林重雄 筑波大名誉教授

鈴木伸一 早稲田大
松見淳子 関西学院大




病院臨床、学校臨床 家庭訪問の臨床、私設相談室、動画通信による海外の人への臨床などであった。

いずれもデータをだし、エビデンスを証明しようとしている事例ばかりだ。
ほとんどが若い臨床心理士のものばかりである。
行動療法による改善事例であった。充実した発表事例ばかりだった。

一つの事例発表に対して、45分の発表時間、10分のグループ討議、5分の質問応答、10分のコメンテーターのコメントという構成であった。

コメンテーターは、1名の医師、原井先生と残りは大学教員であった。
大学教員は皆、実践をしている人ばかり。素晴らしい指摘だと感心した。
臨床実践そのものの見事さに感心したが、
コメンテーターのその上を行くコメントにすごいと思った。



特別企画として、「条件反射制御法を現代学習理論で語る」
話題提供:岡嶋美代(BTCセンター名古屋)、原井宏明(医師)、

シンポジスト:首藤祐介(広島国際大)、
司会:山本哲也(徳島大)


この技法は、平井慎二(医師)国立病院機構下総精神医療センターの実践の紹介である。
くり返す性依存障害、物質使用障害に対する効果的治療法である。

ビデオは、いくつかぼかしてあった。若い女性参加者を考慮していたようだ。
これは、以前に、NHKのニュース番組で紹介されたことがある。

首藤先生らの難しい理論説明をされた。私には理解できない。しかし、実践方法は簡単であり、効果的な治療法である。しかし、少し時間がかかると思われた。


もう一つの企画は、昨年亡くなられた、久野能弘先生(中京大教授・金沢大学名誉教授)の追悼シンポジウム。先生のエピソードが語られると、笑いとどよめきが起こる。

追悼シンポジウム
久野能弘先生を偲ぶ

シンポジスト:小林重雄(筑波大名誉教授)、嶋崎まゆみ(兵庫教育大)、
        石川健介(金沢工業大)、柳沢博紀(犬山病院)、

コーディネーター:米山直樹(関西学院大)
メッセージ:奥田健次、仁藤二郎




私は、久野先生には親しくして頂いた。
先生のエピソードが沢山語られた。


歯に衣着せない人だったので、エピソードがありすぎるほどの人だ。
すばらしい研究者を生み出した。今は教え子が、研究者として、日本の行動療法を指導していると言える。


嶋崎まゆみ先生の語るエピソードは面白かった。
「クライエントの子どもを泣かせるな」と言って、自らの体をおもちゃにして、子どもと遊んだという。子どもを泣かせなかったという。


障害児を抱える母親に対して、「何か趣味を持っていますか」と問いかけた。障害児を抱えて、趣味など持てるはずがない状態だ。
お母さんたちは、わっと泣きだしてしまう。


先生は、院生たちに、非常に厳しかった。
嫌子刺激を嫌う、行動分析・行動療法であるのに、人格的に、相反する接し方をする研究者が多いのが実情だ。先生もその一人だ。


先生は、絶対に学生に答えを教えなかったという。
それで学生を鍛えた。


行動療法以外の大学教員の中には、久野先生の言動を見て、行動療法の学者はこういうタイプの人間かと思う人がいたそうだ。


教え子も、後任の行動療法の先生も、人格者ばかりだ。


久野先生に限らず、学者の中には、癖のある人物がいる。
追悼記念に、クリアファイルが配られた。先生の語録と先生の写真つきだ。
先生、天国から、私たちを見守ってください。

先生が亡くなられたことを知らなかった。昨年亡くなられた。久野先生は、関西学院の博士課程単位取得。
関西学院の松見淳子先生は、関西学院がこのような学者を出したことは誇りになると言われた。

久野先生が、在職中は、毎月、中京大で、研究会が開催され、私は参加するのが楽しみであった。
私は、大学院在学中から、この会合に出席した。それで、中京大の院生と仲良くなった。いまでも、お世話になる。

先生の最大の功績は、行動療法学会を立ち上げ、行動療法コロキウムを立ち上げたこと。日本の研究者を育てたこと。黎明期の行動療法を見事に築いた。精神分析一辺倒、来談者中心療法一辺倒だった、世界に行動療法を築き上げたこと。

公認心理士の心理療法の分野に、認知行動療法があるのは、久野先生のお蔭だ。

今回のコロキウムには、100名以上の参加と20名のスタッフがいた。
会の運営がすばらしかった。
全国の国立大学、私立大学の研究者がおり、臨床心理士もたくさんいる。今回の参加者は、若い人たちが圧倒的多い。今回の参加者は、大学の研究者に参加、医師の参加が目立った。

その中で、徳島大の若い研究者の山本哲也先生が、私に、「コロキウム in 宮崎(2007)で、発表されましたね」と声をかけてくれたのがうれしかった。私は、11年前に、スクールカウンセラーとして、中学生の再登校支援の発表をした。

ちょうど、恩師の小野昌彦先生が、宮崎大にいたので、コメンテーターをお願いした。
よくも、覚えていてくれたものだ。大変品にいい、紳士の山本先生から、親しく、声をかけて頂いたのはうれしかった。研究者の中には、こんないい人ばかりではない。


帰りに、京急の三浦海岸駅で、小林重雄先生に挨拶した。小林先生の弟子の「小野昌彦先生のもとで勉強しました」と伝えた。先生は、愛知県小牧市で、活躍中だ。82歳だ。まだ若若しいお顔だ。私は、78歳だ。
小林重雄先生も、日本の行動療法学会を立ち上げた功労者だ。今日の行動療法の基礎を築かれた。筑波大で沢山の研究者を輩出した。

コロキウムで学んだ内容は、宝である。

今回のコロキウムですばらしかったのは、発表者に対して、研究者が、ぼろくそにけなしてしまう傾向が、今までにあったことを反省して、参加者のグループ討議をして、発表者にお土産を渡すことにしたと言う企画である。岡嶋先生のこの企画説明は、素晴らしいと思う。大きな改革である。


京急の「三浦海岸」駅は、河津さくらが5分咲きで、三浦海岸さくら祭りの「お迎え式」をしていた。
駅前には、テントの店が沢山でて、にぎやかで、私は、昼食は、煮つけの魚を、350円で買って食べた。

今回のコロキウムでは、東京の原田憲明先生には、久しぶりにお会いし、3日間、親しく、話ができた。いろいろ言葉を毎日、かけて頂き配慮していただいた。有難うございました。

3日間、同室の、新潟の後藤さん、東京の有薗さん、千葉の奥田さんとは、3日目の朝は、朝食前に、三浦海岸に出かけた。強風注意の電光掲示板が出ていた。朝の三浦海岸にしばらく滞在した。

来年のコロキウムは、北海道の予定と決まった。坂野雄二先生とお弟子さんの研究者のいる北海道だ。










posted by 花井英男 at 19:32| 認知行動療法

2018年02月09日

中日文化センターの講座のあと

エリオットの詩を読む」講座の後

2018年2月8日(木)
中日文化センター

「エリオットの詩を読む」
講師:岩崎宗治先生・名古屋大学名誉教授・文学博士

テキスト:T.S. Eliot, Selected Poems (Faber 80thAnniversaru Edition,2009)
T.S.エリオット 「荒地」 岩崎宗治訳 (岩波文庫)2016
開講日:第2・4木曜日

Preludes  前奏曲集
Rhapsody on a Windy Night  風の夜の狂想曲


岩崎先生は、「この詩は、難しい。」と言われる。
脚注とか、解説は、十分すぎるほど沢山つけられている。
良くもこれだけ文献、背景を解説されたと思う。


多分、誰しもそう思うだろう。
わたしのような素人、あまり、詩のことが分からない者にとって、有難い注釈だと思い、分かったつもりになってしまいそうだ。しかし、どれだけわかっているいるか疑わしい、

ワーズワース等のロマン派の詩は、抒情を述べる詩だ。
エリオットは、抒情詩ではない。
近寄りがたい。


私は、あまり深刻に考えない。
分かるところだけわかればいい。

講座の後、ある人が、「脚注ののまた脚注が必要ですね。」と発言した。どう解釈していいのか難しいのだ。
こんな詩をよくも翻訳したものだと感心する。

今日は、地下1階で、フナ味噌を買って帰ることが楽しみで来た。
予定通り、講座の前に購入した。


無事に終わるはずの1日が、めちゃくちゃになった。今日は、講座の後、大失敗をした。

講座の後、財布、手帳、新幹線の切符などの入った、ポシェットを座席に忘れて帰ってしまった。家について、ポシェットがないことに気づいた。

中日文化センター事務局に、すぐに電話したが、「ない」という。
手帖には、カウンセリングの4月までの予約予定表がぎっしり書き込んである。
大事なメモもある。

夕方、自分で、も一度教室に調べに行ったがない。

明日から、神奈川県三浦海岸で、2泊3日の認知行動療法コロキウムがある。
もうやめようかとも思った。
新幹線の切符を新瑞のイーオンで再度、購入した。
これで明日の準備は、ととのった。

結局、もう出てこないと諦めて、新たな手帳を購入した。
ある大学の食堂で、昼食をとっている所へ、中日文化センター事務局から、落し物が出てきたと、電話が入った。
ちょうど24時間後だ。
昨晩は、どれだけ苦しんだことか。


中日文化センターへ取りに行き、中身を確認、全部ある。
この後、名古屋駅に再度購入した、切符の取り消しの手続に行った。

もっとしっかりしなきゃとも思う。
落し物でこんなに苦しんだのは初めてだ。
明日は、朝6時半に家を出る。

家族は、慰めてくれた。
友人のN君にも電話して、慰めてもらった。
posted by 花井英男 at 16:31| 文学・芸術