2019年09月14日

英詩を読む

英詩を読む
William Blake, Songs of Innocence and of Experience
And Other Poems


イギリス・ロマン派詩人たちの先駆William Blake の神秘的ヴィジョンを
彼の詩と版画の中に探りたいと思います。

講師:名古屋大学名誉教授 文学博士 岩崎宗治
開講日:第2・第4木曜日 13:30〜15:00

テキスト:『対訳ブレイク詩集』 松島正一編(岩波文庫)

久屋 中日文化センター

地下鉄「栄」駅


2019年9月12日(木)



今日は4つの詩を読んだ。The Garden of Love, The Little Vagabond,
London, The Human Abstract.

少し暑さが和らいできた。参加者は、欠席がほとんどない。ブレイクの詩の講義、岩崎先生の毎回出されるハンドアウト、解説に魅了されていると思う。


ブレイク(1757-1827)の詩をこんなに堪能出来るのは幸せだ。
今日の授業は皆さん活発な発言があり、面白かった。


ロマン派の詩人として当時のエスタブリッシュメント(体制・既成の権力組織)に痛烈な批判を浴びせた。
今回の詩はその特色が良く出ている。
「愛の園」では、「この礼拝堂の門は閉ざされ、扉には『汝すべからず』と書かれてあった」


「小さな宿無し」では、「母さん、母さん、教会は寒いよ」(松島訳)

この部分の訳について、寿岳文章訳は「教会は冷たいよ」と訳した。
腐敗堕落した教会を表しているという立場に立つ。

寿岳の訳の方が正しいと感想を述べた人に同感だ。
フランス革命では、教会関係者が処刑された形跡が各地にあったと、フランス旅行をした人が指摘した。
イギリスでも権力側・エスタブリッシュメントに腐敗をブレイクは見ていた。

英語のcoldを「寒い」と訳すか、「冷たい」と訳すか。大きく違う。

ブレイクは、キリスト教信仰は否定していない。信仰は厚かったことは詩の中に出ている。
彼は、“dissenter” 「非国教徒」であった。両親も同じであった。
反体制派であった。フランス革命支持派であった。

1794年に「無垢と経験の歌」を出版した。彼の彫刻作品と詩の原本を毎回ハンドアウトとして配布される。


「無垢」と「経験」とは、人間の魂の相反する2つの状態と定義した。
「無垢」とは、汚れのない魂の状態である。人間は「無垢」なものとしてこの世に誕生するが、生きていく過程、つまり現実の中で汚れていく。

人間は本来の「無垢」を喪失していくが、ブレイクは人間の「無垢」を阻害する場を「経験」と名付けた。


この経験の場には、制度としての法律・戒律・慣習などが存在し、
正しき人間は「経験」と闘わなければいけないのに、


人間は生きていくために自分をそれらに合わせる(合わせられる)ことで、
人間本来の自由な精神を閉じたものにしてしまった。


Song of Innocence and of Experienceはこのような内容のものである。







posted by 花井英男 at 09:25| 文学・芸術

2019年09月01日

認知行動療法学会に参加して

認知・行動療法学会第45回大会に参加して

会期:2019年8月30日(金)〜9月1日(日)
会場:中京大学名古屋キャンパス
地下鉄:「八事」駅

大会テーマ 新しい時代に活かす認知行動療法


6つのワークショップと行動療法士研修会、自主企画シンポジューム、ケーススタディ、ポスター発表に参加した。

6つのWSはほぼ実り多いものだった。行動療法士研修会、もよかった。

WSの内容、ポスター発表の感想を書きます。

「コンパッション・フォーカスオト・セラピー入門」―まだエビデンスはないという。講師は、詳細な資料を用意してくれた。実践的な内容。
今迄、外国で実践されてきた実践に基づく説明。講師自身も実践している体験に基づいて話した。辛い体験、傷ついた体験のクライエントの面接には、必須の内容であると思った。




「青年期摂食障害のアセスメントと介入」は、医師の立場からの介入と、心理士の介入の2つの立場からの実践を紹介した。医師の立場からの介入が主であると思われるが、やはり心理士などの介入も欠くことのできない内容だ。


「成人期のADHDの認知行動療法」−長年、ADHD臨床に携わってきた、講師の豊富な経験から編み出されたアプローチの詳解・紹介であった。実際どのようなアプローチするかを手持ちでないと実践は出来ない。場を和ませて、ユーモラスに話を進めていく講師は自信にあふれている。聞いてよかった。



「司法・犯罪分野における触法者に対する認知行動療法」−2人の同じ講師によるワークショップは、2度目である。内容は、進化している。難しい事例にどう対応するか。行動療法からのアプローチは難しい。それを見事にクリアしてくれたと思った。
実践では大変だ。



「エクスポージャ療法とハビット・リバーサルー効果的な行動療法の基本技法を学ぶー」−ベテランの講師による話し。参加者は多い。豊富な経験に基づく実践例。講師からの話ばかりでなく、参加者からの症例に応える内容も。


会場の感想。

中京大学のキャンパスには、十数年ぶりに入った。1号館は、最近できた校舎か。十数年前にはなかった。久野能弘元教授が在職していた頃は、毎月、行動療法研究会で中京大に来ていた。大学院在学中と終了後の頃のこと。久野先生には、大変お世話になった。中京大でずいぶんお世話になった。


もう久野先生は亡くなっていない。時がずいぶん過ぎたと思った。1号館は、6階建て。エレベーターが4台。エスカレーターもある。廊下には、感じのいい絵画や、大きな彫刻作品がかけられている。1階にセブンイレブン。2階に食堂。


校外には、金属彫刻と樹木。ホテルの中にいるような感じ。食堂もゆったりできる広々とした広さ。各階には、学生がゆっくりできる、又、学習できる空間、座席、机の配置。
今の学生たちはこんな環境で勉強しているのかと思った。



奈良教育大大学院時代の恩師の小野昌彦先生(現・明治学院大・教授)にも会い少し話せた。何よりもうれしかったのは、佐藤亮太郎さん(小野先生の教え子)(M2)のポスター発表に行ったら、喜んで発表内容の説明をしてくれたことだ。素晴らしい内容。

タイトルは、「包括支援アプローチ適用による登校しぶりを伴う選択緘黙児への学校適応支援―緘黙反応以外にも不適応状態を示していた事例―」

緘黙児が話せるようになったアプローチをどのようにしたか、更に、不登校をいかに克服したかの、具体的な実践方法。


私も小野先生の教え子だということで、私の名前を日頃から小野先生から聞いていたようだ。私のネームカードを見て大変喜んでくれた。初めて会ったのに、旧知の人のように喜んでくれた。
彼の説明の話は、気持ちよく頭に入った。
博士課程に進学するとのことであった。小野先生の継承者が出たことはうれしい。
学会では、若い人たちが目立った。認知行動療法の担い手が増えていることはうれしい。










posted by 花井英男 at 20:55| 認知行動療法

2019年08月16日

平和の俳句特集ー中日新聞2019年8月15日

中日新聞 平和の俳句特集

―令和に伝える戦後74年―
2019年8月15日

終戦記念日の8月15日の中日新聞に平和の俳句特集が載った。



黒田杏子さんが選んだ10句の中に、次の句があった。


「安らかに眠れる世かと兜太問う」
山本 幹也 (64)
岐阜県美濃加茂市

この句を読んで、思わず笑ってしまった。本当にそうだ。
俳人金子兜太(昨年死去)と作家いとうせいこうさんが始めた、中日の平和の俳句を見るのが楽しみだ。

金子兜太もそういうだろう。

「安らかに眠ってください。あやまちは二度とくりかえしませんから」という言葉は、常套句になった。

だけど、「安らかに眠れる世かと兜太問う」と思うのは普通だ。
信じられなくなってしまった。

今、民放のTV番組で、夏井いつきさんの「ぷればと」が、人気番組で楽しい。
昨晩は、夏井いつきが選んだ、小学生・中学生の選抜チームと、プレバトの芸能人との対抗の番組を楽しんだ。


昨日は、11才の子が出た。
プレバトチームが僅差で負けた。
その中で、子どもたちの鋭い感覚が光った。

頼もしい!!!

黒田杏子さんの選んだ、次の作品もよかった。

「戦なきジュゴンの海を守るべし」
今別府 勝則(79)
東京都あきる野市

辺野古の基地建設は反対です。ジュゴンの海が守りたい。



同じく、黒田杏子さん選の句。

「戦火逃げさまよう異国敗戦忌」
三浦 靖男(81)
東京都東久留米市

痛ましい戦場を詠んだ句。

「にっこりと笑うだけで平和みたい」
山下  遥耀(15)
名古屋市瑞穂区


私は、近所の人と出会って、笑顔で挨拶することが一日の元気をもらう。
出会いがうれしい。
勇気と希望を与えられる。



夏井いつきさんが選んだ句。

日常の何気ない光景の中に平和のありがたみを感じる句があった。

「向日葵立つわたしはわたしだけのもの」
平木萌子(56)
相模原市中央区

「火は昇る赤ちゃんは泣く花は咲く」 
斉藤博恵(52)
千葉県市川市


「大量の武器買う見出し春炬燵(はるごたつ)」
手塚立夫(72)
千葉県八街市

軍事予算拡大するばかり、もう結構だ。



「8月の空に半旗を忘れてる」
樋口英世(77)
静岡県磐田市

半旗とは、弔意を表すために、国旗などを旗竿(はたざお)
の先端より三分の一ほど下げて掲げること。

今年の終戦記念日の陛下の「深い反省」の言葉は心を打った。




posted by 花井英男 at 18:14| 文学・芸術