2017年10月20日

N君からの電話

N君からの電話


木曜日、N君から「名古屋へ出るので、会いたい」という電話が来た。
即座に「いいよ。」と答えて、いつもの通り、中日ビルで会った。この頃、中日ビルを見ると、あと1年とちょっとでなくなるかと思うと、いとおしくなる。

「昼は、ラーメンが食べたい」とこちらから、言って、地下1階のラーメン屋に行った。ところ、が10人位並んでいた。N君が下の中華料理がいいということで、そこへ行った。

彼は、この地下1・2階の食堂をよく利用しているようで、詳しくここがいいとかと言って説明してくれた。
落ち着いた店で、向かい合って座れる座席がある。値段もいい。

毎月、2回位は、中日文化センターの「ジョン・キーツを読む」の講座の後、Nくん、I君と3人で喫茶店で話をするのが楽しみになっている。最近、N君の都合で、1か月会っていなかった。

食事の後、いつもの喫茶店で積もる話をした。彼は、K町とS市の姉妹都市調印式に九州まで町の代表として行ったことを話してくれた。

私は「ジョン・キーツを読む」の講座での、岩崎宗治先生のドレイトンの翻訳詩集の話、イシグロ・カズオの感想などを紹介した。
N君は、村上春樹のノーベル賞受賞は、これで当分遠のいたと感想を述べた。
理由は、昨年、ボブ・ディランがとったから。文学者の枠をはみ出た受賞者だったからと。

彼は、イシグロ・カズオの作品も映画も見ていた。さすが幅広く読んでる。

私は10月下旬、学会で新潟まで行ったこと、福島大学で来年1月に開催される、スキーマ療法のワークショップに参加するために、3冊の本を購入し、準備している、近況を伝えた。

彼は、愛知教育大学学術講演会のチラシをくれた。
詩人・文芸評論家 北川透の講演会。

「これはぜひ行くよ」、「ジョンキーツを読む」の参加者にも知らせるといいねと伝えた。


彼は、愛教大大学院の時の恩師から、詩人・文芸評論家 北川透の講演会の企画を聞いて、北川透(現在84才)が40歳の時から親しいから、「僕に詩人との連絡など話しをさせてください」と言って、講演会のおぜん立てをした経緯を話してくれた。

愛知教育大学 学術講演会

詩人・文芸評論家 北川透先生 

「蟻の行方―詩を読むこと、詩を書くこと」

日時  平成29年11月10日(金)15:30−16:00
会場 愛知教育大学 第二共通棟 421教室
主催  愛知教育大学 英語専修・専攻 



詩って何が面白いの? 詩なんて関係ないよ。
もしあなたが今そう思っていたら、この講演会に来てみませんか。


詩を読むこと、詩を書くことに若いころから心血を注いでこられた
北川透さんの言葉は、きっとあなたの日常に波動を越し、何か大切な
ことを知る機会になるはずです。


講師プロフィール


1935年碧南市生まれ。愛知学芸大学(愛知教育大学の前身)・国語科卒業。
豊橋で1962年から1990年まで、詩と批評誌「あんかるわ」を
編集発行し、詩作、批評の世界をリード。


下関へ移住し、
梅光学院大学教授をつとめる。「北川透・詩論の現在」全3巻で
第3回小野十三郎賞、詩集「溶ける、目覚まし時計」で高見順賞、「中原中也論集成」で藤村暦程賞、昨年6月、中日文化賞。現在「北川透現代詩論集」全8巻刊行中。評論「谷川俊太郎の世界」など著書多数。



彼は、鶴舞図書館で開催された、英語の俳句の会合に参加したこと。
「ジョン・キーツを読む」のメンバーのSさんが英語で司会を務めたとのこと。
「青い目の人形の会」で募集した、英語の俳句が中高生から、500も集まったと喜んでいた。現在、審査中であるとのこと。

彼との話で一番素晴らしかったのは、ディラン・トマスの研究を続けたくなったと言った。私は、「いけ、いけー」と叫んでしまった。


母校の愛知教育大学大学院・博士課程で勉強することを決意した。
78才になって博士課程に行く気持ちは貴重だ。
成功を祈る。彼なら出来る。
イギリスの詩人・ディラン・トマスのついての英文の修士論文を今年1月提出したばかりだ。
優秀な論文だと評価された。





posted by 花井英男 at 08:41| 文学・芸術

2017年10月13日

中日文化センター  ジョン・キーツを読む

中日文化センター

ジョン・キーツを読む
―イギリス・ロマン派の感性と文体―

講師  名古屋大学名誉教授  岩崎宗治  文学博士
テキスト 「キーツ詩集」イギリス詩人選(10)
宮崎雄行編(岩波文庫)

2017年10月12日(木)13:30〜15:00


イギリス・ロマン派を代表する詩人のジョン・キーツ[1795−1821]の詩を
精読し、詩人の優れた感受性と詩の文体を、歴史的コンテキストの中で考えます。


9月28日(木)は、新潟の学会参加のため、中日文化センターには出席出来なくなった。
しかし、この日は、岩崎先生は、風邪をひかれて休講になった。
私にとって、ラッキーであった。幸い、先生は、少し風邪をひかれて、何とか回復した。


84才の先生は、今年になって、2冊も本を出されて、元気だ。
出した本は、いずれも、国文社から、イギリス・エリザベス朝時代のソネット集の翻訳。
日本人が翻訳するのは、almost impossibleと上智大学のミルワードが
言ったコンスタブルの翻訳。

「コンスタブル  ソネット集 ダイアナ」

もう1冊が、今回出した翻訳詩集。

「マイケル・ドレイトン  イデアに捧げる愛の詩集」
プラトンのイデアに関係する。

シェイクスピア時代にシェイクスピアと肩を並べた詩人たち。先生は翻訳詩集にも力を注いでいる。
大抵の大学の教員は、84歳になれば、引退している。知的好奇心は盛んだ。


先生は、今日は、30分位かけて、ドレイトンの作品の紹介をされた。
エリザベス朝時代の、「現代文学」という言い方。
エリザベス女王の全盛期を称える内容。
イングランド礼賛。ナショナリズム。愛国心。近代個人主義の芽生え。
イギリス風のソネットの確立に貢献した。

話変わって、
先生は、ノーベル賞を受賞した、日系イギリス人・イシグロ カズオに触れた。
翻訳で、イシグロの作品を読んだ。映画の作品がよかったと。
やはり。ノーベル賞受賞だと思った、と述べた。

イシグロカズオは、村上より早くノーベル賞を受賞して申し訳ないと言った。気を使っている。
しかし先生は、村上春樹は「大衆文学」だと言われた。ハルキストは怒るだろう。或いはがっかりするだろう。
私は、評判を聞いているだけで、村上は何も読んでいない。


私は、サマセット・モームが大好きで沢山の作品を夢中になって読んだ。モームは、大衆文学だと、英文学者の友人に言われて、がっかりした。しかし、何と言われようと、モームの「人間の絆」など作品は大好きだ。
大衆文学という言葉は、一段低い評価であると思う。


さらに、先生は、最近出た本を一冊紹介した。
キーツの「ネガティブ・ケイパビリティ」にちなんで、

「ネガティブ・ケイパビリティ」
帚木蓬生(ははきぎそうせい)著
朝日出版  1300円

作家、精神科医。開業医として活動しながら、執筆活動を続けている。
医学に関わる作品が多く、また自身(精神科医)の立場から『ギャンブル依存とたたかう』を上梓している

著者の帚木は、東大文学部仏文科卒、九州大学医学部卒


楽しみが増えた。


先生は、キーツの書簡集(ハンドアウト)を紹介した。
その中の一節。
The excellence of every art is its intensity,
Capable of making all disagreeables evaporate,
From their being in close relationship with
Beauty and Truth―
Examine King Lear and ・・・


これは、いい文章だ。






posted by 花井英男 at 21:54| 文学・芸術

2017年10月08日

愛知県精神科心理ネットワーク研究会

第1回 愛知県精神科心理ネットワーク研究会

日時:平成29年10月8日(日)13:30〜17:00

場所:カネジュービル 6階 会議室

名古屋駅新幹線口


会費:1500円

プログラム

司会  古村健先生(研究会代表)

13:30 開会の挨拶と参加者の自己紹介

14:00 <伝達講習1>自殺念慮のアセスメントと対応方法
古村健先生(東尾張病院)

  15:00  休憩

15:20 <伝達講習2>うつ病の行動活性化
山内 恵理子先生(京ケ峰岡田病院>

16:00事例検討(行動活性化を用いた事例)
西村 勇人先生(上林記念病院)


17:00 終了

懇親会




今年の愛知県臨床心理士会の愛知県精神科心理ネットワーク分科会
から生まれた研究グループの活動が始まった。東尾張病院の古村健先生の呼びかけで始まった。


名古屋駅の新幹線口には、桜通り口側の超高層ビル群ほどではないが、高層ビルが立ち並び、私の大学生時代(50数年前)のころには考えられなかったビル街になってしまった。


昔は、「駅裏」と言っていた。危険地帯だった。「駅西」になり、「新幹線口」となったと思う。今、「駅裏」という言葉を使うことはできない。


県内の病院、心療内科、メンタルクリニック、区役所などに勤務する若手の臨床心理士ばかりが集まった。私だけ例外だ。しかし、私も、ヤング・アットハートだ。


始めと終わりは、参加者全員が自由に発言し、発表中も自由に発言でき、質問もできる雰囲気は、魅力的である。
お互いの発言を尊重する雰囲気は素晴らしい。代表の古村健さんの気配りがあってのこと。
古村先生は、新潟の認知・行動療法学会のワークショップでお世話になった。話をしていると、幅広く勉強されている。、

伝達講習というユニークな発表。
学会の発表者(大学の研究者)の内容を忠実に伝えるのは大変な仕事だ。古村さんの発表内容は膨大だ。忠実に、内容の充実した伝達講習だった。ただ感謝のみ。学会発表の大切なものを皆さんと共有しようというもの。

古村さんは、自殺関連のことに関心を持っていたのかと思った。こういうものばかりに集中しての伝達講習だ。
「自殺念慮のアセスメントと対応方法」は18枚のパワーポイント。
簡潔にして要領を得た、内容。自殺関連のことは、町内の保健環境委員会でも話題になる。

厚生労働省の「ゲートキーパー手帳」の紹介も貴重だ。膨大な量の資料を準備していただいた。
素人でもできる支援に重きを置いた内容。


大学の研究者の作成した、

”10エッセンシャルズ
ーメンタルヘルス支援と自殺予防のための教育プログラムー
2014年版


は、よく考えられた内容。これもたくさんの資料だ。
貴重な資料だ。


この資料の中で、「症例の概念化」の中の、「気質的脆弱性因子」(きしつてき ぜいじゃくせい いんし)という用語を使っている。「脆弱性」という言葉について考えたい。
「こういう用語で片付けられない」と私は思う。「ぜいじゃくせい」という言葉は、、人間は強そうで、弱い、弱そうで強いという言葉で使われる。

私は、人間誰でも『脆弱な部分」を持つのではないかと思う。お互いの弱い部分を知るのは、難しいかもしれない。分からなくて、理解できなくて、腹を立てるかもしれない。理解しようとする場合があるかもしれない。

これは、「もろくて弱い性質または性格」という意味だが、誰も小さい時から、恵まれた環境で育つとは限らない。恵まれた環境に育っているなあと思う、立派な人だと思う人もいる。

一方、学歴があっても、学識があっても、性格的に、人間的にゆがんだ人がいる。「歪みがあるなあ」と思っても、口に出しては言えない。私自身もゆがんだところを持つ。人に迷惑をかけたと思う。

犯罪を犯す人、何かの過ちを犯してしまう人、大なり、小なり、欠点を持つ人。人にはわからないが、生きづらさを抱えている人。人に危害を加えても、人に迷惑を与えても、自分の欠点を自覚していない人。


10才までに体験した事柄によって、その人の記憶、認知、感情、、行動、対人関係、身体感覚の形成に影響を与えるという観点、(スキーマ療法の観点)から、クライエントにアプローチすることが可能になったと思う。

勿論、10歳以降からの体験に基づく、その人の記憶、感情、認知、行動、対人関係、身体感覚の形成に影響を与えた事柄にも配慮する観点も必要だと思う。

その場、その場で頭に浮かぶ、様々な考えやイメージのことを「自動思考」と呼ぶが、すでに頭の中にある、自分や世界や他者に対する深い思いや価値観のこと」を「スキーマ」と呼ぶ。

日本で、認知・行動療法の開拓者の一人である、伊藤絵美先生は、スキーマ療法は、もっと深いレベルの認知であると言う。まずは自動思考から取り組むことを勧める。

まずは、自動思考について認知・行動療法をし、さらに深めるためにスキーマ療法に進む必要がある。

さて、「脆弱性」(ぜいじゃくせい)という言葉の説明とどうアプローチしていくかということから、本日の研究会の内容と離れてしまった。本日の研究会に戻る。

参加してよかった。うつ病の「行動活性化」についての伝達講習も、分かりやすく、見やすい内容にパワーポイントを作成してくれた。発表までに、大変なことだったと思う。ご苦労様と労いたいと思う。


行動活性化を適用したクライエントの成功した症例発表もすばらしかった。
行動活性化の本は何冊も出ている。どう実践するかが問題だ。


シンプルに、本人の意思を尊重して、実践を積み上げて、復職に成功した。
臨床心理士がどのように実践するかが問題だ。
9枚のパワーポイントに見事にまとめた。


この研修グループだが発展することを期待しております。




츄㾆
posted by 花井英男 at 20:03| 研修